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京大はマグネシウム電池、東大は次世代電池を開発し競争激化 - 急激に進む二次電池のイノベーション

2014-07-17 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
二次電池(蓄電池)で素晴らしい報道が相次いだ。
京大と東大がほぼ同時期に新しい研究成果を発表し、
二次電池のコスト低下と性能向上が確実になった。

現時点では商用化に近いのは京大のマグネシウム電池だが、
ポテンシャルでは東大の次世代リチウム電池が光る。

同じ電池でもエネルギー効率が極限まで高まる燃料電池に比べて
どうしても注目されにくい蓄電池であるが、
相対的に電気料金の高い家庭や小規模事業者には朗報である。

昼間に太陽光パネルで発電した電気を蓄積し、
夜間に使用することができるからだ。
特に、日照条件の良い太平洋沿岸や西日本では大きな威力を発揮できる。

▽ 太陽電池の発電時間帯は、一般家庭のピークロードとずれがある

『エネルギー進化論:「第4の革命」が日本を変える』(飯田哲也,筑摩書房)


太陽光発電も順当にコスト低下が進んでおり、
家庭における自家発電が一層有利になってきている。
PHVやEVを日中に充電して夜にその電力を利用できよう。

「池田信夫氏や藤沢数希氏は蓄電池の利用を批判し、
 コスト的に見合うような便益が望めないと決めつけていたが、
 どうやら敗北するのは彼らの方になりそうだ」

「何故ならトヨタ自動車が革新的な蓄電池システムを開発したため、
 初期投資費用が大幅に低下する見通しが立ったからだ」

「当ウェブログでは蓄電池はPHV(プラグインハイブリッド)の蓄電池を
 家庭用に転用して使うのが主力になると予想してきたが、
 思いも寄らぬところから強敵が出現してきた」

「トヨタの開発した革新的なシステムは、ハイブリッド車の使途済み蓄電池を転用して
 家庭用の蓄電池として用いるというものである。
 これならハイブリッド車を所有する家庭や機関はタダ同然で蓄電池を入手できるため、
 イニシャルコストが大幅に低下する。コロンブスの卵のような素晴らしい発想である」

「価格が40%も安い上に、電気料金もエネルギー使用量も半減するという、
 本当に素晴らしいシステムである。文句の付けようがない」

と当ウェブログは指摘してきた。
イノベーションで更なる新しい展開に期待できよう。

 ↓ 参考

驚異の蓄電池、価格は4割安で電気代も半分になる! - 秘密は「ハイブリッド車の電池リサイクル」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/39c233c7c187a892196797d62eba6105

走りながら発電するEV、住宅に電力供給できるPHVが登場! - 蓄電池の本命市場はEVとPHV
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a8b5dd1f32b62da9e828f93b63ba522d

▽ 日本の環境技術は世界に冠たるもので、原発停止でより一層磨きがかかると予想される

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』


次世代電池:充電容量7倍…リチウムイオン比 原理を開発(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m040134000c.html
”携帯電話などに広く使われるリチウムイオン電池と比べ約7倍のエネルギーをためることができる次世代型の充電式電池の原理を開発したと、東京大工学系研究科の水野哲孝教授(応用化学)らの研究チームが14日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。実用化できれば、電気自動車の航続距離を飛躍的に伸ばすことが期待される。
 リチウムイオン電池は、プラス側の電極に主にコバルト酸リチウムが使われているが、希少な重金属のコバルトを使うため高価で重いのが課題とされる。水野教授らは酸化リチウムと過酸化リチウム間で酸素の電子をやり取りする反応を発見。コバルトを含まないため、軽量化できコストも低減できるという。
 理論的には1キロ当たりの充電容量は従来の約7倍となるが、現段階の実験室のモデルでは2倍程度にとどまっている。今後は企業と共同開発を進め、性能を発揮できるよう触媒や電池の構造を改良し、2030年ごろの実用化を目指す。〔中略〕【千葉紀和】”

東大はあくまでも原理開発にとどまっているので、
実用化は2030年よりも後になるかもしれない。
しかし実際に理論性能が発揮できたら素晴らしい。
今後の研究に大いに期待したい。


高性能バッテリー開発=マグネシウム利用、低コスト―京大(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201407/2014071100702
”携帯電話や電気自動車などに使われているリチウムイオンバッテリーより性能が高く、低コストで安全性が向上したマグネシウム2次電池の開発に成功したと、京都大の内本喜晴教授らの研究グループが発表した。太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの大規模蓄電用としても期待されるという。論文は11日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。”

当面、東大の次世代電池よりも京大のマグネシウム電池の方が
普及まで近そうである。何より「低コスト・安全」であるのが大きい。

ぜひこの新型電池で開発力の低い韓国企業を駆逐し、
蓄電池分野を日本企業の金城湯池としたいものである。
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