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陛下は「日本の良心と良識の象徴」、「国民統合の象徴」を既に超越した -「災害の時代」平成を振り返る

2019-04-29 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
恐らく20世紀の世界でも有数の英明な君主であった昭和天皇。
満州事変勃発の際には軍需物資禁輸の恐れを予見し、
226事件では若い天皇を軽んじて日和見する陸軍幹部に決然たる姿勢を見せ、
終戦時の的確な見通しも人間宣言の決断も常人の遠く及ばないところだった。

その余りに偉大な父から天皇の地位を引き継がれたこと自体が
筆舌に尽くし難い程に大変なことではなかったかと推察する。

陛下の御見識に驚かされたのは、一回り以上年上の米長邦雄を
まるで大学の先生のように冷静にたしなめた件だったと記憶している。

国民なら皆が納得するような言葉を、すぐさま米長に返したやり取りに
昭和天皇の偉大さとはまた別の、精神の高貴さとでも呼べる何かを感じた。

雲仙へ、神戸へ、東北へ、中国・九州へ。
そして沖縄へ、サイパンへ、ペリリューへも。
象徴天皇の新たな規範を陛下が築かれたと言っても過言ではない。

陛下のお言葉は「国民に寄り添って」というものだったが、
「災害の時代」だった平成に被災地を見舞われる両陛下は
国民の方こそ自ら寄り添い申し上げないとと思わせる存在だった。

平成から令和になっても多くの社会問題も構造問題も残ったままではあるけれど、
今は国民の陛下に対する大海原のような感謝の波を感じていよう。
国民が令和に聳え立つ幾多の試練にひるまず対峙してゆけるように。

▽ 平成は、令和に重大な問題を先送りした

『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也,中央公論新社)


当ウェブログの厳しい警告は、令和元年の陶酔が冷めた後に再び浮上してくるだろう。

「元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
 多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
 「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた」

「加えて原発事故による壮烈な風評被害で
 福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
 深刻な影響は後々まで残ることになる」

「知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
 被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
 被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
 経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある」

「寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
 まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
 「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
 (せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)」

「陛下が震災の影響が色濃く残っている被災地の現状に心を痛め、
 深い気遣いをされているのを聞いてしみじみと心打たれた後に、
 安倍首相のいつもの空々しい言辞を聞いて猛然と怒りが込み上げてきた」

「復興が進んでいる一部の見た目の良い場所だけで物見遊山し、
 震災が「新しいステージ」に入ったなどととんでもない嘘を吐く政治家は、
 天皇陛下のお気持ちを踏みにじる叛逆者に限りなく近い」

「今、被災地は復興どころか復旧も不可能になりつつある。
 それは様々な理由に基づくものだが、最大の理由の一つは安倍政権である」

「「国土強靭化」などと愚劣なプロパガンダを展開して
 公共事業予算を全国津々浦々にバラ撒いたために
 被災地に向かう筈の資材も労働者も一気に分散し、コストも高騰した」

「自民党のお家芸である業界買収策の余波で、
 ただでさえ困難な復興が遅れに遅れ、
 自民党と癒着している建設業界が優先するのは「ハコモノ」である。
 生活再建は業界に及ぼす恩恵が少ないので後回しにされる」

「このようなことは、自民党の通弊として、
 これまでの「実績」から見て分かり切った話だった」

「権力の監視どころか「権力の犬」になっている御用メディアは恥さらしである。
 こうした被災地の実情を知っていたら、「新しいステージ」が嘘八百である位はすぐ分かる筈だ」

「口ではいいことを言うが、相変わらず中身が伴っていない安倍首相。
 状況がかなり良い場所ばかり視察し、子供と一緒に写真に収まって
 自分のイメージだけ良くしようとする魂胆が見え見えである」

「あのバラ撒き民主党よりも自民党は6兆円の予算を上積みしていた。
 この巨額予算が、人口流出した被災地の巨大な建造物に化けたのである」

「震災復興がうまくいかなかったことは、この速報を見れば明白である。
 安倍政権による「被害」はこれにとどまらない。
 建設業ばかりに労働者が集中した被災地は、二度と立ち直れなくなる。
 自前の産業を失い、産業が空洞化する。政治家に予算を求めて生きるしかなくなる」

