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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観自在菩薩冥應集、連體。巻5/6・12/39

2025-06-21 | 先祖供養

観自在菩薩冥應集、連體。巻5/6・12/39

十二洛陽東山今熊野の観音の事

今熊野は紀州熊野の権現を勧請するが名乗れるなり。本地十一面観音は弘法大師の御作なり。古老相傳へて曰く、弘法大師東寺に住し玉ふ時東の峯より光明赫奕として東寺の方を照らす、大師怪しみをおぼしめして其の光を慕ひて東山に至り見玉ふに白衣の翁一人顕れ出て大師に告げ玉はく、此の山に十一面観音おはします。御長一寸八分(5cm)にて天照大神の御作なり。衆生済度為に此の地に御来現なり拝み玉へと宣ふ。大師奇異の思ひを為し尊像を禮拝し玉ふに実に光明照輝して普く山谷を照らし玉ふ。其の時彼の翁又宣く、願はくは大師佛宇を構へて衆生を救済し玉へ。我は熊野権現なり、此の地の守護神と成りて佛法を護るべしとて掻き消すやうに失せ玉ふ。大師歓喜のあまり神勅に任せて一の佛閣を営み玉ひて尊像を安置し玉ふ。かかる殊勝稀有の霊像をたやすく安ずべきにあらずとて更に十一面の尊像を一尺五寸(57㎝)に刻み玉ひ其の胸中に彼一寸八分の霊像を納め玉ふとなり。是に依りて熊野権現も此処に勧請あり新熊野と云ふなり。謡に大悲擁護の薄霞 熊野権現もうつります。皆も同じ今熊野(謡曲「湯谷」に「花前に蝶舞ふ紛々たる雪 柳上に鶯飛ぶ片々たる金寺は桂の橋柱。立ち出でて峰の雲 花やあらぬ初桜の 祇園林下河原。南を遥かに眺むれば 大悲擁護の薄霞 熊野権現の移ります 御名も同じ今熊野。稲荷の山の薄紅葉の 青かりし葉の秋。また花の春は清水の ただ頼め頼もしき 春も千々の花盛り。 山の名の 音羽嵐の花の雪 深き情けを 人や知る。」)と云も此の意にや。是は三十三所の第十五番の名刹なり。

 

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