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「支援へ恩返し」や災害の伝承、今回も民度の高さが示された - 両陛下のご心痛は国民に共有されている

2019-10-22 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
即位式で陛下が上皇陛下のご姿勢を受け継ぐことが鮮明となり、
台風被害を受けパレードほか重要行事が延期となったことからも窺えるように
令和においても象徴天皇制は国民の仰ぎ見るところの規範でかつ盤石と言える。

国民の側も災害時において世界一と言っても過言ではない
「民度」の高さを随所で示しており、災害支援への恩返しや
過去の水害の伝承による迅速な避難など、改めて感服させられる例が複数見られる。

政策面ではすっかり保守退嬰になっても
災害時になると高い倫理性が必ず示されるのが不思議だ。

令和は経済面では殆ど良い話がないと運命付けられているが
(即位式に便乗して自己アピールに走った劣化二世のせいである)
日本社会自体は決してその高い資質を失うことはないだろう。

▽ 政策面での「民度」はこの通り、巨額の公共事業による復興は確実に失敗する

『震災復興 欺瞞の構図』(原田泰)


当ウェブログの厳しい警告は、令和元年の陶酔が冷めた後に再び浮上してくるのだろう。。

「元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
 多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
 「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた」

「加えて原発事故による壮烈な風評被害で
 福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
 深刻な影響は後々まで残ることになる」

「知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
 被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
 被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
 経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある」

「寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
 まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
 「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
 (せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)」

「陛下が震災の影響が色濃く残っている被災地の現状に心を痛め、
 深い気遣いをされているのを聞いてしみじみと心打たれた後に、
 安倍首相のいつもの空々しい言辞を聞いて猛然と怒りが込み上げてきた」

「復興が進んでいる一部の見た目の良い場所だけで物見遊山し、
 震災が「新しいステージ」に入ったなどととんでもない嘘を吐く政治家は、
 天皇陛下のお気持ちを踏みにじる叛逆者に限りなく近い」

「今、被災地は復興どころか復旧も不可能になりつつある。
 それは様々な理由に基づくものだが、最大の理由の一つは安倍政権である」

「「国土強靭化」などと愚劣なプロパガンダを展開して
 公共事業予算を全国津々浦々にバラ撒いたために
 被災地に向かう筈の資材も労働者も一気に分散し、コストも高騰した」

「自民党のお家芸である業界買収策の余波で、
 ただでさえ困難な復興が遅れに遅れ、
 自民党と癒着している建設業界が優先するのは「ハコモノ」である。
 生活再建は業界に及ぼす恩恵が少ないので後回しにされる」

「このようなことは、自民党の通弊として、
 これまでの「実績」から見て分かり切った話だった」

「権力の監視どころか「権力の犬」になっている御用メディアは恥さらしである。
 こうした被災地の実情を知っていたら、「新しいステージ」が嘘八百である位はすぐ分かる筈だ」

「口ではいいことを言うが、相変わらず中身が伴っていない安倍首相。
 状況がかなり良い場所ばかり視察し、子供と一緒に写真に収まって
 自分のイメージだけ良くしようとする魂胆が見え見えである」

「あのバラ撒き民主党よりも自民党は6兆円の予算を上積みしていた。
 この巨額予算が、人口流出した被災地の巨大な建造物に化けたのである」

「震災復興がうまくいかなかったことは、この速報を見れば明白である。
 安倍政権による「被害」はこれにとどまらない。
 建設業ばかりに労働者が集中した被災地は、二度と立ち直れなくなる。
 自前の産業を失い、産業が空洞化する。政治家に予算を求めて生きるしかなくなる」

「被災地には穏和な人が多く、支援を受けて感謝している。
 だからはっきりと言わないのだが、本音は以下の通りだ。
 「安倍首相は大嘘つきで、「新しいステージ」になど入っていない」
 「安倍政権や自民党は、被災地よりも建設業界のために行動している」
 「震災復興は失敗しており、復旧すら不可能になった」」

