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ベトナムが南シナ海で中国を撃退する秘策、効果は歴然 - インド国営企業と共同で資源開発

2011-10-19 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
ベトナムがインド国営企業と南シナ海での共同資源開発を決めたようだ。
これは日本の手本となる良策であり、見習わねばならない。

我が国の保守論客、或いはナショナリストの中には
大声で吼え威圧すれば相手が頭を下げてくるとする者も多いが
勿論それはパワー・ポリティクスのイロハも知らない初心者である。

是非このベトナムの叡智から謙虚に学んで貰いたいものだ。

…例えば、尖閣諸島問題はよく知られるように
国際機関が当該地域に石油埋蔵の可能性を指摘した1969年に端を発する。
その後に台湾、そして中国が領有権を主張し始めた。

日本の最強の切り札になるのはアメリカとの資源共同開発だろう。
中国が最も警戒している世界最強の軍事大国だからだ。
仕方なさそうな態度でちらつかせるだけでも絶大な効果がある。

安全保障はタダではないし、日本には深海油田のノウハウがない。
米企業に権益を分ける程度は構わない。警備費と思えば安いものだ。


当ウェブログでは以前から「日本の戦略正面は東シナ海」とし、
昨秋には以下のように主張したが、想定内の展開になりつつある。

「今のように中南海が遠慮のない「内向き」行動を続ければ
 日米印露越の包囲網が形成されてゆく」


▽ 参考エントリー

強まるベトナムの対中警戒感 -「中国は争いのない場所を意図的に領有権係争地にしようとしている」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c2c9408258310a7921ba7b0a0031c4ef

  ↓ 一部を引用

「日本とベトナムが関係を強化する好機がやってきた。

 歴史的に中越は軍事衝突を繰り返してきたが、
 近年は海洋資源を巡っての対立を深めている。

 ベトナムにとって中国は軍事的に警戒すべき強国でありながら
 経済的には関係の深い人口大国でもある。
 つまり中越関係と日中関係は極めてよく似ているということ。

 日本とベトナムはほぼ完璧に利害が一致しており、
 地政学的にも関係が深まる必然性を持っている。

 経済関係も意図的に深めていかなければならないし、
 人材交流においても別格扱いにしなければならない。
 (特に大学と企業は積極的に留学生を支援した方が良い)

 1億近い人口を持つアセアンの雄は、
 ベトナム戦争で超大国を苦しめた尚武の国である。
 中国がどれほどの力を持っていようともベトナムは決して屈しない」


ベトナムもインドも人口動態の若い国であり、
中国のようにあと10年で老化トレンドに入る国とは違う。
印越 vs 中国の勝負はもう見えている。

▽ この本か『人口負荷社会』を読めば未来が見えてくる。

『超長期予測 老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図』(小峰隆夫,日本経済新聞出版社)


印越、南シナ海資源開発で合意=「関係損なう」と中国猛反発(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011091700138

”【ニューデリー時事】インドの複数のメディアによると、クリシュナ外相は16日、
 ベトナム首都ハノイでファム・ビン・ミン外相と会談し、南シナ海でのインド国営
 企業による油田・ガス開発で合意した。領有権争いがある南シナ海への中国の影響
 力排除が狙いとみられ、同国は「インドの挑戦的姿勢は対中関係を損なう危険性が
 ある」(国営新華社通信)と激しく反発している。

 インド外務省は同日の声明で「政治や国防、貿易分野に加えて、石油・ガス開発を
 含むエネルギー分野でも2国間関係を発展させることで合意した」と表明。具体的
 な場所は明示していないが、エネルギー開発は南シナ海を念頭に置いたものとみら
 れる
。”

 → 中国政府の反発ぶりを見れば明らかである。
   この提携は中南海にとって大変な打撃なのだ。

   これだけ息巻いていても、冷却期間を置いて
   巧みに転機を利用すれば全く問題ない。
   いずれにせよ中国の敗北であることに変わりはない。


「内政に干渉」と対米批判=台湾への武器売却で―中国外相(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/q/c?g=int_30&k=2011092300141

”【北京時事】中国外務省によると、国連総会出席のためニューヨーク訪問中の楊潔
 ※(※=竹カンムリに褫のつくり)外相は22日、米中関係について講演し、米国
 による台湾への武器売却方針に関して「著しく中国内政に干渉し、中国の国家安全
 や平和統一大事業に重大な損害を与えるものだ」と批判、「誤った決定」を取り消
 すよう要求した

 今回の武器売却問題に楊外相が言及するのは初めてで、中国側は批判のレベルを高
 めている。”

こちらも中南海にとって大打撃である。
国内で吊るし上げられる恐れが強い中国外相が
強い口調で抗議するのは当然だが、もはや勝負はあった。

アメリカ政府は台湾への武器売却のレベルをコントロールし、
中国政府との「対話」と「圧力」を併用している。
是非こちらも日本が学びたいところである。


▽ 軍事的に中国を牽制できるのは、事実上アメリカ以外にない。





『暗流―米中日外交三国志』(秋田浩之,日本経済新聞出版社)


昨秋の尖閣諸島問題は中国にとって裏目に出た。
誰が極東のトラブルメーカーかが見えてしまったからだ。
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