福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

一切如來心祕密全身舍利寶篋印陀羅尼經(全文)

2023-10-01 | 諸経

一切如來心祕密全身舍利寶篋印陀羅尼經(全文)

  • はじめに。

「寶篋印陁羅尼が亡者の廻向には最適」とは浄土宗の高僧も説いていたところです。https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/361cbea1d558b8da69524dae6fb7ba61

国内には無数の寶篋印陁羅尼塔(寶篋印陁羅尼を納めた塔)があり、当方の生まれた山寺にもありました。ウキぺデアには代表的な画像があります。https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/95/Ehoukyouintou-wiki.jpg/300px-Ehoukyouintou-wiki.jpg

 

 

  • 宝筐印陀羅尼経は、

亡者の滅罪生善・極楽往生、子孫繁栄を説いています。(一、宝筐印塔の影に当れば無心の畜生も仏家に生ず。二、塔影に当り塔形を見、その名を聞くだけで往生可能。

三、この陀羅尼七遍回向すれば亡者速疾往生。

四、高山に登ってこの陀羅尼を諦ずる人あるに、その視界内に存在する一切生類は仏性顕現入涅槃。

五、この陀羅尼を受持する人と、路に行き会い或は衣の風に触れ或はその跡を踏み或はその人の面を見、或は少時語るだけで、重罪消滅往生極楽)。

 

3,一切如來心祕密全身舍利寶篋印陀羅尼經

(開府儀同三司特進試鴻臚卿肅國公食邑三千戸賜紫贈司空謚大鑒正號 大廣智大興善寺三藏沙門不空奉詔譯 )

 

如是我聞。一時薄伽梵、摩伽陀國の無垢園寶光明池中に在して、大菩薩衆及び大聲聞僧・天龍・藥叉・健闥婆・阿蘇羅・迦樓羅・緊那羅・摩睺羅伽・人非人等と與なりき。無量百千衆倶前後に圍繞せり。

爾時、衆中に一大婆羅門あり。名けて無垢妙光という。多聞・聰慧にして人の見んと楽(ねが)ふ所なり。常に十善を奉じ三寶に決定信向するところなり。善心は慇重にして智慧は微細、常に一切衆生に善利に相應して大富豐饒資具圓滿せしめんと欲す。時に彼の婆羅門無垢妙光、座より起て佛所に往詣し、佛を遶ること七匝、衆の香花を以て世尊に奉獻し、無價の妙衣瓔珞珠鬘を持して佛上に覆ひ、雙足を頂禮して却きて一面に住し、是の請を作して言く「唯だ願くは世尊、諸大衆と與に明日晨朝に我宅中に至りて我供養をうけたまへ」と。

爾時世尊默然として之を許す。時に婆羅門、佛の受請を知り所住に遽還す。即ち是の夜において餚膳百味飮食を廣辦し、殿宇に種種莊嚴を張施す。明旦に至り已に諸眷屬と衆香花及諸伎樂を持し、如來の所に至って白して言さく、「時至れり、願くは我請に赴きたまへ。今正に是時なり、願くは聽許を垂れたまへ」。

爾時世尊、彼婆羅門無垢妙光を安慰し已に大衆を顧

視し告げて言く、「汝等皆應に彼婆羅門家に往け。彼が為に大利を獲せしめんと欲するが故に」。

時に世尊は即ち座より起ち、纔わずかに起座し已んぬ。佛身より種種の光明を出す。間錯妙色は十方を照觸す。

悉く皆な一切を警覺す。如來既に警覺し已って、然後に道を取る。時に婆羅門恭敬心を以て妙香花を持し、諸眷屬及天龍八部釋梵護世と治道を先行し如來を奉引す。爾時世尊前路不遠、一園名け曰く豐財に中止す。彼園中において古朽塔あり。摧壞崩倒荊棘の沒するところなり。榛草充遍して諸礓礫覆う。状は土堆の如し。