「口だけ安倍政権が、経済ばかりか震災復興でも成果に乏しく、
 寧ろ復興を妨害している様相が明らかになってきた」

「「被災地の復興に向けた取り組みを加速する」などとまた空々しい美辞麗句を語るが
 映りの良い子供と一緒に御用メディアのテレビに映ってばかりで、
 震災復興が思うように進んでいない苦い現実を誤摩化そうとしている」

「その見え透いた小細工も道理であり、人の少ない場所に巨大な土木工事ばかり進み、
 自民党の票田である建設業界ばかりが儲かっているのが現実だからだ。
 自民党の国土強靭化こそが震災復興を妨げる根源なのだから、誤摩化すしかない」

「国勢調査によれば、被災地の人口流出は加速している。
 確かにインフラが失われてしまえば生活が困難になるから仕方のない面もあるが、
 福島の深刻な人口減少をみれば、「復興に向けた取り組みを加速」などと大嘘をつくのは
 とんでもない話であるばかりか、政権の重大な責任を認識すらしていない事実を示すものだ」

「また、岩手・宮城の人口減少トレンドは全く変わっていない。
 「取り組みを加速」したつもりだけで、成果は乏しい低能の証拠であるのは明白だ」

「「復興を加速」と称した安倍首相の発言は嘘で、
 投入した兆円規模の予算にもかかわらず
 東日本大震災の被災地復興ははかばかしくない」

「矢張り「復興格差」が進んでおり、特に福島原発事故の悪影響が甚大である。
 2020年に日本国民が東京五輪に束の間の熱狂を見せる時にも、
 多くの被災地自治体は今と左程変わらない現実を痛感せざるを得なくなる」

「これも大方の予想通りであろう、
 カネをいくら投入して公共事業を行っても、かつての生活が戻ってくる筈がないし
 被災地には元々人口流出・減少が続いていた地域が多いこと、
 そして福島原発事故は不可逆的かつ長年に及ぶ悪影響を与えていることから、
 復興が容易でないことは初めから分かっていたことなのだが」

「軽々しく大言壮語した安倍首相と、
 社員に対して「高く評価されている」と豪語する東電社長の言葉が、
 かつての暮らしを取り戻せない被災地の現状の前で
 白々しく響くだけなのは至極当然のことと言える」

「このままだと、建設業への降って湧いた特需と
 仙台など一部の震災バブルに終わってしまいかねない。
 多くの人々の命が失われ、コミュニティと生活が破壊された末に
 そうした結果しか残らないのなら、「復興」という言葉に対する深い不信ばかりが残る」

「西日本の豪雨災害により、改めて確認できたことがある。
 日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」

「名もなき一般国民が、自前でボートを出して被災者を助けて廻ったり、
 自らも被災しているにも関わらず真っ先に炊き出しを始めたり、
 今回もまた諸外国が讃歎を惜しまない驚くべき事例が複数ある」

「しかし、この前例のない豪雨災害において一般国民の示した「民度の高さ」と、
 与党議員の示した自己中や「程度の低さ」が真に驚嘆すべきコントラストだ」

「「赤坂自民亭」炎上の件も醜悪だが、それは実は本質ではない。
 腐敗した自民党議員が大勢の犠牲者や被災者を「利用」して
 「国土強靭化」と称した業界バラ撒きの謀略を巡らせているのが最悪なのだ」

「死者を利用して予算を出させ、自分の票に繋げるという
 人間として最低最悪の行動と言っても過言ではない。
 (勿論、議員としても最低最悪であるのは言う迄もない)
 こうした「反社」議員の歳費を大幅カットして復興予算に投入すべきであろう」

「腐敗したこの連中の「業界バラ撒き」が地方自治体を衰退させ、
 地方からの人口流出と高齢化を加速させてきたのである」

「論より証拠、東日本大震災でも今回の豪雨災害でも、
 安倍の口だけ「国土強靭化」は殆ど効果を発揮せず、
 防災・減災に役立った予算の方が遥かに少ない位である。
 政策リテラシーが果てしなく低い安倍が何もしていないのは想定内だが、
 自民党議員も国交省も防災の費用対効果や検証を碌に行っていない」

