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「韓国人は日本が死ぬほど好き」- 安倍政権の次元の低い観光政策、「19世紀の発想」と痛烈批判

2014-07-15 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
現在、親日的なアセアンをはじめ訪日観光客が順調に増えており、
「隠れた輸出産業」として威力を発揮しつつある。
(福島原発事故がなければもっと伸びていたであろう)

御用メディアは「日本政府のプロモーションの成果」としているが、
とんでもない間違いである。訪日観光客に調査してみるがいい。
口コミで日本に興味を持ったり、ソフトパワーの影響で好印象を持っているケースが多く、
他の観光先進国に比べて政策的に卓越した面は殆どないに等しい。

真相は円安で日本観光がディスカウントされていること、
新興アジアの成長率が高く、停滞している日本が「お買い得」になっているためだ。
アジアの経済成長という「神風」の恩恵に過ぎない。

かつてヨーロッパに覇を唱えたフランスが、
軍事大国ではなく文化大国に変貌し、
多くの人々を惹き付けるようになった過程と似ている。
相対的に国力が落ちてゆきイギリスやドイツに及ばなくなってゆく中で、
長い間蓄積し洗練させていった文化がいつの間に魅力的になったのだ。

ただ問題は、日本の観光政策のレベルがいまだ低く、
マーケティングもまるでなっていないことだ。

▽ 日本の観光は、政策やブランディングにおいて途上国レベル

『人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか――スペイン サン・セバスチャンの奇跡』(高城剛,祥伝社)


当ウェブログは以前より海外富裕層の滞在増加の重要性を主張してきた。

「日本はカナダの教訓から賢く学ばなければならない。
 日本で投資移民もしくは投資滞在優遇策を設けると
 あっと言う間に中国と韓国からマネーが殺到する」

「国籍条項を設けて国籍ごとに枠を設けて特定民族に集中させないこと、
 (コミュニティを作って同化を拒否し、政策に干渉してくる危険性が高い)
 言語は行政側の労力を口実に英語だけに限定するべきである。
 そうすれば自動的に中国系移民を強力に抑止でき、
 親日的なアセアンや台湾の人々の割合を高められる」

「後で災厄を招く投資移民であれば、実施しない方がましである。
 実施するのであれば、賢い政策設計を行うべきである」

日本の観光政策ではセグメント別の分析が決定的に欠けており、
毎年のマーケティングやブランディング戦略が全く見えない。
大きな潜在力を活かしていないのである。

 ↓ 参考

海外移住して後悔している経営者は多い、と大前研一氏 -「日本という国は金持ちにとって最も快適」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a1f546b5d0ba039a8b9d09fb7b0ec9e0‎

日本はポルトガルに劣る、海外投資家の長期滞在促進を - カナダの教訓に学び英語限定と国籍条項を忘れず
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/714bfa8fbc264627321d47145afa06c2‎

日本に必要なのは「海外の金持ち優遇」、国内富裕層への利益誘導ではない - シンガポールは大の日本好き
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0facd0770c1b7fb9e502d35c6f5e5234

▽ 親日的なアセアンの富裕層の訪日は、最優先で歓迎しなければならない

『経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件』(佐藤百合,中央公論新社)


