mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

痛みのかたち

2017-09-17 09:13:52 | 日記
 
 9/15に「化石人間」と軽口を叩いていたのは、医者の注射によって痛みがやわらげられていたせいでした。その日は割とよく寝られたのですが、昨日は一日、痛みに苦しめられていました。痛みばかりか左腕が動かせなくなり、物をつかむこともできなくなりました。衣服の着脱もできません。吊り下げている左腕の筋力が落ちてしまったのかもしれません。夜になると、とても寝床に身を横たえることができず、起きているもならず、書斎のリクライニングチェアに身を預けて一晩を過ごしました。医者はステロイド剤を使っているので注射は一週間おかねばできないと、坦々と話します。
 
 いつであったか、痛風になる恐れがあることを友人の薬剤の研究者にしたところ、「痛風になる人はアルツハイマー型認知症にならない。今は痛み止め医療が発達しているから、良かったね」と言われたことがある。そのときはなるほどと思ったものだが、こうして痛みが走ってみると、アルツハイマー型認知症の方が良かったと思いはじめている。
 
 痛風の痛みは、心拍の鼓動に合わせて、ずんずんと痛みが響く。ところが今回の痛みは、「痛み」というシートを肩口に張り付けたみたいに、ベターっと途切れることなく、痛みがつづく。まるで肩に「痛みザル」が乗っているみたいだ。それが日を追うにしたがって二の腕から手首の方へ薄くなって広がるような気配。身体をどうおいていいものかわからない。何より眠れないのが堪える。
 
 うつらうつらしている合間に、夢をみる。痛みの水脈がある処では急斜面をなし、その辺に湿原をつくっている。葦原のあいだを「痛みの元」を発見した誇らしさを湛えてやってくる人がいる。彼の示しているのはブルーポピー。これが「正体だ」と言っているようだ。いつか中国の多姑娘(山)に登ったとき、お花畑に花をつけていた背の高いきれいな花だ。びっしょりと汗をかいている。また眠ると、今度は似たようなシチュエーションに、アヤメかショウブか、高山植物のそれが「正体」になっている。また汗をびっしょり。なんだろう、この夢は。一時間ごとにこんな夢をみて目を覚ました。
 
 無駄な抵抗をやめろ、というメッセージか。よくわからないが、痛みにかたちがあり、それはそれで散華するときの己の姿だと示しているのかもしれない。
 
 痛いのに、よくこんなことを書いていられるなと思うかもしれない。何かに集中しているときは、痛みを忘れていられる。いろいろなスケジュールが、じつは目白押しだ。でも、山はキャンセルだし、車の運転もとてもできる状態にない。なんとかあと一週間で痛みが引いてくれることを祈るしかない。