英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒 eleven』 第14話「バレンタイン計画」

2013-02-06 23:52:32 | ドラマ・映画
いろいろな謎が収束していく
・祐介が実行した復讐の意味。誰(何)に対してか?ジャズの名盤を割った意味は?
・3ヶ月前にミス慶明の高村奈津とつき合っている噂がたった真相は?
・被害者の中古レコード店の店長との関わりは?
・店長の左腕に残る傷のいきさつは?
・ペットボトルのキャップと事件のかかわりはあるのか?
・祐介が売り払ったはずのジャズの名盤が、どうして祐介の手に戻っていたのか?
・被害者の血が付いた3か月前に祐介が捨てたカッターナイフの真相は?

  ……中学校の犯行予告を捜査していくと、殺人事件につながり、いろいろな謎が浮上してくる。それが、集約していき事件解決という『相棒』の一つのパターン。


 これはこれで面白いが、あちらこちらと聴き込むイベントが多く、視聴者(私)はそれについていくだけの傍観者であった。視聴者は傍観者なので、それはそれで仕方がないが、イベントを多くこなさなければならないせいか、右京と享が同じ方向を向いていて、衝突したり享が置き去りにされる場面がなく、淡々と進んでいきアクセントがなかった。
 今回に限らず、享は相棒と言うより、よく出来た助手という趣である。ドラマ『相棒』としては物足りない。

 それから、長男を事件で失った悲しい思いを抱えており、次男の心を奪われたと思った母親の心理が異常と言うのは分かるが、いきなり後ろから消火器で殴るものだろうか?


【ストーリー】番組サイトより
 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、中園参事官(小野了)の指示で私立中学の警備をすることに。同校の裏サイトに「2月14日8時30分、計画を遂行する…」という書き込みがあったからだ。右京らが中学校へ行くと予告の時間にジャズの「マイ・ファニー・バレンタイン」がスピーカーから流れ、屋上から「ハッピーバレンタイン」という垂れ幕が投げられ、さらに「教科書なんか捨てて恋をしろ!復讐成功」と書かれたチラシが大量にばらまかれる。

 その屋上からは一人の生徒が逃走。が、階段から転げ落ち意識を失ってしまう。生徒は同校の3年生、藍沢祐介(北村匠海)だったが、意識不明の重体となり救急車で運ばれてしまった。

 祐介がいた屋上には高価なジャズの名盤がバラバラに砕かれ散乱していた。なぜ中学生の祐介がそんなレコードを所持していたのか? なぜそれらを砕くことなどで復讐に成功したというのか?

 その後、中古レコード屋の店長が他殺体で見つかるのだが…。中学生のイタズラと中古レコード店店主殺害はいったいどういう関係があるのか?

脚本:酒井雅秋
監督:東伸児  
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将棋界(順位戦)の歪み その6「棋界全体の実力分布(年度成績~分析~)」

2013-02-06 17:56:53 | 将棋
『将棋界(順位戦)の歪み その5「棋界全体の実力分布(年度成績~概況~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その4「棋界全体の実力分布(通算成績~下位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その3「棋界全体の実力分布(通算成績~上位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その2「昇級争いにおける対戦相手の分析とC級2組の実力分布の偏り」』
『将棋界(順位戦)の歪み その1「菅井悲劇をもたらした棋界の現状」』の続きです。

 前回は、単年度成績の「勝率」「勝数」「負数」などの傾向と、それぞれの要素について実力を測る尺度としての有効度を考えてみた。そして、「勝数」が最も実力を反映していると述べている。
 しかし、「勝数」にも弱点がある。その因となるのが「フリークラス制度」である。今回はそのことを含めて、単年度成績の各要素について分析したい。

①勝数
 順番からすると、「勝率」からなのだが、話の展開の都合で「勝数」から考えたい。
 強敵とばかり対局する上位棋士は数値が低くなる勝率と違い、数値に負数が影響しない勝数の方が、的確に実力が反映される。
 勝ち進めば進むほど勝数が増えるのは当然だが、挑戦者決定リーグに進出したり、タイトル戦の番勝負に登場すれば更に数値は伸びる。上位棋士は予選を免除されている場合が多いのでリーグ入りには近いが、その反面、トーナメント初戦から強敵と当たるので初戦敗退という危険性も高い。
 予選から参加の若手有望棋士の方が勝数の伸びしろはあるが、実力がないと2次予選や本戦トーナメントを勝ち抜く道が長いという面もある。
 総合すると、「強ければ数字が伸びる」という法則が大まかではあるが成り立つ。