爾時世尊、塔所に徑往す。時に朽塔上に大光明を放って

赫然熾盛なり。土聚中において善哉の聲を出す。讃じて言く「善哉善哉、釋迦牟尼如來、今日所行極て善境界なり」。又言く「汝婆羅門、汝今日は大善利を獲たり」。爾時世尊、彼朽塔を禮して右遶三匝し、身上衣を脱して其上を用覆す。泫然(げんぜん・さめざめ)垂涙涕泗こもごも流る。泣已って微笑す。まさに爾の時、十方諸佛皆同じく觀視して亦た皆泣涙す。倶に光明を放ち來って是の塔を照らす。是時大衆集會、皆同く怪異し驚怖して住す。爾時、金剛手菩薩亦皆な流涙し、威焔熾盛杵を執って旋轉し佛所に往詣し白して言く「世尊、此れ何の因縁あって是の光相を現ずや。何故に如來の眼に流涙如是なりや。此是の佛の大瑞光相現前なり。唯願くは如來よ此大衆に我が疑を解釋せよ」。時に薄伽梵、金剛手に告げたまわく「此は大全身舍利聚の如來塔なり。一切如來倶胝の胡麻の如き心陀羅尼印法要が今其中にあり。金剛手よ此法ありて是の中に要在するが故に、是塔は即ち胡麻倶胝の如き百千如來之身となる。亦是は胡麻の如き百千倶胝如來全身舍利聚乃至八萬四千法蘊亦た其中に住す。即ち是れ九十九百千倶胝如來頂相其中に在り。是塔は一切如來の授記する所なり。若し是の塔の所在の處、大功勳あれば大威徳を具し能く一切吉慶を滿ず」。爾時、大衆は佛の是の説を聞き、離垢及び隨煩惱を遠塵し、法眼淨を得る。其中に即ち須陀洹果を得る者、斯陀含果を得る者、阿那含果を得る者、阿羅漢果を得る者あり。或は辟支佛道をうる者あり。或は菩薩位に入る者あり。或は阿鞞跋致を得る者あり。或は菩提授記を得る者あり。或は

初地二地乃至十地をうる者あり。或は六波羅蜜を滿足する者あり。其の婆羅門は遠塵離垢し五神通を得る。爾時、金剛手菩薩此奇特希有之事を見て佛にもうして言さく、「世尊よ、甚だ奇なり。特に希有なり。但だ此事を聞くに尚し如是の殊勝功徳を獲る。何況んや此法要においておや、善根を種殖し大福聚を獲る」。

佛言く「諦聽、金剛手、若し善男子・善女人・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷ありて此經典を書寫する者は、即ち爲に彼の九十九百千倶胝如胡麻の如來所説經

典を書寫し、即ち彼九十九百千倶胝の如胡麻の如來において善根を種殖す。即ち彼等の爲に如來護念攝受す。若し人、讀誦せば、即ち過去一切の諸佛所説の經典を讀誦すと為す。若し此經を受持すれば、即ち彼の十方九十九百千倶胝如胡麻の如來應正等覺、彼の一切如來、一一方所より遙に晝夜現身に攝護を加ふ。若し人、此經を花香塗香花鬘衣服嚴具を以て供養する者は、即ち彼の十方九十九百千倶胝如來の前において天の妙花・妙香・衣服・嚴具七寶、成積する所、須彌の如くなり、而も供養を為せば善根を種殖すること亦復如是なり」。

爾時、天・龍・八部・人非人等は是を見聞し已りて各希奇を懷き、互相に謂って言く、「奇なるかな威徳、是の朽土聚、如來神力を以て加持するところの故に是の神變有り」と。時に金剛手、白佛言「世尊よ、何の因縁の故にか是の七寶塔は土聚となって現ずるや」と。佛、金剛手につげたまわく「此は土聚に非ず、乃ち是れ七寶所成の大寶塔なるのみ、復次に金剛手よ、諸衆生の業果に由るが故に隱る。如來全身は毀壞すべきにあらず。豈に如來金剛藏身の而も壞すべきこと有らんや。但し衆生の業果因縁を以ての故に隱を示現す耳なり。復次に金剛手よ、後世末法逼迫時には多くの衆生非法を習行する有り。應に地獄に墮すべし。佛法僧を求めず善根を種殖せず、是の因縁の為に妙法は當に隱るべし。唯だ此塔を除く。一切如來神力所持を以ての故に。是の事を以ての故に我今流涙す。彼の諸如來も亦た是事を以て悉く皆流涙す」と。爾時、金剛手菩薩白佛言「世尊よ、若し人有りて此經を書寫し塔中に安置せば幾ばくの福を獲るや」。

