英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ビブリア古書堂の事件手帖』 第6話「晩年」

2013-02-18 23:00:52 | ドラマ・映画
 作者の自筆メッセージが入った本というのは、ファンにとっては何物にも代え難い価値を持っているものです。
 それを手に入れるためなら、誰かを傷つけても構わない…そう考える人間がいたとしても、不思議ではありません。
 でも、もし自分の綴った言葉が、そこに込めた思いとは裏腹に、後の世で争いを招く要因になっていると作者が知ったら……果たして、どう思うでしょうか?


五浦って、無神経なんじゃない?
・簡単に藤波を疑い、簡単に問い詰める五浦。詫びないし
・笠井の言動に疑問を持ち、簡単に犯人と決め付ける五浦(もう少し、躊躇すると思うけど)
・放火した老けた高校生・西野を捕まえたが、簡単に警察に突き出すし。
・「たかが本のために人を傷つけるなんて、まともな人間がすることじゃないし」
 栞子に「たかが本」て言っちゃったよ。
 「あの本を手放すくらいなら、殺された方がましです……そう思ってしまう私も、きっとまともじゃないんでしょうね」という栞子に対しても、無言。何か、言ってやれよ。普通、『晩年』に栞子の深い思い入れがあるとか、訊くんじゃないの?

 五浦は人間が単純なだけだと思うけど……
 そんな五浦だが、今回は推理は冴えていた。
 「笠井が読んだことがないという『せどり男爵数奇譚』を短編集の山に置いた」
 「栞子が突き落されたことを笠井は知っていた」

【どうでもよい突っ込み】
①「これは単なる脅しだと思います。自分が本気だということを伝えるための警告でしょう。
 あの男の狙いは『晩年』です。私を殺しても、本は手に入りません」

 論理的だけど、脅しにしては過激すぎでしょう。
 『土曜ワイド』の冒頭シーンなら確実に死亡でしょう。
 少し前の『相棒』でも、中学生が階段から転がっただけで、意識不明でしたし。

②300万円以上の価値がある太宰治の署名入りの『晩年』の初版本を、栞子も五浦も無造作に扱い過ぎ

③足首を骨折しただけなら、自宅療養で五浦に仕事の指示をした方が合理的。入院費も高いだろうし。

④志田も信用してやれよ

⑤「階段から突き落とした」と言うよりは「階段から蹴落とした」と言うべき

⑥五浦はいつ栞子に「逃げろ」というメールを打ったんだ?

【ストーリー】番組サイトより
 何者かに石段の上から突き落とされた篠川栞子(剛力彩芽)は、救急車で病院に運ばれた。しかし、幸いなことに足首の骨折だけで済み五浦大輔(AKIRA)は安堵する。一方で、倒れていた栞子を見つけ救急車を呼んだのが藤波明生(鈴木浩介)だと聞くと大輔は顔を曇らせた。
 やがて、志田肇(高橋克実)、篠川文也(ジェシー)、藤波が病室を出ると、栞子は大輔に病院に持ち込んだ金庫から一冊の本を取り出すように頼む。パラフィン紙に包まれたそれは、太宰治の『晩年』だった。栞子は、この本を狙う男に突き落とされたのだ、と明かした。
 栞子が祖父の代から引き継いだ『晩年』は、500部ほどしかない初版本のなかでも太宰自身の署名まで入るなどした大変稀少なもので、世に出せば300万円以上の値が付くという。栞子は『晩年』を母屋で保管していたが、その存在を知った人物から「譲ってほしい」と何度もメールが来るようになり警戒していたところ、今回の事件が起こったと言う。
 栞子の入院中、大輔はひとりで「ビブリア古書堂」を切り盛りするが、古書の知識がないため苦労する。そんな大輔の様子を見に、小菅奈緒(水野絵梨奈)や藤波がやってくる。そんな折、店の外に出た藤波が大きな声を上げた。大輔と奈緒が駆けつけると、ワゴンのなかの本にガソリンがかけられていた。
 危機感を覚えた大輔は、『晩年』を売ってしまってはどうかと勧めるが、栞子は本を手放すくらいなら殺されたほうがましだ、と譲らず…。
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オリンピックが競技を歪める その1 「オリンピック偏重」

