無

何も考えずにただ、目の前の仕事をあるがままにそのままにこなす。
感情もお休みだ。怒ったり、笑ったり、どきどきしたりもしない。
ただ、あるがまま。
目に見えるものを見て、聞こえる音を聴く。
吹き付ける風を感じ、アスファルトをただ歩く。
心をフラットに波立つこともせず・・・
静かに静かに無をかみしめる。

会社の私の使っている電話の子機が壊れた。でも、もうすぐ編成がえがあるのでとりあえずは親機を隣の人といっしょに使うことに。でも、取りにくい。２人の真ん中に置かれたものの、やはりイスをすべらせて、スル～っと取りにいかないといけない。オフィスと呼ぶのははばかれるようなお粗末な仕事場だけど、イスをすべらせて、電話をとりにくのは、ちょっと忙しい会社っぽくていい。ただ、だんだんスピードがあがって、危険だ。勢いあまってぶつからないようにしないと。

ただ、今日はそんな状況ですら、感情はどこかへ置き去りにされていて、ス～っというイスの音だけが耳に響いた。

たまには無な日もあっていい。何も思わない日。心を日曜日にする日。ただの生き物になる日。