 具体的に、昨年度の勝数を検証してみよう。 
勝数ランキング        2011年度活躍度ベスト10
1 羽生 善治 44         1位 羽生王位・棋聖  121点
1 豊島 将之 44         2位 渡辺竜王・王座  107点
3 中村 太地 40         3位 郷田棋王      54点
4 渡辺 明   39         4位 豊島六段      52点
5 菅井 竜也 36         5位 深浦九段      48点
6 糸谷 哲郎 35         6位 佐藤王将      47点
7 広瀬 章人 32         7位 広瀬七段      46点
7 船江 恒平 32         8位 橋本八段      45点
7 大石 直嗣 32         9位 中村(太)五段   44点
10 永瀬 拓矢 31        10位 丸山九段      43点
11 牧野 光則 30        10位 菅井五段      43点
12 郷田 真隆 29        12位 糸谷六段      41点
12 橋本 崇載 29        12位 佐藤(天)六段   41点
14 稲葉 陽  28         14位 船江五段      36点
14 阿部 健治郎28       14位 永瀬四段      36点
16 深浦 康市 27        16位 久保九段      33点
16 戸辺 誠  27         16位 稲葉五段      33点
18 佐々木勇気 26        18位 安部(健)四段   32点
19 阿久津主税 25         18位 大石四段      32点
19 佐藤 天彦 25        20位 牧野四段      30点
19 村山 慈明 25
19 遠山 雄亮 25
19 阿部 光瑠 25

 タイトル保持者の郷田棋王が12位、森内名人(10勝・99位)、佐藤王将(22勝・28位)はランク外と順位が低い。また、若手棋士に押し出されるように、今期のA級在籍棋士のうち、三浦八段、谷川九段、屋敷九段、高橋九段はランク外。よって、勝数が単純に実力を反映しているとは言えないが、それでも活躍度を大まかに反映しているとは言えるだろう。
 ちなみに、右側のランキングは、私が独自にタイトルや棋戦優勝を加味し算定したランキングである。ここでも顔を出さない上記のA級棋士プラス名人は不甲斐ないと言える。
 試しに、A級棋士が勝率5割と仮定した時の勝数を考えてみる。王位、王座、棋王、王将、棋聖、朝日杯、NHK杯、銀河はトーナメント形式、竜王戦はランキング戦と昇級者決定戦と2トーナメント分、参加者が制限される日本シリーズ、大和証券杯はどちらかに参加と仮定する(代表決定リーグには進出できないと仮定)と、11トーナメント。勝率5割と仮定したので5~6勝。さらに2回戦をその半分の2~3勝。3回戦以上で2勝上積みしたとして、10勝。これに、順位戦で5勝したとすると、合計15勝。
 三浦八段の23勝21敗、屋敷九段の18勝13敗はクリアしているが、森内名人10勝19敗(順位戦は参加なしだが名人戦で4勝している)、高橋九段12勝18敗、谷川九段10勝17敗は勝数というより、それ以前の不振であった。
 その他の主な上位棋士では山崎七段24勝24位、丸山九段22勝・28位、久保九段21勝・32位、行方八段17勝・60位、木村八段16勝・63位、藤井九段15勝・67位、。
 ちなみに、(昨期中に引退した棋士を除く)ほぼ1年フル参加した棋士が158名でその真ん中の79位に当たるのが、加藤九段を含む74位グループ(8人)で14勝であった。

 下位棋士についても、上記の勝数算出の考え方は当てはまる。ただ、日本シリーズ、大和証券杯の参加はほぼなく、新人王戦もない中堅、ベテラン棋士だと仮定すると14勝が5割の線となる。また底辺棋士の勝率が3割だとすると、1回戦突破が3勝、2回戦突破が1勝、順位戦で3勝、計7勝となる。
 ここで問題になるのは、フリークラス棋士。順位戦不参加なので10局勝つ機会が少なく、少数で線を引くのは公平とは言えない。今回の冒頭で「勝数にも弱点がある」と述べたのは、この点である。