大前研一氏 アジア富裕層はビザなし訪日可能にすべきと提案(ポストセブン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140715-00000022-pseven-bus_all
”訪日外国人数の増加が話題だ。さらに日本を訪れてもらおうと様々な施策がなされているが、日本は外国人観光客にとって入国の敷居が高すぎると大前研一氏は指摘する。敷居を低くするためには何が必要なのか、大前氏が解説する。
 * * *
 地中海に浮かぶフランスのコルシカ島、イタリアのサルデーニャ島、シチリア島を6月下旬に巡ってきた。ベルリンで開催されたマッキンゼーのOB役員会議出席に合わせて計画したのだが、なかでも私がとくに気に入ったのは、ナポレオンの出身地として知られるコルシカ島だ。
 急峻な山の外周に建設された対面通行の狭い道路が高さ数百メートルの断崖絶壁の上を走り、眼下には透明度の高いコバルトブルーの海が広がっていた。まさに「絶景」だった。
〔中略〕
 この旅で改めて痛感したのは、日本は外国人観光客にとって「入国の敷居が高すぎる」ということだ。
 すでに欧米は6月から夏休みに入っているので、三つの島はいずれも欧米をはじめ世界中からやってきた大勢の外国人観光客でにぎわっていた。何の施設もない小さな海岸で泳いでいる人もいれば、昨年のツール・ド・フランスで開幕コースになったコルシカ島の険しい山道を自転車で走っている人もいた。旅行会社のパック旅行ではなく、みんな思い思いの旅を自由気ままに楽しんでいた。
 私はギリシャの島々を船で巡ったこともあるが、どの島の港もイギリス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデンなどヨーロッパ中からやってきたクルーザーやヨットであふれていた。スペイン南岸のコスタ・デル・ソルも同様だった。クロアチアとモンテネグロのアドリア海沿岸、トルコのエーゲ海沿岸にも、やはり寒いヨーロッパ諸国の人々が押し寄せていた。
 つまり、ヨーロッパの加盟国間を検査なしで国境を超えることを許可するシェンゲン協定でパスポートが不要になり、EU加盟28か国中18か国が共通通貨ユーロを導入しているヨーロッパの人たちにとって地中海は、いわば「国境のない遊び場」なのである。
だから、みんなどこに行っても自分の庭のような感覚で、伸び伸びと休暇を過ごしているのだ。
 それに比べると日本は、政府が「YOKOSO! JAPAN」をスローガンにした外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開していながら、実際の出入国管理は、すべての訪日外国人が犯罪者の可能性があるという前提で行なっている。この発想は19世紀のレベルであり、完全に間違っていると思う。
 2013年6月にタイ人とマレーシア人へのビザ(査証)免除を実施し、今後はインドネシア人を対象にビザ緩和措置(※)を導入するというが、その程度ではお話にもならない。(※ICパスポートの所持者を対象に、事前登録すればビザ申請手続きが簡素化される)
 どこまで出入国管理を緩和すべきかということについては議論の分かれるところだろうが、せめて日本を何度も訪れていて何も問題を起こしていないアジアの裕福な人たちについては、ビザなしで自由に出入りできるようにすべきだと思う。
 具体的には、たとえば政府が相手国と協力し合って共有可能なデータを蓄積し、日本に5回以上来ていて一度も問題を起こしていない人については、国籍に関係なく“優良訪日外国人ナンバー”を付与して、スマートフォンなどのGPSで管理しながら、たとえば6か月以内なら滞在してもかまわないし、別荘やマンションなどの不動産も自由に購入できるようにするのだ。
 そうすれば、アジアの富裕層は日本にやってきて長期滞在するはずだ。とくに「反日」「嫌日」と言われる韓国人は、実は日本が死ぬほど好きなので、いっそう増えるだろう。現に国別の訪日外国人客数を見ると、常に韓国がトップなのである。”

この分野においては、大前研一氏の見解が参考になる。
景観や環境で言えば、元々人気の高い北海道や九州を始め、
瀬戸内も四国も山陰山陽も北陸も甲信越も東北も決して欧州には劣っていない。
(景観保護意識が欧州国に劣っているのは残念だが)

日本はもっと海外富裕層を迎え入れることが上手にならなければならない。
無料で通訳や観光案内をつけても良い位である。それでも充分にペイできる。

▽ 日本は、閉塞的なシンガポールの富裕層にも人気がある

『物語 シンガポールの歴史』(岩崎育夫,中央公論新社)

日本の観光にはまだポテンシャルがあり、充分に発揮できていない。
他国の観光政策やマーケティング、ブランディングから謙虚に学ぶことが必要だ。
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