2013-02-18 20:58:09 | スポーツ
 レスリングが五輪の中核競技から外れた(「今更、遅いよ」という声が聞こえてきそうです)。

 私は子どもの頃から五輪が好きで、4年に一度のスポーツの祭典に心を躍らせ、その2週間は「心、此処に在らず」の状態であった。
 私が五輪に夢中になるのは、日本選手の活躍も嬉しいが、最も大きな理由は、世界のトップの競技者が最高の舞台で最高のプレーを競うからである。しかし、最近は金メダルを取ることが最大の目標で、「競う」のではなく「勝つ」ことが遥かに重要視されているのが残念である(もちろん、昔から「勝つ」ことが最重要であった)。
 私が五輪に対してどういうスタンスをとっているかというと、ロンドン五輪の場合だと、私の興味の半分は体操の内村選手が個人総合で金メダルを取るかどうかにあった。≪なんだ、やっぱり金メダルか?≫と思うなかれ。私が内村選手に肩入れしたのは、最高の演技を追究する彼の体操に対する精神とその演技に惚れているからである。
 この他に好きな選手を挙げるとしたら、少し古くなるが、コンディション不良でマラソン代表選考会を回避した瀬古選手に対して、「這ってでも出て来い」と言った中山竹通は大好きである。
 逆に、五輪3連覇を果たした吉田沙保里選手は、連勝記録が途絶えた試合後に泣きじゃくった(2回)ので評価は低い。もちろん、彼女の普段の明るさや前向きさは好きである。
 体操の鉄棒で、技の難易度を落とし金メダルを獲得した森末選手も評価は低い(難易度よりミスしない方が評価が高いという当時の採点技術が低かったという背景もある)。
 また、トッププレーヤーにとってエキシビション的意味が強いテニスや男子バスケットボールには興味が湧かない。男子サッカーもワールドカップの方が遥かに価値が高い。
 卓球も国の代表枠があり、中国選手が2人しか出ないので、世界選手権よりレベルが低い。

 話が逸れ掛かってしまったが、何が言いたいかと言うと、極端な五輪偏重、メダル絶対視から離れてほしいということである。
 過去の記事『五輪雑感 ~パレードについて~』でも述べた(本文よりコメント欄で)が、あまりにも五輪を絶対視すると、競技者や競技そのものも歪んでしまう。
 もちろん、五輪競技から外れたり、五輪でパッとしないと、その競技の運営がままならないという現状もあり、非常に難しい。ただ、その責任の一端というか、かなりの部分はマスコミの姿勢にある。そして、それに踊らされる世間一般の視聴者もその一因である。
 また、話が少々逸脱するが、フィギュアスケートも中継内容は歪(いびつ)である。外国の有力選手や日本選手の紹介スポットはあるが、浅田真央選手の紹介スポット(過去の演技、練習風景、インタビュー)が圧倒的に多い。中継自体がが競技中継というより、浅田選手の応援番組の様だ。ウオーミングアップ時もカメラが追いかけ、競技後のインタビューも、同じような内容をしつこく繰り返し質問する(特にフジテレビが酷い)。
 浅田選手が競技に集中できないし、そこに時間を割くなら、他の選手の演技や他の種目を中継すべきだ。視聴率という足枷もあろうけれど、フィギュアスケートファンを舐めているんじゃないかという中継である。
 スポーツ中継も偏りがありすぎだが、これは視聴率の関係で仕方がないかもしれない。しかし、スポーツニュースは、ニュース(報道)と名乗るからには、もう少し公平にしてほしい。野球、サッカー、ゴルフ、相撲(NHK)に偏り過ぎ。特に、プロ野球のキャンプ情報やオープン戦に時間を割くのは止めてほしい。
 ついでに言うと、NHKのメジャーリーグ中継も酷い。日本人選手のプレー以外はどうでもよく、メジャーリーガーの凄さ、ゲームの面白さを伝えようとする気持ちは全く感じない。フジテレビの高校バレーに、ジャニーズを起用するのもやめてほしい。
  
 次回は「IOC理事会の歪んだ構成」。
 また、細切れ記事になってしまいますが、ご了承ください。
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