秘密安心往生要集・・30/42
(廿九、断末魔の苦を免るる法の事。)
問、断末魔の苦みとは何事ぞ。
答、末魔は梵語なり。支節と翻ず。身中の三百六十の支節を断壊する苦しみなり。是を死苦と名く。此の世界の壊滅するときは火災起こりて初禅天までを焼き盡し水災の時は第二禅天までを漂流せしめ、風災の時は第三禅天までを吹き壊りて微塵となって散り亡ぶ。是を大の三災と云ふ。人の死する時も三災あり。遍體大に熱を生ずる . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・29/42
(廿八、人間天上に生ずる死相の事。)
問、守護経に三悪道に堕する死相を説き玉ふ。人間天上に生ずる相もありや。
答、有。経に曰く「人間に生ずる者は十相あり。一には善心を作す。所謂柔軟の心福徳の心なり。二には妙なる心歓喜の心愁なき心を起こし身の痛み苦しむこと無きなり。三には、少し物語するに父母の子を思ふに似たり。四には妻子に哀れみを作して常の如くにして愛する事もなし。又 . . . 本文を読む
「人生は苦である」とは仏典にも聖書にもあることばですが、此の苦の人生をいやがおうでも送らざるを得ない凡夫は「苦の人生を送る中で道を発見する」しか苦を転換することは出来ないと思うこの頃です。
そう思ったきっかけは以下の「野球道」の話です。
川上哲治が初めて梶浦逸外老師に会ったのは、正力松太郎の紹介がきっかけです。(正力松太郎は昭和34年10月号の「大法輪」に「私がはじめて座禅を組んだのは24歳帝 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・28/42
(廿七、逆修の事。)
問、逆修とは何の義ぞ。
答、死後七七日の間に修する追善は七分が一ならでは亡者の功徳とはならず。六分は皆存命の人の功徳なりと。地蔵経に説き玉へり。故に灌頂経に説く、存命の時に死後の七七日の追善を自ら修する時は七分全得の作善なりと。未死の日逆じめ勤むるが故に逆修と名く。順逆の謂には非ず。悲しひかな今時の人は逆修の善根もなく、又没後に七七日の追善も少 . . . 本文を読む
不登校は両親どちらかの先祖が先祖供養の契機を与えてくれていることが多いように思います。
子供の未来を拓くためにもそれぞれの家の先祖供養は「・・家先祖代々菩提也」と書いた塔婆(経木塔婆等)を作り縁のある御本尊を決めて般若心経を最低千回(一日3回とすると334日、10回とすると100日。100回とすると10日)はあげるようにすると良いと思います。
要はこれを繰り返すことです。 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・27/42(廿六、七七日一周忌等本説の事。)又一七乃至七七の追福回向は地蔵本願経・随順往生経・瑜伽論の本説に拠る。(「地蔵本願経」に「若能更爲身死之後七七日内廣造衆善。能使是諸衆生永離惡趣。得生人天受勝妙樂。現在眷屬利益無量。」。「佛説灌頂隨願往生十方淨土經」に「父母兄弟及諸親族。爲其修福爲得福不。佛言普廣。爲此人修福七分之中爲獲一也。何故爾乎。縁其前世不信道徳。故使福徳七分獲 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・26/42
(廿五、追福廻向に時節有る事。)
凡そ追福回向は優婆塞戒経に拠るに三時あり。春は二月、夏は五月、秋は九月に勤修せよ。鬼道に在る者は解脱しやすく、地獄餓鬼畜生に在るものは免るることなしといへり。是鬼神は分に福あり、通あって過去の造業を知りて悔み,或は人に託して追福を乞ふことあり。又地藏菩薩本願經には、夢中に諸の鬼神、異形の者を見、或いは悲しみ、或は啼き、或は愁へ歎き恐 . . . 本文を読む
「秘密念仏鈔(うち臨終用心の事)」 (道範阿闍梨)
それ臨終用心とは仏法の本懐、生死の折角なり。之に由りて有心の行者は皆深く尋ね習ふて心蔵に納む。何ぞ紙筆に染めてこれを露わにすべけんや。然りと雖も初心の人に至要を問はしめんが為に唯通相に就き略して大義を注す。行者若し多日病患に纏はれ上堂行法すること能はざる時は、手を洗ひ口を漱ぎて護身結界して帰命懺悔すべし。その詞に曰く
南無帰命頂礼 両部界会 . . . 本文を読む
24日に「自分には徳がないと自覚して僧侶のなった」という比叡山の宮本祖峯師のお話を載せましたが
https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/92261c21a3fcde11a673713494849917
思い出すと数十年前、最重度障害児を預かる鉄道弘済学園を訪問した時、禅僧から施設の職員になったという人に会ったことがあり、其の人は「禅堂で座禅の合間に外にでて田圃を見 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・25/42
(廿四、七日七夜に卒塔婆を立る事。)
問、七日七夜に卒塔婆を立る事は功徳ありや。
答、卒塔婆は大日如来の三昧耶形なるが故に、丁寧に造りて開眼供養すれば大日如来の形像を造ると功徳同じ。覚鑁上人は十種の功徳勝利を釈し玉へり。石にて五輪塔婆を作るも同じ意なり。但し墳の上に建るは非法なり。伽藍の内に建て或いは堂の中に安置すべし。亡者の為に寶印塔を建つるも墓所に建つべからず。 . . . 本文を読む
お地蔵様の霊験の実例と根拠1、お地蔵様の現世利益を説く経典地蔵菩薩本願経囑累人天品第十三にはお地蔵様を見、讀誦・香華・飮食・衣服・珍寶・布施・供養・讃歎・瞻禮すればの28種の功徳を得ると説かれています。「若未來世有善男子善女人。見地藏形像及聞此經。乃至讀誦香華飮食衣服珍寶布施供養讃歎瞻禮。得二十八種利益。一者天龍護念、二者善果日増、三者集聖上因、四者菩提不退、五者衣食豊足、六者疾疫不臨、七者離 . . . 本文を読む
今昔物語巻十七・僧仁康、地蔵に祈念して疫癘の難を遁れたる語 第十
今昔、京に祇陀林寺(京都中御門京極の東にあった天台宗の寺。長保二年(1000)この主人公仁康の創建と伝えられる)と云ふ寺有り。其の寺に仁康と云ふ僧住みけり。此れは横川の慈恵大僧正(元三大師)の弟子也。心に因果を信じて、三宝を敬ひ、身に戒行を持て、衆生を哀ぶ事、仏の如し。
而る間、治安三年(1023)と云ふ年の、四月の比、京中、及 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・24/42
(廿三、経帷子等用心の事)。
問、経帷子を屍骸に著せしむることは功徳ありや。
答、罪を招くとも功徳は少なかるべし。本説を見ざれば必ず用ゆることなかれ。
問、印信血脈は棺に入れるべきや。守護(おまもり)は亡者の頸に挂けしむべきや。
答、印信血脈は弟子に譲るべし。守護は臨終の時には挂けしめよ。火葬の時は撤去すべし。但し随求の守りは本説あるがゆえに土葬の屍ならば頸に挂けし . . . 本文を読む