mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

芝川の氾濫はつづきそう

2019-10-13 16:08:46 | 日記
 
 昨日は台風19号で一日家に閉じ込められた。と言っても、ふだん、山へ行く以外は家に籠りっきりだから、引きこもりになったといったところ。本を読み、PCに向かって過ごした。そして今日、雲が空にぽっかりとひとつしかない晴天。見沼田んぼへ「河川氾濫」の様子を見に行った。
 
 いつもはちょろちょろとしか流れていない通船堀も、水位が高くなり、溢れそうだ。これは見沼田んぼ西縁よりも3メートルほど低い芝川へ流れ込んでいる。芝川が溢れそうなのかしらと思う。その道をたどっていると、ジョギングのランナーが追い越していく。しばらくして、同じランナーが向こうから帰ってくる。「通れませんよ。水浸し」と言って、通り過ぎた。おやおややっぱり、とカミサンと話しながら、道が水浸しになっている際まで行ってみる。脇の農家も庭に水が溢れ出ているようだった。床下浸水にならなかったのだろうか。自転車に乗った中学生らしい女の子の二人連れがやってくる。やはり芝川の様子を見に来たようであった。ひゃあ、みずだあ、とうれしそうな声を上げる。
 
 引き返して、見沼田んぼのグラウンドの方から芝川へアプローチを試みる。畑の中に、やはり水が溜まっていて、畦道は歩けない。ぐるりと遠回りをする。子ども連れの父子、母娘などが、歩いたり自転車に乗ったりして散歩している。サッカーの個人練習をしている若者や、走っている中年もいる。そうか、今日は日曜日だ。グラウンドを回り込むと、一段低いところの野球場が池のようになって、朝日が逆光にキラキラと水面を照り返す。水が溜まった道の手前に、何人かやってきた人が立ち止まっている。そこへ自転車に乗った中年のオジサンが来て、水溜りのなかへずいずいと入っていく。側溝に落ちなければなんてことのない平坦な道だ。と、後ろから来たまだ若いお母さんが「あっ、いけるんだ」と言いながら、子どもを乗せたままの自転車をオジサンにつづいて、入っていく。芝川を渡る木の橋が盛り上がって見えている。どこへ行くんだろうとみていると、オジサンは川の手前で立ち止まり、自転車を回転させている。つづいたお母さんも自転車をくるりと回して引き返してくる。そりゃあそうだ。橋の向こうは畑だから、やはり水浸しのはず。ひょっとすると、芝川の土手も水のなかかもしれない。
 
 ここも引き返し、武蔵野線の線路をくぐって、井沼田んぼ西縁の明の星の学校の方へ向かう。こちらは、少し標高が高くなっているらしく、ところどころの水溜りはすでに乾き始めている。自転車に乗った親子が、向こうからやってくる。畑の向こうをみると、池のように水が溜まったところが、朝日を反射して輝く。西縁に沿って北へ向かう。まだ工事中の広大な遊水地がすっかり水浸しだ。いつもはまだ、水が溜まるほどではなかった。でも、芝川の向こう岸の、すでに完成した遊水地は、段差の低い流入口が設けられ、芝川の水位が上がると自動的に遊水地へ流れ込むようになっているが、こちらはまだ工事中で、流入口はまだ作られていない。ということは、この水は昨夜、芝川の土手をこえて溢れてきたものだろう。ということは、向こう岸の遊水地もすでに、満杯になっているということか。
 
 ここの西側工事中遊水地の北側にも水が入り、芝川には近づけない。やはり浦和越谷線の車道をたどるしかあるまいと、見沼田んぼの中の水に浸かっていない道を通って、そちらへ近寄る。車が通っていない。西縁側にパトカーが一台止まっている。車道にカラーコーンをおいているところをみると、この道路は通行止めなのか。芝川に架かる橋のところに人が屯している。越谷からの車は一台も来ない。道路の一部は水が入ったようだが、盛り上がった中央部分は歩くことができた。
 
 いや、驚いた。橋げたのすぐ下まで川の水は溢れている。南をみると、いつもの河幅が十倍以上に広がったようにみえる。見沼田んぼに水が入り、まだ溢れたそのままの状態が続いているのだ。こりゃあすごい。自転車でやってきた若者が、自転車を置いて、サンダルで水の溜まった道路のなかに踏み込み、スマホで自撮りしている。「インスタ映えするわよ」と隣の人が冷やかしている。上流からの流れはまだあるらしく、橋の下の水は北風にも押されて、下流へと流れ下っている。たぶん今時分は一番の引き潮のはずだから、流れ下るが、4時前になると東京湾が満潮になる。ふだんでも、東京湾が満潮になるとこの辺りの流れがとまる。たぶん標高差が5メートルもないはずだ。ということは、この後しばらくは、上流からの水は押し寄せ、下流への流れは止まって、見沼田んぼはまだしばらく、溢れる状態が続くに違いない。
 
 越谷方面をみると、民家園の前から大崎清掃工場のまえまで、道路はすっかり水没している。向こう側も、通行止めの標識を付けているのであろう。大きなトラックが、向きを変えている。民家園の、道路を挟んで向かいにある自動車教習所は、見事に水の中にある。芝川との境目もわからない。しかし教習車は、少し高く設えた駐車場に上げているのか、水に浸かることなく、しっかり上に整然と並んでいる。さすが、見沼田んぼの教習所だけのことはある。
 
 見沼田んぼの中を通る車道が何本かある。そのうちの一番よく利用されている道路も、入口のところまで水が押し寄せ、1キロほど向こうの大橋まで湖のようになっている。よく見ると、その車道に車が二台止まっている。窓のあたりまで水没し、人が乗っている気配はない。昨日の夜だろうか。ここまできて車が止まり、運転者は無事に脱出したろうか。雨の中、走り馴れた道とは言え、心細かったに違いない。それとも今朝になって、走ってみたのだろうか。とすると、無謀もいいところ。自業自得である。
 
 それにしても、芝川の周りが見沼田んぼで良かった。通船堀近くの外は民家はないから、氾濫しても、田や畑が水に浸かるだけ。刈り取りをしていない田の稲は、風が弱かったせいか、倒れていない。暢気に見て回っても、心が痛まない。
 
 物見高いのは人の常。次々と人がやってくる。日曜日とあって、家族連れ、友だちと一緒の中高生、ジョギングランナーの二人連れも、芝川の溢れているのを見て、さらに見沼田んぼの大宮方面へ走っていった。見沼大橋の上を超える越谷方面への道は、渋滞している。そうか、水没を免れて東北道へ入る道は、ここしかなかったか。それにしても、東北道の浦和インターから川口へ向かう道は、見沼田んぼよりもさらに数メートル低い位置にある。はたしてあちらは洪水に見舞われていないのでろうか。
 
 そんなことを考えながら、やはり物見高く12500歩をあるいて、今朝のウォーキングにしたのでした。チュウサギ、ダイサギ、コガモ、カルガモ、ヒヨドリ、スズメ、ヒバリ、カワラヒワ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ハクセキレイ。台風が連れてきたわけではなさそうであった。