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『エコノミスト』7月2日号 - 低成長は未婚に直結、だから90年代以降に少子化が深刻になった

2024-06-28 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミストの市場特集は今ひとつで凡庸な内容。
寧ろ識者が市況に引き摺られて円安株高方向に修正する傾向が強く
非常に嫌な予感がする。こうした楽観こそ危険なのだ。


エントリーのサブタイトルは48頁より。
都知事選でも焦点の一つとなっている少子化問題だが、
統計的には日本の場合は未婚非婚で出生率低下を説明できる。
子育て支援とよりはそれを口実としたバラマキ・ポピュリズムばかりの今、
経済成長率の低下が未婚に繋がるとの指摘は重要である。

また、都道府県別で見ると完全失業率と未婚率の正の相関が確認でき、
首都圏や大阪の低出生率を引き上げるのが容易ではないことが分かる。
出生率向上で顕著な成果を出した自治体から真摯に学び
予算対効果にシビアにならないと只の選挙目当てのバラ撒きで終わりそうだ。。

『週刊エコノミスト』2024年7/2号【特集:とことんわかる物価・金利・円安】


市岡繁男氏の連載は、富の偏在をテーマにしていて興味深い。
ロシア出身の研究者が富裕層の利己主義と分配の歪みのため
2020年は社会が不安定になり、その状態が10~15年は続く
と2010年に予言しているのだそうだ。。
気味悪いほどの的中で、今後もこの見解はよくよく覚えておくべきだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの社外取の特集はかなり良い。
安倍政権と日本企業の形だけのガバナンス改革は
この分野において顕著に現れたと言って良いだろう。
不祥事を起こした企業の社外取のリストや
タレント・アナウンサー社外取の一覧を見ていると
日本企業が他国より成長性に劣る理由が如実に分かってくる。

『週刊ダイヤモンド』2024年6/29号 社外取締役/株主総会)


今週も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
来週の池上氏の連載にもう既に負けている気がする。
都知事選で蓮舫候補が共産党の応援を受けているのを
氏はいかにも大袈裟に書いているのだが、
共産党が力を入れて蓮舫を応援すればするほど票は減る。
単純な選挙戦略の失敗で後々立民にも打撃が及ぶ、
と見るのが妥当であり、氏の見解はまた外れそうな気配。

氏は今週号の書評でもファンディングのプロモーションに過ぎない本
『体験格差』を真に受けて他人事のようにエリート批判をしているが
これは昔からブルデューが指摘していた文化資本の問題が主因であり、
最近では広範な社会学調査や遺伝学研究で要因も明らかになっている、
家庭・遺伝の影響に加え、再分配を嫌がる日本社会の特性が絡んだ根深い問題だ。
氏もその構造の中に取り込まれ、その一部となっていることを自覚すべきである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の企業買収特集はいまひとつ。
財界が大騒ぎになるようなM&Aはまだ少ない。
(日本の上場企業過多という問題は依然として変わらない)
ダイナミズムより保身と安定というのが日本の財界の宿痾だ。


それより巻頭で出ている、日本のバイオマス発電のため
カナダの原生林が破壊されて寧ろCO2排出増になっているとの
疑惑が重大であろう。当ウェブログは輸入バイマスは禁止すべき、
固定価格買取はコージェネに限定すべきと前々から主張してきたが
残念ながら懸念は的中したと言えるだろう。

『週刊東洋経済』2024年6/29号 (仁義なき企業買収)


佐藤優氏の連載は昔話だが興味深い。
矢張り氏はヒューミント・バイアスが強いと判断できる。
ラトビア出身の一人物の言葉を真に受けて
ロシアは帝国的だが差別は一部にとどまり民族主義的ではないと
何ら検証も実証もなく恣意的に決めつけているのが奇妙だ。
だったらシベリアのアジア系住民を戦場に送り込んで
無惨な死に追いやっているのは一体どういうことか。
モスクワで他民族を3K労働で酷使しているのはどういうことか。
氏はしばしば他者に対しては辛辣批判で筆誅を下しているが、
聖書の言葉のように同じ秤で自らの言説を裁くべきではないのか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、「医は算術」という皮肉な俚諺の通りの内容である。

▽ 子宮頸がんワクチンで、まさか推進する医療側(露骨な上から目線)に製薬マネー流れてないよな。。

『週刊東洋経済』 2024年7/6号 (不安につけ込む「医療情報」の罠)


▽ ダイヤモンドは「5年後の業界地図」特集、業界は兎も角として日経平均と為替の予想はまず当たらない

『週刊ダイヤモンド』2024年7/6号 (5年後の業界地図)


▽ エコノミストはインド・ASEAN特集、三誌の中で最も質が高そう

『週刊エコノミスト 』2024年7/9号【特集:沸騰!インド・東南アジア】

米国各州では、中国人の不動産取得を禁止し始めているとか!(日本にも影響必至である)
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