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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観自在菩薩冥應集、連體。巻5/6・11/39

2025-06-20 | 先祖供養

観自在菩薩冥應集、連體。巻5/6・11/39

十一三井寺如意輪観音の事。

江州三井寺南院の如意輪観音は智証大師の開基なり。園城寺と号す。天智・天武・持統の勅願として天武天皇三年(676年)に教待和尚(説話上の僧。園城寺にひさしくすみ,貞観元年(859)伽藍建立の適地をもとめて同寺にいたった円珍を旧知の人のようにまちうけ,檀家の大友都堵牟麿とともに寺の再興を委嘱し,たちまち姿をけした。ときに162歳という。)草創し玉ひ百八十五年を過ぎて天安二年(858年)に智証大師に附嘱し玉ふ。其の濫觴は天智天皇の御宇に大友太政大臣與多(弘文天皇(大友皇子)の皇子。大友与多王ともいう。三井寺の伝承によれば、朱鳥元年(686年)、与多王は父の菩提を弔うため自らの「田園城邑(田畑屋敷)」を投げ打ち寺の建立を発願し、天武天皇は「園城寺」の勅額を与えたとされる)初めて精舎を建て丈六の弥勒の像を刻み本尊とし、名を崇福寺と云。然るに天智天皇六年(667年)丁卯二月三日大津宮の夢の中に異僧あって示して曰く、西北の山に霊跡あり、出て見玉ふべしと。即ち未明に殿階に出て乾を望み見玉ふに光明細くて高さ十餘丈(30数m)あり。明旦に勅使を立見せしめ玉ふに奏して曰く、柴の庵あり、優婆塞住して念誦す。名を問へども答ず。即ち行幸あって御覧ずるに山寺あり瀧あり優婆塞居住す。此の人に其の跡並びに山の名を尋玉ふに古仙の霊窟、伏蔵地、佐々名實長等山(ささなみの長等山)と答て忽ち失せぬ(三宝絵詞・志賀伝法会「天智天皇寺ツクラムノ御願アリ。此時二王城ハ近江ノ国大津ノ宮ニアリ。寺所ヲ祈テネガヒ給ヘル夜ノ御夢二、法師来テ申サク、乾ノ方ニスグレタル所アリ。トク出テミ給ヘ。ト。即ヲドロキサメテ、イデ、見給ニ、火ノ光アカクソビケ

リ。アクル朝ニ使ヲツカハシテタヅネシメ給ニ、カヘリ来テ奏ス。火ノヒカリシ所ニチヰサキ山寺アリ。一人ノ優婆塞アリテ、メグリ歩テ行フ。トヘドモコタヘズ。其形チスコブ

ルアヤシ。ヨノ人ニニズ。ト申。御門ヲドロキ喜給テ、其所ニミユキシ給フ。優婆塞出テ

ムカヘタテマツル。御門トヒ給ニ、コタヘテ申、フルキ仙霊窟、伏蔵地、サザナミ長等山

、ト申テ、即チキエ失ヌ。アクル戊辰ノ年ノ正月ニ、ハジメテツクラシメ給。:志賀ノ縁起ニミヘタリ。」)實に霊地なるに依りて翌年正月太政大臣(天智天皇の長子、与多王大友皇子)に勅して崇福寺を此の地に移して御願主とせらる。其の後天智帝夢想に依りて崇福寺を本の地に還して建てらる。今の崇福寺是なり。志賀の都にあるが故に志賀寺といふ。然れば円城寺崇福寺は共に教待和尚の修練の地なるを智証大師に附嘱し玉ひ今彼の両寺の御願合わせて三井寺に行ふものなり。曽って新羅明神、智証大師に告げ玉はく、教待和尚は弥勒の応化なりと。常に湖の魚を捕り串にして食し玉ふ。人竊に往て見れば皆蓮葉蓮華等の類なり。清水寺の行叡居士(今昔物語集巻十一田村将軍始建清水寺語 第卅二にあり)と善し。清水に来たる時は木履を著て来り。久しく語りて日を暮らし玉ふといヘリ。此の寺を三井寺と名くる事は天智天武持統三代の御帝の御誕生の時此の水を以て御産湯とし玉ふが故に御井と云ひけるを、此の寺の地勢唐の青龍寺に似たれば大師改めて三井と書き玉ふ。是則ち三部灌頂(台密では胎蔵・金剛・蘇悉地の三種の灌頂をいう。東密では胎蔵法の佛蓮金の三部灌頂)の智水永く龍華三会の暁に至らしめん、此の義を以て三井寺と云ふなり。或る時智証大師一心三観(天台宗で説く観法。 一切の存在には実体がないと観ずる空観と、一切の存在は仮に現象するものであると観ずる仮観と、この空仮の二観を別々のものとしない中観との三観を、一思いの心に同時に観じ取ること)の床に邊に南方より金色の光輝くを怪しみ登りて見玉へば如意輪観音の像大光明を放っておはします。大師感涙頻りに流して御悦び浅からず。伏し拝み玉ふに観自在菩薩告げ玉はく、我は是補特勒山(補陀落山)より来たりて此の地に縁あり。基趾を開きて一宇を建立せば住して遐代(遠い先)の衆生を仏道に引入せんと、云すてて掻き消すやうに失せ玉ひぬ。大師愈々信心厚く一堂を建てて三井寺の南院とし如意輪観音の像を自ら造り玉ひて安置し玉ふとなり。智証大師諱は円珍、弘法大師の外甥にtて讃州の人なり。或る説に三井寺の南院は千観内供の開基ともいへり。三十三所の中には十四番の霊樹なり。

 

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