「腐敗している上に大勢の国民を無視し、
 自分の選挙と票田への利益誘導しか考えていない
 自民党議員はまさに「国賊」と言うべきなのだが、
 こうした「国賊」を議員として選んだのが「民度」の高い国民なのだから不思議だ」

「考えられる結論はただ一つ、「日本国民の最悪の資質を反映したのが自民党議員」で、
 日本国民の自己中心的で利益誘導ばかり求める体質が国会議員に集中的に体現されているのだ。
 (実績や日頃の行動から見てそれ以外の結論は出ない)」

「国交省が治水計画の見直しに着手するとのことなので、
 矢張り国交省も自らの見通しが役に立たず、想定が外れている事実を
 認めざるを得なくなった訳である」

「しかし悲しいことに「業界」との関係が余りに深過ぎる官庁だけあって、
 「堤防の高さやダムのかさ上げ」等という旧態依然の対処しかない」

「相変わらず、防災の実効性や費用対効果を無視して
 防災事業の焼け太りのような非効率的状況を脱する見込みがない」

「諸先輩方に逆らえない組織というものは、正しい方向へ舵取りすることが非常に難しい、
 そうした深刻な現実をまた改めて証明してしまったと言える」

「安倍自民の国土強靭化(という名前の選挙対策のバラ撒き)や省庁の防災対策の
 非効率性を嘲笑うように、住民主導の防災対策と訓練で「一人の犠牲も出さなかった」
 奇跡的な団地が広島にあるが、安倍も自民も霞が関の組織人間も何も学ばないのだろう」

「その「奇跡の団地」の合言葉は「自分の命は自分で守る」であり、
 災害においては業界バラ撒きに必死の安倍や自民など信用してはならず、
 緊急時には官庁や自治体が住民を救ってくれる訳ではないと教えてくれているのだ」

「それを理解できずに国土強靭化などという欺瞞的な標語を信じる地域住民は、
 これまでの口だけ「復興」事業と同様に、故郷を衰退に向かわせることとなろう」

「自民党や政府の「復興」事業など信じてはならない。
 これまでの被災地での「復興」の実態が明々白々に証明している。
 奥尻島は地理的条件において著しく不利という点はあるものの、
 東日本大震災の被災地でもそっくりの状況になっているのが何ともやりきれない」

「国土強靭化よりもハザードマップ、それに加えて住民の意識と行動だ。
 災害の危険性の高い地域ではそれしかない。
 また、国交省は自らの見通しが外れている事実を直視し、
 機動的に社会インフラの復旧を行える仕組みを整えるべきであろう」

「東日本大震災から8年。追悼式で安倍は「復興を加速していく」と豪語したが、
 実態は被災地の方々や殆どの国民がよく理解しているように、真逆である」

「「復興は加速していない」「ハコモノ等のインフラだけ(=土建だけ活況)」
 「若者が戻って来ない」「政治家の言葉は空疎」が偽らざる真実なのだ」

「当ウェブログは公共事業や「国土強靭化」で復興を加速させようとしてはならない、
 それはこれまでの震災を見れば明白であり、重要なのは人材であると指摘してきた」

「全く学習能力も自浄能力もない安倍と霞が関は、過去から学ばず
 東日本大震災の被災地にインフラばかり整えようとし、
 被災地からの若者の流出を招いているのである」

「人口統計から、「復興が加速」などしていないことは明白である。
 ペースは緩慢で、二度と元には戻らない被災地も多いのだ。
 特に困難に直面しているのは、若年層が流出して戻らない地域である」

「特に、安倍が国会で非常用電源を失うことはないと豪語したにも関わらず
 (この劣化二世は、10年以上前から軽薄で嘘つきで無責任だったことが実証された訳だ)
 実際は全く逆の結果となり歴史に残る過酷事故の直撃を受けた福島の被災地は深刻である」

