みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

嘘と情報操作がないと、原子力は維持できないのか - 大学生も「安全と繰り返し教えられて失望した」

2011-10-03 | いとすぎから見るこの社会-全般
強固な原発推進派の読売でさえ「またも驚くべき事実が判明」と
九州電力の悪質なやらせ(九電社員が農家を偽装)を報じている。

原子力維持にそのような茶番劇が必要なのであれば、
一刻も早く消滅した方が日本社会のためである。

「原発停止で電力不足、企業が日本から脱出する」との主張も
製造業の電力コストの数値から見てまるで出鱈目で
本音は何より電力会社の赤字転落を防ぐためと見た方が正しそうだ。

当ウェブログでは福島原発事故の前から
「原子力は政治的に汚染されている」
と指摘してきたが、そのような批判すら生温かったようだ。
政界でレッドパージならぬ原子力パージを断行すべきだろう。
そうでない限り原子力の「赤い貴族」がエネルギー政策を歪めることになる。

○原子力推進に協力した電力族のこれまでの働きかけをすべて公表
 (場合によっては党員資格停止)
○電力会社の政治献金を法律で禁じ、罰則も設ける
○電力総連の政治献金を法律で禁じる、罰則も設ける
○地域独占度の高い電力会社の広告を法律で禁じる


▽ 利害関係を持つ官庁の宣伝よりこちらを読むべき。

『原発に頼らなくても日本は成長できる』(円居総一,ダイヤモンド社)



 ↓ 半月前のエントリー

日本の電力は癒着と情報隠蔽の産物か - 官僚天下り50名、関連公益法人の官僚OBは120名以上
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/64de3513251ab8d1326b5f7efb7b1e23

「我々は高い電気代を献納して官僚OBを高給で養い、
 独占的企業の政治宣伝や厚待遇に貢献していたのだ」

「大量の天下りを受け入れて官庁に強い圧力をかけ、
 多額の発注で日本を代表する大企業や経済団体を従わせる。
 事実上の独占企業でありながら多額の広告費でメディアを操る」

「電力会社のビジネスモデルとは結局、
 癒着と情報操作によって既得権を固守することなのか。
 もしそうであるなら、崩壊は恐るべき速度で進行するだろう」


九電社員、農家装い「売れ行きに原発影響ない」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110930-OYT1T00165.htm

”九州電力の「やらせメール」問題に関する第三者委員会の調査結果で、またも驚く
 べき事実が判明した。
 2005年のプルサーマル発電を巡る佐賀県主催の公開討論会で、県と九電が事前
 に進行を打ち合わせ、九電社員が農家になりすまして発言する
など巧妙な世論操作
 の実態が浮かび上がった。
  ◆周到な準備◆
 討論会は05年12月25日、佐賀県唐津市のホテルで開かれた。科学ジャーナリ
 ストをコーディネーターに、推進派と慎重派の学者ら6人がパネリストとして参加
 した。
 第三者委の調査結果によると、九電は討論会を成功させるため、県に対する全面的
 な協力体制を敷いた。事前の県との打ち合わせで質問者の配置を決め、議事録にま
 とめていた
という。
 3連休の最終日で、クリスマス当日だったこともあり、来場者が少なくなることを
 懸念し社員らを徹底して勧誘。その結果、約700人で埋まった会場の半数を九電
 関係者が占めた

 6ブロックに分けられた会場で「仕込み質問者」を分散させ、それぞれに支援部隊
 を20人ずつ配置。プルサーマル発電の安全性を印象づけるため、最後は「推進の
 質問」で終わるようなシナリオを作成し、県に渡していた。
「コーディネーターに
 質問者の着席位置を伝えておく」と記載された社内資料も残っているという。
  ◆7人が九電関係者◆
 討論会では、18人が質問に立ち、賛成派8人のうち7人が九電関係者だった。ほ
 とんどが九電が用意した原稿を読み上げる形で発言。
 最初に質問した社員は手帳を見ながら「危ない、危ないと言われて、玄海1号機が
 運転を開始して30年近くたつが、私の家で作っている米とか野菜が放射能の影響
 で売れなくなったことはない」と農家を装った。”

