ここにおいて、上の理事に各々惣別ある教意を会すべきである。即ち體用同時、事即理なるゆゑ、事の総別が即く理の総別である。
十界三千の事造差別しながら、事と事と互に摂融し、一を挙ぐれば一切は一の惣に趣き、而も一切諸法の各々自性を失はざるを事造三千の総別といひ、而も三千の法を、體一互融の理具の性より観るとき、三千互融の理體の中に於て、一を挙ぐればその一に一切を摂し、而も自余の一切其自體失はざる惣別の義 . . . 本文を読む
しかして十界三千諸法互に総・別(総体と個別)となる。即ち別は総に趣くの功あり、総は別を摂するの用あり、一即一切、一切即一円融自在なるを諸法実相となす、なほこの義を詳かにするものは山家(天台宗山家派)所立の理具の三千、事造の三千に各総別ある説(真理の三千世界、現実の三千世界それぞれが総合世界と個別世界を持つ)である。
即ち山家において理事(真理と現象)に各々総別(総体と個別)あることを明かすは、こ . . . 本文を読む
前叙の如く三千円具の甚深なる実相観に依り、一切世界は常寂光の法身の境界にして、一切の衆生各々法界の主となる妙旨顕はる。しかしてかかる甚深なる実相観は、これ(摩訶止観を説いた天台大師)智者大師の創唱ともいひ得らるべきものである。
即ち一念三千の説は摩訶止観の(巻第五の上)観不思議境の説段に開演せられたる法門である。「夫れ一心に十法界を具す。一法界又十法界を具して百法界なり。一界に三十種世間を具し。 . . . 本文を読む
凡そ實大乗教は、一切世界を佛国土となし一切諸法の當体に佛徳を現成する道を明すものである。しかして天台よりみれば九界(地獄・餓鬼・畜生・阿修羅 ・人間・天上・声聞 ・縁覚・菩薩 の九界)の差別を迷妄視し、平等真如に還元せんことを教ふる唯心縁起の起心論等の説も、また一切諸法を幻夢、虚妄と観ずる印度における空観的実相論も、共に如来出世の真実本懐を開演せざるものとし、一切差別相の上に如来法性の光明を見 . . . 本文を読む
但し、真諦に三千の差相を見るや否やは、支那宋朝における此宗の山家山外の間に論ぜられたる教学上の重要なる問題であった(真理(心)の中に個別現象を含むや否やは宋時代の天台宗で山家派と山外派として論争になった)。即ち山外にては、理平等の真諦界中に三千の差別の法を立てず、三諦についていへば(空諦・仮諦・中諦のうち)空・中を理(真理)とし、仮諦を事(仮諦をこの世にあらわれた仮の姿)とし、仮諦なる事に三千の差 . . . 本文を読む
ここに特記すべきことは、支那においては實相家にも縁起家にも一即一切、一切即一の円融無碍の理趣が開顕せられたることである。即ち円融無碍の理より諸法実相の義を明かすものは天台にして(一切のものは空であり同時にそのまま真理のあらわれ(実相)である)、重々無尽の玄旨より真如縁起(一切は真如が縁に遇って顕現する)を談ずるものは華厳宗である。
この円融無碍、重々無尽の玄旨よりいへば、一切世界の差別相は各々そ . . . 本文を読む
昨日叡尊と西大寺展(三井記念館)に行ってきました。叡尊様は鎮護国家の体現者で蒙古襲来時に石清水八幡様・伊勢神宮等に祈祷されて神風を起こされた方であるとともに、戒律を復活、苦しむ人を文殊菩薩に見立てて困民救済にも大功績をのこされた鎌倉期真言僧のスーパースターです。私の最も尊敬する方です。講員のSさんのご厚意で拝観券を頂いたことも不思議な有難いご縁と感謝しつつ拝観して来ました。
拝観した結論は、自分 . . . 本文を読む
およそ印度及び支那に於ける大乗諸論士の説を観るに、大に二途に分る。
即ち一は法相の差別を論ずる唯識家と、一は法性平等を明かす性宗家の説である(大乗仏教は唯識派と中観派に分かれる)。
印度にありて無着、世親の唯識家の諸論士は、多く諸法の法相差別を明かす。即ち唯識家にも平等真如の理性を談ぜざるにはあらざれども、「真如は凝然常住にして善悪の縁に随うて開発し萬法を成ずる旨」を説かずして有為の第八阿頼 . . . 本文を読む
1、 毎月25日は天神様の縁日です。
2、 日本三大天神は防府天満宮・太宰府天満宮・北野天満宮。また江戸市中で道真公を祭る25社を「江戸二十五天神(亀戸天神 、深川天神 、楓川天神、飯倉天神、茅野天神、花城天神、福吉天神、平河天神 、中坂天神、牛天神、櫻木天神、湯島天神、下谷天神、渡江天神、化用天神、富坂天神、子安天神、大橋天神、高田天神、西向天神、谷保天 . . . 本文を読む
1、毎月24日はお地蔵様の日です。
2、お地蔵様はお釈迦様が入滅されてから、弥勒菩薩が降臨されるまでの56億7000万年の無仏の時代の衆生をみちびいてくださいます。地蔵菩薩本願経にはお地蔵様の28種の功徳が説かれています。
「「一者天龍護念、二者善果日増、三者集聖上因、四者菩提不退、五者衣食豊足、六者疾疫不臨、七者離水火災、八者無盗賊厄、九者人見欽敬、十者神鬼助持、十一者女転男身、 . . . 本文を読む
天台宗は心識の説よりいへば、第八識または第九識等の微細なる心識を立せず、六識説に依るものである。天台の説も支那における山家山外(心と現象のかんけいで双方に重点を置くのが山家派、心に重点を置くのが山外派)、また日本天台等その説くところ一様でないが、智者大師の摩訶止観の観不思議境(一心に十法界をもっていること)の説段や、法華玄義の二諦境(真諦・俗諦)の釈等には、摂論学派の阿梨耶識説(第八識no阿梨耶識 . . . 本文を読む
今日から26日まで湊川神社楠公祭りです。
楠木正成は、延元元年(1336年)5月25日、湊川の地で足利尊氏と戦い殉節した(湊川の戦い)。これを記念して明治5年(1872年)5月24日、湊川神社が創建されています。
8年位前愚息がこの近くに赴任しておりお参りした時不思議なご利益をいただきました。 . . . 本文を読む
(前回の安楽集について)こは曇鸞大師の往生論註の釈を安楽集に引用せるものにして、文義深奥なるも、要は大乗仏教は因縁生法畢竟無生寂滅の理を明かすが故に、浄土往生の義も、此土の生を捨して、彼土に更に實生の生を得すと云ふ意にあらず、浄土の生とは法性清浄、無生一味の体を得することである。
しかるを彼岸に個体の實生あるが如く説けるは、これ凡夫の情執み準じたるものである。即ち氷上に火を燃し、火燃んならば氷解 . . . 本文を読む