「こちらは政策で対処しようとしても条件的に厳しいところではあるのだが、
 エネルギー政策の転換をサボって福島の潜在エネルギー資源を活用せず、
 大規模な除染事業で腐敗が黴のように広がっているのは間違いなく安倍の責任である」

「「日本は「民度一流、議員三流以下」の国である」と当ウェブログは指摘した。
 安倍は三流以下なので(B層を騙す能力だけは一流)勿論例外はあるが、
 残念ながら東日本大震災からの復興においては完全に正しかったと言える」

「三陸海岸の地理的条件を活かした「南三陸わかめ羊」や
 三陸の陸前高田でしか養殖できない「エゾイシカゲガイ」のように
 見事に復興に貢献している素晴らしい例はある」

「それらは皆、例外なく民間発の事業である。
 安倍の手柄でも霞が関の貢献でも全くないのは言う迄もない」

「人口流出が進む被災地の現状は明白な復興の「失敗」を示している」と当ウェブログは予言した。

▽ 地方で重要なのは人材の「質」であり、土木建設で再生する自治体などない

『奇跡の村 地方は「人」で再生する』(相川俊英,集英社)


「東日本大震災での「復興」の失敗は、西日本の豪雨災害でも繰り返されることとなろう」
とも当ウェブログは予言した。。

「恐らく20世紀の世界でも有数の英明な君主であった昭和天皇。
 満州事変勃発の際には軍需物資禁輸の恐れを予見し、
 226事件では若い天皇を軽んじて日和見する陸軍幹部に決然たる姿勢を見せ、
 終戦時の的確な見通しも人間宣言の決断も常人の遠く及ばないところだった」

「その余りに偉大な父から天皇の地位を引き継がれたこと自体が
 筆舌に尽くし難い程に大変なことではなかったかと推察する」

「雲仙へ、神戸へ、東北へ、中国・九州へ。
 そして沖縄へ、サイパンへ、ペリリューへも。
 象徴天皇の新たな規範を陛下が築かれたと言っても過言ではない」

「陛下のお言葉は「国民に寄り添って」というものだったが、
 「災害の時代」だった平成に被災地を見舞われる両陛下は
 国民の方こそ自ら寄り添い申し上げないとと思わせる存在だった」

「平成から令和になっても多くの社会問題も構造問題も残ったままではあるけれど、
 今は国民の陛下に対する大海原のような感謝の波を感じてゆけよう。
 国民が令和に聳え立つ幾多の試練にひるまず対峙してゆけるように」

安倍の「戦略上の大失敗を、戦術の巧妙さで取り返すことはできない」ということだ。
畢竟は太平洋戦争と同じなのか。。

 ↓ 参考

陛下は「日本の良心と良識の象徴」、「国民統合の象徴」を既に超越した -「災害の時代」平成を振り返る
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b9d62f02afdf721897adc6b459bca7ee

被災地に戻らない若者、安倍の言う「復興加速」は土建業だけ - 政府や霞が関は予算をバラ撒くのみ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6f3779a1f9e6fed9b76d02dd6cd76e19

国交省の想定は外れてばかり、「国土強靭化」は予算の無駄と実証 - 命を守るのは住民主導の対策と訓練だ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a4a243e2925114b2cdeba8f29cd1b1ec

復興予算6兆円増額して人口減少が止まらず、安倍政権はもはや害悪 -「復興進んでいない」が住民の54%
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d54f95e8d21729902e8ae49c5c25d54a

被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/af4ca12c6b88a24beb5dfa856ad6ee5f

▽ 平成は、令和に重大な問題を先送りしてしまった

『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也,中央公論新社)