「被災地には穏和な人が多く、支援を受けて感謝している。
 だからはっきりと言わないのだが、本音は以下の通りだ。
 「安倍首相は大嘘つきで、「新しいステージ」になど入っていない」
 「安倍政権や自民党は、被災地よりも建設業界のために行動している」
 「震災復興は失敗しており、復旧すら不可能になった」」

「口だけ安倍政権が、経済ばかりか震災復興でも成果に乏しく、
 寧ろ復興を妨害している様相が明らかになってきた」

「「被災地の復興に向けた取り組みを加速する」などとまた空々しい美辞麗句を語るが
 映りの良い子供と一緒に御用メディアのテレビに映ってばかりで、
 震災復興が思うように進んでいない苦い現実を誤摩化そうとしている」

「その見え透いた小細工も道理であり、人の少ない場所に巨大な土木工事ばかり進み、
 自民党の票田である建設業界ばかりが儲かっているのが現実だからだ。
 自民党の国土強靭化こそが震災復興を妨げる根源なのだから、誤摩化すしかない」

「国勢調査によれば、被災地の人口流出は加速している。
 確かにインフラが失われてしまえば生活が困難になるから仕方のない面もあるが、
 福島の深刻な人口減少をみれば、「復興に向けた取り組みを加速」などと大嘘をつくのは
 とんでもない話であるばかりか、政権の重大な責任を認識すらしていない事実を示すものだ」

「また、岩手・宮城の人口減少トレンドは全く変わっていない。
 「取り組みを加速」したつもりだけで、成果は乏しい低能の証拠であるのは明白だ」

「「復興を加速」と称した安倍首相の発言は嘘で、
 投入した兆円規模の予算にもかかわらず
 東日本大震災の被災地復興ははかばかしくない」

「矢張り「復興格差」が進んでおり、特に福島原発事故の悪影響が甚大である。
 2020年に日本国民が東京五輪に束の間の熱狂を見せる時にも、
 多くの被災地自治体は今と左程変わらない現実を痛感せざるを得なくなる」

「これも大方の予想通りであろう、
 カネをいくら投入して公共事業を行っても、かつての生活が戻ってくる筈がないし
 被災地には元々人口流出・減少が続いていた地域が多いこと、
 そして福島原発事故は不可逆的かつ長年に及ぶ悪影響を与えていることから、
 復興が容易でないことは初めから分かっていたことなのだが」

「軽々しく大言壮語した安倍首相と、
 社員に対して「高く評価されている」と豪語する東電社長の言葉が、
 かつての暮らしを取り戻せない被災地の現状の前で
 白々しく響くだけなのは至極当然のことと言える」

「このままだと、建設業への降って湧いた特需と
 仙台など一部の震災バブルに終わってしまいかねない。
 多くの人々の命が失われ、コミュニティと生活が破壊された末に
 そうした結果しか残らないのなら、「復興」という言葉に対する深い不信ばかりが残る」

「西日本の豪雨災害により、改めて確認できたことがある。
 日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」

「名もなき一般国民が、自前でボートを出して被災者を助けて廻ったり、
 自らも被災しているにも関わらず真っ先に炊き出しを始めたり、
 今回もまた諸外国が讃歎を惜しまない驚くべき事例が複数ある」

「しかし、この前例のない豪雨災害において一般国民の示した「民度の高さ」と、
 与党議員の示した自己中や「程度の低さ」が真に驚嘆すべきコントラストだ」

「「赤坂自民亭」炎上の件も醜悪だが、それは実は本質ではない。
 腐敗した自民党議員が大勢の犠牲者や被災者を「利用」して
 「国土強靭化」と称した業界バラ撒きの謀略を巡らせているのが最悪なのだ」

「死者を利用して予算を出させ、自分の票に繋げるという
 人間として最低最悪の行動と言っても過言ではない。
 (勿論、議員としても最低最悪であるのは言う迄もない)
 こうした「反社」議員の歳費を大幅カットして復興予算に投入すべきであろう」

