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かき集めた電気料金をパーティー券や個人献金に注ぎ込んだ電力会社 -「カネまみれ電力」の民主化が必要だ

2011-10-26 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
我が国の電力供給体制の根本的な問題は、
江戸の幕藩体制さながらの不透明なガバナンスが
決定的に民主主義と相容れないということである。

もし本当に電力が公益事業であるのなら、
こそこそ献金も大量の天下り受入れもパー券購入も不要である。
これまで発覚した数々の癒着と隠蔽が示唆するのは、
公益ならぬ「公益の占有」が真の狙いではないかということだ。

▽ 北欧と比較すると明らかに非民主的な日本のエネルギー政策

『北欧のエネルギーデモクラシー』(飯田哲也,新評論)


企業ガバナンスの問題としてはある意味で
今話題のオリンパスよりも遥かに深刻である。

オリンパスは結局経営陣更迭(「幕引き狙い」だが)となったが
普通の民間企業だったら経営陣の首がとぶ状況でも
頑として非を認めない「公益」企業もいるのだ。
よそとは違う特別な立場だと自認しているのかもしれない。


▽ 原子力推進は「国策」、関連情報は「企業秘密」とする悪質な二枚舌

『「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策』(飯田哲也/河野太郎/大島堅一)


北海道電社長、やらせ問題で道議会出席を拒否(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111020-OYT1T00783.htm

”北海道電力泊原子力発電所(泊村)のプルサーマル計画を巡る「やらせ」問題で、
 道議会産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会(斉藤博委員長)から参考人
 招致を求められていた北電の佐藤佳孝社長は20日、委員会への出席を拒否する
 とを道議会側に回答した。
 道議会は18日に佐藤社長の招致を北電に要請。北電は回答期限の19日、斉藤委
 員長に対し「質疑が企業内部の情報に及ぶと支障が出る可能性がある」とし、社長
 出席の条件として、委員会の非公開を打診した。これに対し、斉藤委員長は「答え
 られない内容は答弁を控えればいい。公開の場で社長本人が説明するべきだ」と再
 検討を促し、20日正午をめどに正式回答を求めていた。北電は、佐藤社長の代役
 となる役員を人選することを道議会に伝えてきた。”

 → さすがに後で言を翻したそうだが
   (この内部情報だの支障が出るだのは方便だったのか)
   この理由での出席拒否は道議会への侮辱ではないのだろうか。
   たっぷり政治献金しているから余裕だということなのか?


九州電力:原発やらせメール 会長「なぜ辞めねばならぬ」 眞部社長の続投望む意向(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111023ddm041040164000c.html

”九州電力の松尾新吾会長は22日深夜、やらせメール問題の長期化で責任問題が再
 浮上している眞部利應(まなべとしお)社長の進退について続投させたい意向を示
 した。
 報道各社の取材に答え、「辞任に値することか。なぜ辞めないといけないのか。こ
 れだけ(原子力発電所の)再稼働が遅れたら、九電はつぶれる。この状況をクリア
 するのに最適な人だ
」と述べた。
 眞部社長の進退をめぐっては、枝野幸男経済産業相が16日、「原発の安全性につ
 いて、何を言っても到底、信用されるとは思えない」
と述べ、辞任を求める考えを
 示唆した。”

 → かなりの数の有権者がこの開き直りを聞いて
   「いっそ一気に潰して経営陣を総入れ替えした方が良いのでは」
   と考えたに違いない。

   住民からの信頼や安全性よりも、原発再稼働と
   九電の存続(=経営陣の保身)を優先しているとしか思えない。


東電、役員の献金を会社側が差配 企業献金の代替狙う(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/1007/TKY201110070669.html

”東京電力が「会社は関知していない」としている役員個人の政治献金を巡り、会社
 側が2009年ごろまで、自民党の政治資金団体の要請を受け、個人献金を差配し
 ていたことが分かった。会社側が役職ごとの献金額を決め、新任役員に案内してい
 た。元首脳の一人は、「1974年から企業献金を自粛したため、個人献金はその
 代替策だった」と証言している。

 朝日新聞の調べで、自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」への東電役
 員の献金総額は、95~09年の15年間で少なくとも延べ448人、計5957
 万円。東電をめぐっては、組織的なパーティー券購入が明らかになっており、個人
 献金もこれと合わせ、原子力政策を推進するため、政界に資金提供する手段ととら
 えられていた
という。
 朝日新聞が複数の東電幹部や元役員に取材した結果、国政協からの要請を確認でき
 たのは、東電元副社長の加納時男氏(76)が98年7月、参院選に自民党の比例
 区候補として立候補し、初当選した時期
。政治担当の東電役員は、国政協幹部から
 「加納氏が当選したこともあり、東電役員の献金額を増やしてほしい」という趣旨
 の依頼を受けたという。政治担当の東電総務部はこれを受け、献金に協力してもら
 える役員数の増加などを図ったという。”

 → カネまみれ原子力政策の実態がこのざまだ。
   加納氏はこのヤミ献金の仕組みを知っている可能性が高く、
   自民党も当然、政治責任を問われてしかるべきだ。

   献金もパーティー券ももとは国民の払った電気料金である。
   それをこっそり政界工作に使っていたという訳だ。


電力9社、政界工作で連携 担当議員決め資金協力や接待(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/1008/TKY201110080544.html

全国の9電力会社役員が業界団体主催の朝食会で、所管官庁の経済産業省と関係が
 ある議員を中心とした自民党議員数十人と顔合わせしたうえ担当議員を分担、選挙
 時の資金協力や飲食接待などを行っていた
ことが分かった。参加した議員秘書らが
 明らかにした。
 東京電力で組織的なパーティー券購入や、会社側が役員の個人献金を差配していた
 ことが判明したが、新たに電力各社が連携して政界工作にあたってきた構図が浮上
 した。こうした工作は1990年代に盛んに行われ、顔合わせの朝食会は近年も続
 いていたという。
 議員秘書や電力会社元幹部によると、全国の電力会社でつくる業界団体「電気事業
 連合会(電事連)」主催の朝食会は、東京都内のホテルを会場に2~3カ月に1回
 のペースで実施。また、不定期で電力数社と議員らのランチ会もあった。”

電力会社の体質はどこもそう大して変わらない。
こうして有権者の目をくらまして
陰でエネルギー政策をコントロールしていたのだ。
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