両陛下、台風被害にお見舞いの気持ち 上皇后さまの誕生日行事はお取りやめ(産経新聞)
http://www.sankei.com/life/news/191015/lif1910150015-n1.html
”宮内庁は15日、台風19号の犠牲者や被災者に対する天皇、皇后両陛下のお見舞いの気持ちを発表した。
 宮内庁によると、両陛下は犠牲者や行方不明者、被災者が多数に上っていることに心を痛めており、犠牲者を哀悼するとともに、遺族や被災者にお見舞いの気持ちを示された。
 両陛下は一日も早く被災地の復旧が進むことを願われている。災害対策に取り組む関係者の労苦にも、ねぎらいの気持ちを持たれているという。

 また、上皇ご夫妻も台風被害を案じられており、宮内庁は、20日に予定していた上皇后さまの誕生日行事を全て取りやめると発表した。
 誕生日行事は、22日に「即位礼正殿の儀」を控え、大幅な簡素化が決まっていた。〔以下略〕”

国民もきっと思いは一つであろう。
この後パレード延期も決まったが、
国民一人一人が惜しむと言うよりも頭が下がる思いである。


熊本から職人助っ人 ブルーシート張り「地震支援の恩返し」 千葉・台風15号(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20191016/k00/00m/040/031000c.html
”台風15号で多くの住宅が被害を受けた千葉県館山市内で、熊本市で工務店「昭和工房」を経営する永田和久さん(40)が、瓦職人らとともに壊れた屋根へのブルーシート張りに奮闘している。この3連休も、台風19号で吹き飛ばされた屋根のブルーシートを張り直して回った。「(2016年4月の)熊本地震では全国から応援をもらった。少しでも恩返ししたい」。今後も瓦職人らとともにボランティアで支援を続けるつもりだ。
 台風15号が通過してから1カ月たった9日。永田さんは2人の瓦職人とともに、約9割の家屋が被災した館山市布良(めら)地区にある沼野弘子さん(83)方で、屋根のブルーシートを張り替えていた。
 沼野さんの自宅は8年前に亡くなった夫繁さんと約20年間暮らした木造2階建て住宅だ。漁協の組合長だった繁さんは「2階の窓から富士山が正面に見えて、港の船も確認できる」と気に入っていた。
 だが、台風が暮らしを一変させた。台風15号が県内を通過した9月9日未明、ごう音とともに2階の屋根が飛ばされ、1階の部屋で寝ていた沼野さんのもとにも雨水が吹き込み、家中が水浸しになった。市の調査で「全壊」と認定された。
 永田さんらの支援を受けた沼野さんは「屋根だけでも修理に数百万円かかる。いずれ解体するしかないが、ブルーシートを張ってもらわないことには今夜寝ることもできない。本当に助かった。ありがたい」と感謝した。
 永田さんらは今月6日、作業道具を積んだワゴン車で熊本を出発し、片道14時間かけて県内に到着した。

〔中略〕
 この3連休も館山にとどまり、台風19号で新たに屋根が壊れた住宅や、屋根に張ったブルーシートが飛ばされてしまった家のブルーシートを張って回った。
 熊本地震で多くの住宅の修繕に当たった永田さんは、館山市内の被災地を目にし、「熊本地震でも多くの民家が被災したが、これほど密度が濃く軒並み被害には遭ってはいなかった」と驚いた様子で話した。いったん熊本に戻るため、14日に館山を後にした永田さんは「瓦職人ら6〜7人を呼び寄せてまた千葉に入るつもりだ。復興に少しでも貢献したい」と話している。【中島章隆】”