「腐敗したこの連中の「業界バラ撒き」が地方自治体を衰退させ、
 地方からの人口流出と高齢化を加速させてきたのである」

「論より証拠、東日本大震災でも今回の豪雨災害でも、
 安倍の口だけ「国土強靭化」は殆ど効果を発揮せず、
 防災・減災に役立った予算の方が遥かに少ない位である。
 政策リテラシーが果てしなく低い安倍が何もしていないのは想定内だが、
 自民党議員も国交省も防災の費用対効果や検証を碌に行っていない」

「腐敗している上に大勢の国民を無視し、
 自分の選挙と票田への利益誘導しか考えていない
 自民党議員はまさに「国賊」と言うべきなのだが、
 こうした「国賊」を議員として選んだのが「民度」の高い国民なのだから不思議だ」

「考えられる結論はただ一つ、「日本国民の最悪の資質を反映したのが自民党議員」で、
 日本国民の自己中心的で利益誘導ばかり求める体質が国会議員に集中的に体現されているのだ。
 (実績や日頃の行動から見てそれ以外の結論は出ない)」

「国交省が治水計画の見直しに着手するとのことなので、
 矢張り国交省も自らの見通しが役に立たず、想定が外れている事実を
 認めざるを得なくなった訳である」

「しかし悲しいことに「業界」との関係が余りに深過ぎる官庁だけあって、
 「堤防の高さやダムのかさ上げ」等という旧態依然の対処しかない」

「相変わらず、防災の実効性や費用対効果を無視して
 防災事業の焼け太りのような非効率的状況を脱する見込みがない」

「諸先輩方に逆らえない組織というものは、正しい方向へ舵取りすることが非常に難しい、
 そうした深刻な現実をまた改めて証明してしまったと言える」

「安倍自民の国土強靭化(という名前の選挙対策のバラ撒き)や省庁の防災対策の
 非効率性を嘲笑うように、住民主導の防災対策と訓練で「一人の犠牲も出さなかった」
 奇跡的な団地が広島にあるが、安倍も自民も霞が関の組織人間も何も学ばないのだろう」

「その「奇跡の団地」の合言葉は「自分の命は自分で守る」であり、
 災害においては業界バラ撒きに必死の安倍や自民など信用してはならず、
 緊急時には官庁や自治体が住民を救ってくれる訳ではないと教えてくれているのだ」

「それを理解できずに国土強靭化などという欺瞞的な標語を信じる地域住民は、
 これまでの口だけ「復興」事業と同様に、故郷を衰退に向かわせることとなろう」

「自民党や政府の「復興」事業など信じてはならない。
 これまでの被災地での「復興」の実態が明々白々に証明している。
 奥尻島は地理的条件において著しく不利という点はあるものの、
 東日本大震災の被災地でもそっくりの状況になっているのが何ともやりきれない」

「国土強靭化よりもハザードマップ、それに加えて住民の意識と行動だ。
 災害の危険性の高い地域ではそれしかない。
 また、国交省は自らの見通しが外れている事実を直視し、
 機動的に社会インフラの復旧を行える仕組みを整えるべきであろう」

「人口流出が進む被災地の現状は明白な復興の「失敗」を示している」と当ウェブログは予言してきた。

▽ 地方で重要なのは人材の「質」であり、土木建設で再生する自治体など一つもない

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


「東日本大震災での「復興」の失敗は、西日本の豪雨災害でも繰り返されることとなろう」
とも当ウェブログは予言した。

「東日本大震災から8年。追悼式で安倍は「復興を加速していく」と豪語したが、
 実態は被災地の方々や殆どの国民がよく理解しているように、真逆である」

「「復興は加速していない」「ハコモノ等のインフラだけ(=土建だけ活況)」
 「若者が戻って来ない」「政治家の言葉は空疎」が偽らざる真実なのだ」

「当ウェブログは公共事業や「国土強靭化」で復興を加速させようとしてはならない、
 それはこれまでの震災を見れば明白であり、重要なのは人材であると指摘してきた」

「全く学習能力も自浄能力もない安倍と霞が関は、過去から学ばず
 東日本大震災の被災地にインフラばかり整えようとし、
 被災地からの若者の流出を招いているのである」

