英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season14 第14話「スポットライト」【追記あり】

2016-02-04 17:35:12 | ドラマ・映画
半茹で(生煮え)のぬるいラーメンを食べたような視聴感……

「切っ掛け(チャンス)がなければ、ブレイクできない」というのは肯定できるが、
「切っ掛け(チャンス)があれば、ブレイクできる」というのは真理ではない。
もちろん、今回の漫才コンビも“実力がある(面白い)のに売れない漫才コンビ”という設定だが
人間的にはともかく、キャラもネタも面白くなかった


 演出がまずいのか、脚本に問題があるのか……
 とにかく、この漫才コンビの伝(渋谷謙人)の狙いは
「殺人事件の犯人に顔を見られ、命の危険を感じて身を隠し、犯人が口封じに来たところを逆に捕まえてヒーローになり、これがきっかけでブレイクする」

というもの。
 実は、この筋書きには「伝が犯人と通じて、偽の犯人役(被害者の愛人)をおびき寄せ捕まえる」という裏があった

 まず、問題なのは、漫才コンビのコースケが借金に追われているという設定もあり、借金取りにおびえているのか、犯人におびえているのかはっきりしなかった。
 さらに、「犯人を返り討ちにしてヒーロー」という狙いを明確にしなかったので、「ドタバタ劇→事情聴取→人気者」という部分しか見えず、≪逃げ回って、目撃証言をしただけで、どうしてチヤホヤされるの?≫としか感じなかった
 せめて、事情聴取直後、マスコミが殺到して、犯人逮捕の様子や気持ちを尋ねるシーンを入れるべきだった。

 それに、肝心の漫才が体験談をおどけて話すだけでは面白くないし、≪そもそも、それは漫才じゃないだろ!≫と突っ込みたくなった。

 真犯人に取り引きを持ちかけ、「金よりもブレイクしたいだろ」と丸め込まれ、騒動を画策したが、
 この取り引きって、真犯人は痛くもかゆくもないどころか、憎き愛人を冤罪の罪に陥れるというおいしい話。

 脚本の狙いとしては、
「相方の才能にスポットライトが当たるようにするのが自分の役目。ずっと一緒にいても足を引っ張るだけ。自分が身を引く踏ん切りをつけるため、スポットライトを当てさせると同時に、自分が罪を犯し捕まる」という悲しく愚かな決断
 というものだったのだろうが、上述のように、ブレイクまでの筋書きが明確にできず、漫才もキャラも魅力に乏しく、真犯人がおいしい取引という煮込み不足。

 さらに、4年前に夫婦崩壊し、愛人と経営している欄栽培の会社は赤字経営、その上、赤字の会社を押し付けるというのに「お前に譲る」などという厚かましさ。さらに、自分は「花を探しに行く」と訳の分からないことを言う。
 確かに、こんな奴が背中を向けていたら、後ろからドツキたくなるだろう
 こんな“ろくでもない男”ともう一度やり直したいと思うのも不可解だし、≪自分は夢を捨てたのに、夫(被害者)は夢を捨てずに追い続けている≫ことが許せなかったから殺意に及んだというのも、バカバカしい。これが、欄栽培の会社が繁盛していたのならまだ理解できるが、こんな“甲斐性なし”で“ろくでなし”の言葉に殺人を犯してしまうとは、殺人動機にも煮が足りなさ過ぎ!

一発で“要注意脚本家”の仲間入り

【追記】
“たった一人のファン”の存在意義は、隠れ家を提供しただけというのも、酷い。
 あとは立ち位置云々を強調して、コアな漫才ネタのような雰囲気を出したくらい。
 せめて、何故ファンなのかぐらい語って欲しかった。



【ストーリー】番組サイトより
若手芸人がブレイクのために一世一代の大博打
コンビ愛が殺人事件に驚きの展開をもたらす!

 都内の駐車場で、蘭の栽培を手掛ける会社の経営者・式田芳彦(木川淳一)が、遺体で発見された。夫の芳彦とは別の会社を経営している妻のリオ(小林麻子)によると、芳彦とはもう何年も別居状態で、芳彦は4年ほど前から内縁の妻の志桜里(荻野友里)と暮らしているという。
 米沢(六角精児)から連絡を受けて捜査を始めた右京(水谷豊)は、殺害現場付近の痕跡から漫才コンビがそこを練習場所にしていたことを見抜き、亘(反町隆史)と共にライブ会場に聞き込みに向かう。すると、その小さな劇場を活動拠点にしている「でんすけ」というコンビの一人・コースケ(駒木根隆介)が、姿を消していることが判明。相方の伝(渋谷謙人)に聞くと、昨晩はネタ合わせがうまくいかず、ケンカ別れしたまま行方が分からないという。
 そんな中、発見された凶器からコースケの指紋が検出され、捜査一課は経営に関して芳彦と揉めていた志桜里が、運送業者の担当アルバイトだったコースケと共謀して事件を起こした疑いを視野に入れて捜査を進める。

売れない若手芸人、別居中のワケあり夫婦と夫の愛人。
入り組んだ人間関係に翻弄される捜査陣。
右京と亘は、愛憎渦巻く事件の謎を解き明かせるか!?

ゲスト:渋谷謙人 駒木根隆介 小林麻子

脚本:宮村優子
監督:内片輝
コメント (2)
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