佛告金剛手「若し人、此經を書寫し塔中に置けば、是塔は即ち一切如來金剛藏窣堵波と爲る。亦た一

切如來陀羅尼心祕密加持窣堵波と爲る。即ち九

十九百千倶胝如胡麻如來窣堵波と爲る。亦た一

切如來佛頂佛眼窣堵波となる。即ち一切如來神

力所護となる。若し佛形像中及び一切窣堵波中に安置せば、此經を安置せば其像即七寶所成となる。其

の窣堵波も亦た七寶・傘蓋・珠網・露槃・交結・徳字・鈴鐸・純ら七寶となる。一切如來は此法要により其威力を加う。誠實の言を以て本誓加持す。若し有情ありて能く此塔において種殖善根せば必定して阿耨多羅三藐三菩提において不退轉を得る。乃至、應に阿鼻地獄に墮せんとき若し此塔を一禮拜一圍遶すれば必ず解脱を得、皆な於阿耨多羅三藐三菩提において不退轉を得る。塔及び形像所在の處は一切如來神力所護なり。其處、惡風雷雹霹靂所害となさず。又復た毒蛇毒蟲毒獸所傷となさず。惡星・怪鳥・鸚鵡・鴝鵒(くりょう、はっかちょう(八哥鳥)のこと)・蟲鼠・虎狼・蜂蠆(ぶだい)の傷害するところとならず。

亦た夜叉・羅刹・部多・比舍遮・癲癇の怖なし。亦た一切寒熱諸病・癧瘺(りゃくろ)癰毒(そうどく)瘡癬・疥癩の染するところとならず。若し人、暫くも是塔を見れば一切皆除す。其の處、亦た人馬・牛疫・童子童女の疫なし。亦た非命の為に夭せられず。亦た刀杖水火に傷つけらることなし。亦た他敵に侵され、飢饉の逼なし。厭魅呪詛も能く便をうることなし。四大天王、諸眷屬と晝夜衞護す。二十八部大藥叉將及び日月衝暈・彗星、晝夜護持す。一切龍王其精氣を加え、降雨順時なり。一切諸天と忉利天は三時に下來す。亦た塔を供養禮拜するがための故に、一切諸仙三時に來集し讃詠旋遶す。釋提桓因・諸天女は晝夜三時に來下供養す。其の處は即ち一切如來の為に護念加持せらる。若し人、塔を或は土石木金銀赤銅にて作り、此法要を書してその中に安置せば纔に安置し已らば其塔は即ち七寶所成となる。上下階陛・露槃・傘蓋・鈴鐸・網綴、純ら七寶となる。其塔の四方の如來形像も亦復如是なり。則ち一切如來神力に持せられ、其の寶塔は大全身舍利藏の高さ阿迦尼吒天宮(色界の最上位・色究竟天のこと)に至り一切諸天守衞供養す」。