「人口統計から、「復興が加速」などしていないことは明白である。
 ペースは緩慢で、二度と元には戻らない被災地も多いのだ。
 特に困難に直面しているのは、若年層が流出して戻らない地域である」

「特に、安倍が国会で非常用電源を失うことはないと豪語したにも関わらず
 (この劣化二世は、10年以上前から軽薄で嘘つきで無責任だったことが実証された訳だ)
 実際は全く逆の結果となり歴史に残る過酷事故の直撃を受けた福島の被災地は深刻である」

「こちらは政策で対処しようとしても条件的に厳しいところではあるのだが、
 エネルギー政策の転換をサボって福島の潜在エネルギー資源を活用せず、
 大規模な除染事業で腐敗が黴のように広がっているのは間違いなく安倍の責任である」

「「日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」と当ウェブログは指摘した。
 安倍は三流以下なので(B層を騙す能力だけは一流)勿論例外はあるが、
 残念ながら東日本大震災からの復興においては完全に正しかったと言える」

「三陸海岸の地理的条件を活かした「南三陸わかめ羊」や
 三陸の陸前高田でしか養殖できない「エゾイシカゲガイ」のように
 見事に復興に貢献している素晴らしい例はある」

「それらは皆、例外なく民間発の事業である。
 安倍の手柄でも霞が関の貢献でも全くないのは言う迄もない」

「戦略上の大失敗を、戦術の巧妙さで取り返すことはできない」ということだ。
畢竟は太平洋戦争と同じである。

 ↓ 参考

被災地に戻らない若者、安倍の言う「復興加速」は土建業だけ - 政府や霞が関は予算をバラ撒くのみ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6f3779a1f9e6fed9b76d02dd6cd76e19

国交省の想定は外れてばかり、「国土強靭化」は予算の無駄と実証 - 命を守るのは住民主導の対策と訓練だ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a4a243e2925114b2cdeba8f29cd1b1ec

復興予算6兆円増額して人口減少が止まらず、安倍政権はもはや害悪 -「復興進んでいない」が住民の54%
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d54f95e8d21729902e8ae49c5c25d54a

被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/af4ca12c6b88a24beb5dfa856ad6ee5f

▽ 巨額の公共事業による復興は確実に失敗する

『震災復興 欺瞞の構図』(原田泰)


両陛下から「頑張って」 再建報告にお言葉(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20181111/k00/00e/040/136000c.html
”「風邪をひかずに頑張ってください」--。天皇、皇后両陛下のこんなお言葉が、大分県日田市大肥本町の大鶴振興協議会会長、石井勝誠さん(76)、香澄美さん(69)夫妻に宮内庁職員から電話で伝えられた。昨年7月の九州北部豪雨で石井さん方は大規模半壊し、香澄美さんは6時間以上、濁流の中に閉じ込められた。同10月に被災地を訪れた両陛下との懇談が契機となり、古里で自宅を再建した手紙を今年10月に両陛下あてに出したところ、早速、返事があった。
 市中心部のみなし仮設住宅で途方に暮れていた昨年10月、勝誠さんは他の被災者4人とともに両陛下と懇談した。「心のこもった励ましの言葉をかけていただき、勇気と希望を持って古里に帰る決心をした」と振り返り、今年7月の自宅再建の経緯と、感謝の思いを記した手紙を両陛下あてに郵送した。

 宮内庁職員の電話があったのは今月6日。
〔中略〕
 勝誠さんは「おそれ多い手紙だったが返事があるとは」と驚き、香澄美さんも「感激しました」と話す。勝誠さんは「振興協議会長でもあり、少しでも古里のお役に立ちたい」と決意を新たにした。 【楢原義則】”