 → 巧妙な世論操作と言うよりも
   「頭がどうかしている」とした方が正しい。
   これではいかなる手段でも用いるカルト教団と変わらない。

   はっきり言っておくが、プルサーマルにこのような
   悪質な世論操作が必要な理由はただ一つしかない。
   
「政治的にも経済的にも合理性がない」からだ。
   真に合理性があるなら、茶番劇もこそこそ献金も不要の筈だ。


▽ 日本の原子力政策決定は、そもそも最初からやらせに近い

『原子力の社会史―その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


原子力学会参加者調査:原発離れ、専攻学生も 「依存度下げるべきだ」半数(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110923ddm002040077000c.html

”将来の日本の原子力産業や研究をリードすることが期待される原子力専攻の学生に
 も、「脱原発依存」が広がっている
ことが分かった。北九州市で19~22日に開
 かれた日本原子力学会に参加した学生に毎日新聞がアンケートしたところ、原子力
 政策について「原発への依存度を下げていくべきだ」と考えている割合が半数近く
 で、原発推進を望む学生を上回った。
【比嘉洋、阿部周一、西嶋正法】
 アンケートは、同学会に参加した230人の学生から無作為に選んだ50人に聞き
 取りなどで実施。「東京電力福島第1原発事故を受け、今後の原発をどうすべきか」
 の問いに対しては「時間かけ原発への依存度を下げるべきだ」との答えが24人で
 最多。「現状維持か増設」は21人、「その他」は5人だった。「なるべく早く全
 廃」はいなかった。
 「依存度の低減」を選んだ理由としては「再生可能エネルギーの割合を増やしてい
 くべきだ」との意見が多かった。大阪大の男子学生(修士2年)は、「原発新設は
 住民の理解を得るのが難しい」と指摘する。
 これに対し、東京大の女子学生(修士1年)は「古い原発は減らすべきだが、より
 安全な新しい炉に代えるべきだ」と現状維持を支持。京都大の男子学生(修士2年)
 は「原子力関係の企業に内定したので維持の方がありがたい」と語った。維持もし
 くは増設を望む学生は、経済水準の維持や資源の乏しさを重視した。
 進路についても質問。1割強の学生が原子力業界(産業界・学界)への就職や進学
 を見直すなど、事故の影響がうかがえた。澤田隆・同学会副会長(三菱重工業)は、
 「一時的に原発に逆風が吹いている状況を反映していると思う」と述べた。
 …………………………………………………………………………………………………
  ■解説
  ◇学会、人材確保に危機感
 日本原子力学会に参加した学生の多くは、地球温暖化対策の一環として原発の評価
 が高まった「原子力ルネサンス」と呼ばれる00年代後半に原子力を専攻した世代
 だ。しかし、原発事故は学生たちの考え方を少なからず変え、学会側も人材確保の
 面で危機感を募らせている。今後、原発の数が減っていくことになっても、放射性
 廃棄物の処理や除染、廃炉などの専門家の需要はむしろ高まる
からだ。
 学生50人を対象にしたアンケートでは、6人が「進路を変更する」と答えた。
 九州大の男子学生(修士2年)は「授業では『安全』と繰り返し教えられてきたの
 で失望した」
と異業種への就職を決めた。学会では学生同士が原子力の将来を話し
 合うセッションもあり「原子力に携わるモチベーションが保てない」といった不安
 の声が相次いだ。
 一方で31人は「原子力業界に進む気持ちは変わらない」と回答した。学会の教育
 担当理事を務める百々(どど)隆・日本原子力技術協会専務理事は、「既に専攻し
 ている学生より、これから専攻する学生をどう確保するかが問題になるだろう」と
 指摘する。学会には、学生たちの信頼を得るためにも、安全性を強調する従来の姿
 勢を改め、リスクに関する正確な情報を発信する努力が求められる。【比嘉洋】”

毎日新聞が面白い調査を行っている。
所詮、原子力の安全とは現実のものではなく
マインドコントロールとお伽の国の話だった訳である。

…これから新興国で次々と原発が増設されてゆけば、
或いは福島をも上回る深刻な原発事故の発生は必至である。

今回の福島の事故で、日本は高い代償を払って
事故対処のノウハウを学ばざるを得なくなった。

日本の原子力ムラは今後、事故原発の停止や除染、廃炉のために、
健康被害や汚染拡大を防ぐために生きるしかない。
彼らには他に道はないのだ。
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