英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋界の一番長い日、終了

2016-02-28 21:26:17 | 将棋
A級順位戦、佐藤天彦八段が最終戦を勝利し、8勝1敗で1位となり名人戦への挑戦権を獲得した。降級は、郷田王将(3勝7敗)と久保九段(2勝6敗)。

【概況】
 22時34分、佐藤九段が投了。
佐藤 康光九段(5勝4敗)●-○渡辺 明 竜王(6勝3敗)
 「作戦が無理でしたね。ひどい将棋ですみません」と佐藤九段の弁。
 佐藤九段の強引な動きに的確に対応した渡辺竜王の勝利。6勝3敗の渡辺竜王は3位が確定した。

 23時45分、屋敷九段が投了。
屋敷 伸之九段(5勝4敗)●-○郷田 真隆王将(3勝6敗)
 反撃覚悟の屋敷九段の突進を冷静に2枚角で応酬し、屋敷玉をがんじがらめに絡め取った郷田王将の勝利。
 郷田王将は3勝目を上げ、残留は深浦-広瀬戦の結果に委ねられた(広瀬八段の敗局が条件)。

 日付が変わった0時33分、深浦九段が投了。  
深浦 康市九段(3勝6敗)●-○広瀬 章人八段(3勝6敗)
 深浦九段が主導権を握っていたが、勝負処で踏み込みを欠いて劣勢に陥る。
 敗れれば降級の広瀬八段、不退転の気持ちが勝利に到達させた。
 勝った広瀬八段は3勝6敗となり、順位の関係でA級残留が決まった。
 また、3勝6敗で残留の望みが残っていた郷田王将だったが、広瀬八段が3勝目を上げたことにより、広瀬八段と久保-森内九段の勝者より下位になることが確定し、降級が決まった。
 順位の関係で残留が決まっていた深浦九段も3勝6敗に終わり、来期の順位は8位となった。
 この段階で、残る一人の降級者は久保-森内戦の敗者となった。

 0時56分、久保九段が投了。
久保 利明九段(2勝7敗)●-○森内 俊之九段(4勝5敗)
 森内九段が優勢に進めていたが、決め手を逃して混戦模様となったが、▲9六銀が“詰めろ逃れの詰めろ”になっておらず、敗局。1路違いの▲8六銀なら“詰めろ逃れの詰めろ”で、勝負はどう転んだか分からなかった。(時間切迫と深夜の激闘を考えると、勝敗の行方は指運、あるいは執念の強さによるかも)
 久保九段の降級が決まった。

 0時59分、行方八段が投了。
行方 尚史八段(6勝3敗)●-○佐藤 天彦八段(8勝1敗)
 模様の悪い行方八段が終盤逆転したが、佐藤天八段が踏み止まり、再逆転。
 佐藤天八段のぶれない強さの勝利だった。
 “熱き男”…行方八段、最後は燃え尽きた。あっさりした投了も、行方八段らしい。行方八段は6勝3敗で終え、来期順位は2位。
 佐藤天八段が名人挑戦権を獲得。8勝1敗は堂々たる成績だ。
 現在、羽生名人は郷田王将に挑戦中(現在2勝2敗)、佐藤天八段も渡辺棋王に挑戦中(現在1勝1敗)。両者がタイトルを奪取して4月の名人戦で激突すれば、盛り上がるであろう。
 とにかく、王将戦、棋王戦が更に面白くなった。(白状すると、盛り上がらなくてもいいので、羽生名人に勝って欲しい)


【最終順位】
1位 佐藤 天彦八段(8勝1敗・今期順位9位)……挑戦
2位 行方 尚史八段(6勝3敗・今期順位1位)
3位 渡辺 明 竜王(6勝3敗・今期順位2位)
4位 佐藤 康光九段(5勝4敗・今期順位8位)
5位 屋敷 伸之九段(5勝4敗・今期順位10位)
6位 森内 俊之九段(4勝5敗・今期順位7位)
7位 広瀬 章人八段(3勝6敗・今期順位4位)
8位 深浦 康市九段(3勝6敗・今期順位5位)
9位 郷田 真隆王将(3勝6敗・今期順位6位)……降級
10位 久保 利明九段(2勝7敗・今期順位3位)……降級


 余力があれば、最終局についてもう少し言及したいのですが……
コメント
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