金剛手白佛言「世尊、何の因縁の故に此法は如是の殊勝功徳ありや」。

佛、金剛手に告げたまはく「此の寶篋陀羅尼威神力を以ての故なり」と。

金剛手言「唯願くは如來、我等を哀愍して是の陀羅尼を説きたまえ」と。

佛言「諦聽、金剛手、此は是れ一切如來の未來現在及び已般涅槃者の全身舍利寶篋陀羅尼中にあり。是諸如來所有の三身も亦た是の中に有り」。

爾時世尊即ち陀羅尼を説きて曰く、

「のうまく しっちりや じびきゃなん さらば たたぎゃたなん おん ぼびばんばだばり ばしゃり ばしゃたい そろ そろ だらだら さらばたたぎゃた だどだり はんどま ばんばち じゃやばり ぼだり さんまら たたぎゃた たらましゃきゃら はらばりたなう ばざら ぼうじまんだ りょうぎゃらりょうぎりてい さらばたたぎゃた じしゅちてい ぼうだやぼうだや ぼうじぼうじ ぼうじゃぼうじゃ さんぼうだに さんぼうだや しゃらしゃらしゃらんと さらばばだに さらばはんだびぎゃてい ころころ さらばしゅきゃびぎゃてい さるばたたぎゃた きりだや ばざらに さんばらさんばら さらばたたぎゃた ぐきや だらんじ ぼじり ぼでいそぼでい さらばたたぎゃた じしゅちた だどぎゃらべい そわか さんまやじしゅちてい そわか さらばたたぎゃた きりだや だどぼだり そわか そはらちしゅちたさとべい

 

たたぎゃたじしゅちてい ころころ うんうん そわか おん さらばたたぎゃた うしゅにしゃ だどぼだらに さらばたたぎゃたんさだと びぼしたじしゅちてい うんうん そわか(莫悉怛哩野地尾迦南 薩婆怛他蘖多喃 唵 部尾婆嚩娜嚩唎 嚩者梨 嚩者祖嚕祖嚕馱囉馱囉 薩嚩怛他蘖多 馱睹馱梨缽娜婆嚩底 惹也嚩梨 畝怛梨薩磨囉 怛他蘗多達磨斫迦囉 缽羅靺栗多娜嚩曰 羅冒地滿拏 楞迦囉 楞訖哩諦 薩嚩怛他蘗多地瑟恥諦 冒馱野冒 馱野 冒地冒地 沒だ沒だ 參冒馱儞參冒馱野 者攞者攞 者懶都 薩嚩 嚩囉拏儞 薩嚩播波尾蘗諦 戶嚕戶嚕 薩嚩戍迦弭蘗帝 薩嚩怛他蘗多 訖哩娜野嚩日囉抳 三婆囉三婆囉 薩嚩怛他蘗多 虞[口*皿]野馱囉抳畝涅梨 囉沒悌蘇沒悌 薩嚩怛他蘗多地瑟恥多 馱睹蘗陛娑嚩賀 三摩耶地瑟恥帝娑嚩訶 薩嚩怛他蘗多訖哩娜野馱睹畝捺犁娑嚩訶 蘇缽羅底瑟恥多薩睹閉怛他蘗多地瑟恥帝戶嚕戶嚕吽吽娑嚩訶 唵薩嚩怛他蘗多 塢瑟抳沙馱睹畝捺囉尼薩嚩怛他蘗單娑馱睹尾部使多地瑟恥帝 吽吽娑嚩訶)」と。

爾時世尊、是の陀羅尼を説く時、朽塔處從り七寶

窣堵波自然涌出するあり。高廣嚴飾莊嚴微妙にして大光明を放つ。時に彼の十方九十九百千倶胝那庾多の如

來は、皆來って釋迦牟尼佛を稱讃し各の是言を作す「善哉善哉、釋迦如來、能く如是の廣大法要を説き、如是に法藏を安置し、閻浮提において諸衆生をして利樂安隱ならしむ。若し善男子善女人ありて此法要に依りて、此の陀羅尼を塔像中に安置する者は、我等十方諸佛は、其方處に隨って恒常に隨逐し、一切時において神通力及び誓願力を以て加持護念せん」と。

爾時、世尊、此の大全身舍利寶篋印陀羅尼を説きて

廣く佛事を作し已んぬ。然後に彼の婆羅門家にいき、諸供養を受け、無數の天人をして大福利を獲しめ已り、却還して所住す。爾時、大衆の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・天・龍・夜叉・健闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩睺羅伽・人非人等、皆大歡喜し信受奉行せり。(一切如來心祕密全身舍利寶篋印陀羅尼經終)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秩父三十四所観音霊験圓通傳... | トップ | 八幡大菩薩は国家に害をなす... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (摩訶毘盧遮那仏)
2024-07-14 11:54:46
私は、真如苑の摩訶毘盧遮那仏と申します。
素晴らしいお経をありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事