このように、両陛下のお言葉も存在も
被災地にとって何にも代え難いものとなっている。


両陛下が北海道地震お見舞い 厚真町訪問(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20181116/k00/00m/040/012000c.html
”天皇、皇后両陛下は15日、北海道厚真町を日帰りで訪ね、北海道胆振(いぶり)東部地震の被災地を見舞われた。町の施設で被災者ら約40人と交流し、「よく耐えてこられましたね」「ずいぶん怖い思いをされたんですね」などといたわりの言葉をかけた。被災地訪問は、両陛下の強い希望で実現した。
 9月6日に発生した最大震度7の地震による死者は41人で、約1万6000棟の建物が損壊した。大規模な土砂崩れが起きた同町では36人が亡くなった。
 両親と祖母を亡くした町職員の中村真吾さん(42)は皇后さまから「おつらい経験をされましたね」と声をかけられて「寄り添っていただき、勇気づけられた」と話した。自宅が全壊した戸田靖男さん(73)は「陛下から、これからもお元気でと言っていただいた。うれしい言葉です」と話した。
 両陛下は「お体を大切に」などと声をかけ、寒さが本格化する中、仮設住宅や避難所での生活を気遣った。陛下は住民同士で救出や避難生活を支え合った話を聞き、「協力する精神があることは大変心強いですね」と感心した様子だった。
〔中略〕
 宮坂町長は取材に「町民が(震災から)立ち直るきっかけをいただいた」と話した。【山田奈緒、福島英博】”

両陛下のご健康は、と心配していた国民は多かっただろう。
それでも両陛下は向かわずにはいられなかったのではないかと思う。



【象徴 次代へ】両陛下の願い(中)被災地訪問 「一人一人の悲しみ」受け止められ(産経新聞)
https://www.sankei.com/life/news/190428/lif1904280041-n1.html
”「きれいなお花をありがとうございました」。平成30年12月末、長崎県雲仙(うんぜん)市の洋蘭農家、立光一孝(たちこう・かずたか)さん(64)の元へメッセージが届いた。元島原市長を通じて伝えられた、天皇陛下のお言葉だった。元市長が同月23日の陛下の誕生日に、立光さん一家が手がけた胡蝶蘭(こちょうらん)を届けていた。
 平成3年に発生した雲仙・普賢岳(ふげんだけ)の噴火に伴う大火砕流。消防団員だった立光さんは多くの同僚を亡くした。天皇、皇后両陛下が避難先の体育館を訪問されたのは約1カ月後。ノーネクタイでワイシャツの腕をまくった陛下は、畳の上の被災者に声をかけようとしゃがみ、すっと床に膝をつかれた。この時が「原点」とされる両陛下の被災者慰問のスタイル。当時は「威厳がない」との批判もあったが、立光さんは「あまりに自然で驚きは全くなかった」と回想する。一方、被災者の中には両陛下を前に頭を上げられない高齢者も多かった。
 頭を下げていた妻の美佐子さん(60)に、陛下が歩み寄られる場面があった。スリッパも使われず、足下は靴下だった。「お外で遊べなくて大変だね」。陛下は傍らの長男=当時(6)=に話しかけられた。「何の花を作っているんですか」「大変でしたね」。美佐子さんには慰労の言葉をかけられた。美佐子さんの元を後にする際、長男が「バイバイ」と言うと両陛下は笑顔を返された。「疲労のピークだったが一瞬で困難な思いが消えた。今も大きな心の支えになっています」(美佐子さん)
 夫妻は洋蘭業を再開。昨年御所に届けられた胡蝶蘭は、間もなく家業を継ぐ長男が育てたものだった。花は御所で両陛下が目につく場所に飾られた。「これが雲仙の胡蝶蘭ね」。皇后さまは通りかかる際、懐かしそうに愛でられたという。

 北海道南西沖地震(5年)、阪神大震災(7年)、新潟県中越地震(16年)と多数の死傷者を出す自然災害が重なった平成。そのたび両陛下は被災地を訪れてきたが、19年から27年に侍従長を務めた川島裕さん(76)は「平成の『象徴天皇』が定義づけられたのは東日本大震災だろう」とみる。
 23年3月の東日本大震災発生直後、川島さんは陛下と皇居・宮殿のテレビの前で被災状況を見守った。陛下は阪神大震災を想起し「あのときはすぐに被害が分からなかった」と話されたが、津波予測の表示が5メートル、10メートルと変わると「陛下が息をのまれたのが分かった」(川島さん)という