国民も陛下と思いを共にしているのではないか。
今回の災害でも心打たれる話は一つや二つではなかった。
政治や行政の側でもこうした志を温かく迎えて欲しい。


「熊本地震の恩返し」 台風19号被害 福島・相馬市に生活用水80トン(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20191016/k00/00m/040/054000c.html
”熊本市は16日、台風19号で甚大な被害が出た福島県相馬市に生活用水80トンを発送した。2016年4月の熊本地震の後、支援物資として市に提供されたが、使い切れないまま賞味期限が過ぎたペットボトル入りのミネラルウオーターがあり、洗濯やトイレなど飲用以外で役立ててもらう。
 相馬市では大雨で水源地が水没するなどして断水が続いている。このため、全国市長会の役員同士で熊本市の大西一史市長と交流があった相馬市の立谷秀清(たちや・ひできよ)市長が「備蓄している水を送ってほしい」と要請した。
〔中略〕
 3年前の地震後、水道が復旧してからも熊本市には数カ月にわたって支援物資の水が届いた。当初は防災訓練の参加者に配るなどしていたが17年春から賞味期限が切れ始めた。
 熊本市危機管理防災総室の清田隆宏副室長は「備蓄してきた水の出番がようやく来た。熊本地震の恩返しになればうれしい」と話している。【清水晃平】”

行政の側でも困った時はお互い様と言う以上の
迅速で効果的な支援が目立った。
災害はいつも悲しいが傷はこうして塞いでゆくしかないのだろう。


長野・千曲川 堤防決壊、歌で伝承 多くの住民避難 台風19号(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20191017/k00/00m/040/349000c.html
台風19号で千曲川の堤防が決壊した長野市穂保(ほやす)を含む長沼地区一帯は江戸時代から繰り返し水害に襲われ、住民は過去の被害を代々語り継いできた。広範囲の浸水被害で地区内の家々が土砂にのまれたが、多くの住民は避難するなどして命を守った。【川上珠実、大澤孝二】
 「みんなの無事を確認したよ」
 「先生と勉強したことが全部本当だったんだって実感した
 堤防が決壊した13日以降、長野市の市立小学校教諭の竹内優美さんのスマートフォンにはかつての教え子たちから無料通信アプリ「LINE(ライン)」でメッセージが次々と届いた。
〔中略〕
 竹内さんは3年半前まで長沼地区の長沼小学校で勤務していた。この地区は昔から水害に見舞われてきた。千曲川で史上最悪とされる「戌(いぬ)の満水」(1742年)では、長沼地区で168人が亡くなり、約300戸の家屋が流失した。善光寺地震(1847年)では、田んぼが水没して米がとれなくなった。
 2014年度は6年生(21人)の担任だった。子どもたちに水害の歴史を知ってもらおうと劇をすることにした。台本を作るため、子どもたちは地区のお年寄りらに水害と闘ってきた長沼の歴史を聞いた。竹内さんは歌を作詞作曲した。
〔中略〕
 劇は現代を生きる彼らが過去の災害時にタイムスリップする物語。地域の住民を招いて上演した。劇の最後に「桜づつみ」を全員で歌った。
 <おじいさんに聞いたんだ 遠い日の話 何もかもが流された 悲しい時代のことを 自然の猛威に人は なす術(すべ)もなく でも立ち上がり 一歩ずつ歩んできた>
 長沼地区では代々こうした防災教育が受け継がれてきた。佐藤和良さん(70)は、小学生の時に社会科の見学で千曲川の土手沿いの古民家の壁に残る水害の痕跡を見学した。先生から「水害を受けた記憶を覚えておくように」と教えられたという。12日午後6時に避難勧告が出てすぐに妻と近くの小学校に避難した。
 今回の決壊による浸水域は約950ヘクタールに及び、堤防の桜も一部がなぎ倒された。住宅の浸水被害は長沼地区を含む3地区で1874世帯(17日時点)。死者は2人だった。教え子の多くは避難生活を続ける。
〔中略〕
 水害が繰り返されてしまったが、竹内さんは教え子からのこんなメッセージに一筋の光をみる。<まだ信じられないです。でも、この経験を生かして、私たちがちゃんと長沼を守っていきます>
 「長沼は何度も立ち上がって乗り越えてきた。今回もきっと乗り越えていく」。竹内さんはそう願っている。”

災害大国日本では、過去の災害の教訓を生かして
驚くべき防災や避難を成功させた地域が必ず出てくる。
今後も貴重な教訓を無にしないよう、先進例から学ばなければならない。
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