エルダーBP

登山 写真撮影等多趣味ですが最近は卓球で登山のためのトレーニングして 山岳写真撮影に励んでいます。

私の仕事遍歴ー5 転職の巻 

2011-02-22 | 仕事遍歴
駐在員から帰国すると、M社は規模の縮小により再建することになり、私も身の振り方を考えていました。その中で1年先輩のK氏から比較的近くのA社のキャリア採用に応募し入社したと言う情報を得、私も募集に応じました。そしてA社は新商品開発を大々的に行うプロジェクト要員を募集していたのですが、私はA社の技術開発研究所に居た電子系のメンバーがその部署に異動した、空き要員に採用され、自動車部品の開発を担当しました。
私が配属された課は研究所唯一の電気技術者の集まりで、機械系部品を設計、製造、販売しいたA社では異色の存在でした。
そこで最初に手がけた仕事はその頃米国のEaton社と技術提携して開発した、機械、電気式のクルーズコントロール装置の検査装置、開発でした。
このEaton社のシステムの基本構造を図示しましたが、素晴らしい技術でメカ技術を中心にして、エンジンスロットルを制御し、アクセルを踏まないで、一定車速で走行できるシステムです。狭い日本では余り普及していませんが、米国では多くの車に装着されています。
この図では図示できませんでしたが、スロットル開度をメカ機構でフィードバックしハンチング(制御が発散し振動すること)を防止する仕組みまで入り、東名高速道路の牧の原SAに登る坂でも車速の低下は1km/h程度に抑えられていました。
そして次に私が取り組んだのはこの装置の電子化でした。Eatonのシステムの欠点はスピード(車速)情報を得るのにスピードメータケーブルをこの装置まで引き込む必要性があったことです。
そこで車速信号を電子センサーに置き換え、Eaton式と同じ様に動力源としてはエンジン負圧を使う方式を考えました。
ただしその方式にはBendix社のPATが有り、これをいかにクリアーするかが課題でした。
当時開発していたアクチュエータの写真です。その後私は石油ショックに対応した緊急プロジェクトに動員されましたが、後継者により商品化され、大きな売り上げに貢献しました。
写真の左上はA社がEaton社と最初に提携して商品化した、流体継手式ファンカップリングです。現在でもFR車のエンジン冷却ファンとして使われています。このカップリングの意味ですがエンジン回転数が上昇するとエンジンの出力軸とファンの軸を滑らせ、無駄な動力を減少させる物でその後温度制御を加えることで、さらに省エネ効果を増した装置も商品化されました。