②勝率
 勝率の利点は、対局数に左右されないことである。対局数が多ければ多いほど、実力が正確に反映されると考えられる。
 しかし、ここまで何度も述べてきたように、上位棋士の勝率5割と下位棋士の5割では難易度が全く異なる。昨年度勝率.370の谷川九段や.345の森内名人が、勝率.400の下位棋士より弱いとは誰も考えないであろう。

勝率ランキング
1 中村 太地 0.851 40- 7
2 渡辺 明  0.765 39-12
3 橋本 崇載 0.744 29-10
4 菅井 竜也 0.735 36-13
5 豊島 将之 0.733 44-16
6 船江 恒平 0.727 32-12
7 阿部健治郎 0.700 28-12 
8 羽生 善治 0.698 44-19
9 佐藤 天彦 0.694 25-11
10 大石 直嗣 0.681 32-15
11 飯塚 祐紀 0.677 21-10
12 永瀬 拓矢 0.674 31-15
13 北浜 健介 0.667 20-10
13 伊藤 真吾 0.667 20-10
15 阿久津主税 0.658 25-13
16 広瀬 章人 0.653 32-17
17 稲葉 陽  0.651 28-15
18 佐々木勇気 0.650 26-14
19 横山 泰明 0.649 24-13
20 糸谷 哲郎 0.648 35-19 

 ベスト20は、ほぼ若手に占められている。A級棋士は渡辺竜王(2位)、橋本八段(3位)、羽生三冠(8位)のみ。43歳の飯塚七段の頑張りが特筆される。
 A級棋士や有力棋士では、郷田棋王(.617・29位)屋敷九段(.6581・40位)深浦九段(.574・42位)三浦八段(.523・57位)佐藤王将(.512・64位)丸山九段(.489・73位)加藤九段(.483・74位)久保九段(.447・84位)藤井九段(.429・90位)高橋九段(.400・102位)谷川九段(.370・118位)森内名人(.349・127位)。
 真中順位の79位は佐々木六段で.469。勝率.500は鈴木八段他7人で65位となっている。5割以上が72人、5割未満が86人と、負け越しの方が14人多い。これは、通算勝率では5割以上が121人、5割未満が44人(その4参照)と逆の傾向である。
 私は「10局指したら4勝6敗(負けた1局を勝っていたら5割)がボーダーライン」と考えている。昨年度、4割未満の棋士は50人。このうち、3割を切る棋士は26人もいる。
 しつこいようだが、下位棋士の勝率3割台というのは、その額面より実質は低い。例に挙げる棋士には申し訳ないが、武者野七段の昨年度の成績は2勝9敗(.182)。その2勝が金沢五段(2勝11敗.154)と佐藤義八段(2勝10敗.167)。その金沢五段の2勝は武市六段(2勝9敗.182)と中尾五段(7勝9敗.438)。また、佐藤義八段の2勝は横山五段(24勝13敗.649)と森九段(11勝15敗.423)。
 多少の例外はあるが、下位棋士同士が対局し、そこで勝ち星を上げているケースが多いように感じる。制度的に下位棋士と同じクラスにランクされる若手棋士は下位棋士相手に勝ち星を稼ぎ、勝率も高くなっている。

 ボーダーラインを4割未満と定めるのは厳しいような感覚があるかもしれない。実際、3割台の最上位棋士は中田(宏)八段と長岡五段の11勝17敗.393。勝率だと低い印象があるが、勝敗でみると大負けという印象はしない。ボーダーラインを4割未満は厳しいのかもしれず、考慮の余地はある。
 ちょっと不調になれば3割台になってしまうだろう。だから、1年で区切るのではなく、直近5年間で3回3割台をボーダーラインとしてはどうだろうか(3年連続なら即アウト)。
 ただし、上位棋士と下位棋士では難易度が違うので、C級・フリークラス棋士に限る。

 昨日、C級1組の順位戦が行われ、敗れた内藤九段(1勝8敗)の降級点が確定し、2度目の降級点となり、C級2組への降級が決まった。
 内藤九段の年度別の成績は、2003年度15勝13敗(0.536)、2004年度13勝16敗(0.448)、2005年度14勝16敗(0.467)、2006年度7勝15敗(0.318)、2007年度7勝20敗(0.259)、2008年度12勝 13敗(0.480)、2009年度6勝20敗(0.231)、2010年度4勝19敗(0.174)、2011年度6勝19敗(0.240)、そして今年度も現在2勝17敗(0.105)。衰えた内藤九段を見たくないというのが正直な気持ちである。
コメント (8)
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