 「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切」。5日後に公表された陛下の異例のビデオメッセージの文案は、余震できしむ御所で練られたものだった。
 両陛下は同月下旬から7週連続で被災者を見舞われた。茨城へは波打つ道路を往復7時間かけて訪れ、風評被害への心配から現地で水揚げされた魚を召し上がった。宮城、岩手、福島3県へは現地の負担を避けるため、自衛隊ヘリで駆けつけられた。
〔中略〕
 そのご姿勢は在位中、最後まで貫かれた。
 30年6月11日、震災後6回目の訪問となった福島県で、両陛下は相馬市の漁港に立ち寄り、避難誘導中に犠牲になった消防団員の遺族らと懇談された。陛下は長男=当時(39)=を亡くした阿部洋子さん(72)に近づき「たくさんの人を助けて下さいましたね。ありがとう」と声をかけられた。皇后さまは「息子さんにお子さんはいましたか」と案じられた。阿部さんは長男が津波の直前まで住民の誘導にあたっていたことや、2人の孫の近況を夢中で話した。「お前は、忘れられていないよ」。懇談後、阿部さんは長男の遺影に語りかけた。
 贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に
 今年、最後の臨席となった歌会始で披露された陛下の歌は、阪神大震災の遺族から贈られたヒマワリの種が成長する様子を詠まれたものだった。犠牲になった女児の自宅跡地で採集された種は、両陛下によって御所の庭にまかれ、毎年、大きな花を咲かせるという。

福島第一原発事故による計画停電の際に皇居で蠟燭を灯された話が抜けているが、
(まさか意図的なものではないと思うのだが。。)
産経報道は陛下の築き上げた「象徴天皇」について上手く纏めている。


10連休にボランティア続々 西日本豪雨で被災の各地、支援に期待(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190427/k00/00m/040/235000c.html
”昨年7月の西日本豪雨で大きな被害に見舞われた被災地では、天皇の代替わりに伴う超大型連休を利用した復旧・復興支援のボランティア活動に期待が寄せられている。地区の約3割が浸水した岡山県倉敷市真備町地区の「まび復興支援ボランティアセンター」には27日、県内外から約160人が駆け付けた。
〔中略〕
 真備町地区の集会所などには27日、写真洗浄のボランティア約40人が集まり、泥水につかったアルバムからカッターナイフやへらを使って写真を切り出し、圧着した写真をぬるま湯につけて一枚一枚はがした。
〔中略〕
 これまで被災者から281件約12万枚を預かったが、返却できたのは約80件。最近も新たな持ち込みや相談が相次ぐ。運営にあたるグラフィックデザイナー、福井圭一さん(48)は「連休中は参加者も多いと見込んでいる。一気に作業を進めたい」と期待する。
 真備町地区に隣接する同県総社市では、市社会福祉協議会が「ボランティア大作戦in総社」と銘打ち、今月30日と5月2日にボランティアを募集。大阪や広島なども含め、県内外から延べ約80人の応募があったという。
 市内では関連死を含め7人が亡くなり、84棟が全壊するなど大きな浸水被害が出た。市社協によると、最近は建物の解体前に家具などを搬出する依頼が増えているという。参加者は2日間、依頼のあった民家9軒で家具などを運び出す。市社協ボランティアコーディネーターの石原寛大さん(27)は「被災直後は手が回らなかった。多くの人手が必要なので助かる。2日間で予定の作業を終わらせたい」と意気込む。
 土砂崩れなどで27人が亡くなった広島県呉市でもボランティアが地道な活動を続ける。地元の団体「コミサポひろしま」は27日も崩れたミカン畑の再建を手伝い、石川や熊本からの参加も含む8人が、畑に流れ込んだ土砂の撤去などに汗を流した。小玉幸浩代表(51)は「最近も民家の床下の泥を撤去してほしいと依頼があった。地元のために細く長く活動を続けていきたい」と話した。【戸田紗友莉、平川義之、柴山雄太】”

陛下が国民に寄り添われていると言うより、国民が陛下とともにあるのだろう。
どちらかが寄り添う訳でもなく、ごく自然にひとつになっているのだ。
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