言葉遊びだけ?……「アポロン(電機)」「(それがあなた=美枝 の)アキレス腱」「シンデレラの靴」「襷は無事つながったみたいですね」
動機が弱い
被害者の高木は教え子をドーピングの罠に嵌めて支配したり、将来性豊かな女子高生ランナーを暴力団と繋がりがあるよう捏造したりと、確かに、殺意を持たれても仕方がない最低の男だった。
しかし、彼の毒牙に掛かっていた美枝が殺人を犯すというストーリーは短絡的すぎで、右京が言うように、他に方法があったのではないだろうか。
そもそも、ドーピングの罠に嵌められ、冷凍保存した血液をネタに脅されていたが、高木がその血液を所持していること自体が不自然で、脅迫の証拠にもなるはずだ。
仮に、それが実証されなくても、教え子がドーピングしていたという事実が明らかになれば、その原因が高木の仕業であることが明らかになる可能性もあり、原因が解明されなくても、コーチ(監督)としての責任を問われるのは避けられない。
また、捏造された南条遥と暴力団の繋がりを示す写真も、事実関係を調べれば、コーチと暴力団の関係が明らかになるはず。
今回は、冷静に考えれば、コーチの方が滅ぶ可能性の方が高いと気づくはず。「殺す価値さえもない最低な男を、善人が殺して罪人になってしまった」というパターンであったが、その必然性が全くない、別の意味で残念なストーリーであった。
だいいち、こんな卑劣な男が長年実業団の監督でいられるはずがない。
アリバイトリックも弱い
メール自動送信によるアリバイ工作であったが、これだと麗子が殺害現場に残る(居る)必要がない。自動送信で事が足りるのなら、美枝ひとりで偽装工作が可能であるし、咄嗟に玲子が思いつくようなトリックなら、簡単に見破られるだろう。実際は、麗子の怪我(捻挫)に気がついた後だった。
麗子の空白の1時間について
「死亡推定時刻は午後8時から6時の間」(鑑識・米沢の言葉だが変な言い方だ)
捜査一課(特命係も)は麗子のトレーニングメニューとしてランニングしていた7時28分から8時31分にしか注目しなかったが、その前は、実際の犯行時刻には街にいて美枝からの電話を受け、被害者の自宅に到着。アシスタントコーチのメールが届いたのが7時。アシスタントコーチへのメールの自動送信を7時45分に設定し、ジムに行き、ランニングに出掛けたふりをした。
とすると、ランニングできない麗子はどこに身を潜めていたのだろうか?本筋とは関係ないが、気になる。
氷川神社まで走ったかの検証で、享が実地検証。1時間で走れるかという検証だったが、あれでは飛ばし過ぎで1時間も持たない。それを2時間も走り切った享は凄い。このシーン、享の存在意義を発揮したが、話としてはありふれていたが、それが徒労に終わってしまったのは面白かった。
南条遥について
遥にずば抜けた素質も情熱も感じられない。
麗子から遥に託されたシューズ。これを襷に例えるのは良いとして、靴とシューズで一応関連があるとしても、シンデレラとはかけ離れているように思う。
確かにシンデレラも地道に努力(家事)をしていたが、どちらかというと魔女の助け(魔法)で王子に見初められたというイメージが強い。
麗子の最後の言葉について
「私が銀メダルを取れたのは美枝さんのおかげなんです。でも、その功績を…感謝の言葉を公に口に出すことはできなかった。(口に出せばいいじゃん!)
高木さえいなければ、南条選手を育てることができたのに!(いや、自分の勤める大学でも可能だし、銀メダルの実績があるのなら、他の企業でも可能だったはず)」
個人的には、相当残念なストーリーだった。
【ストーリー】番組サイトより
アポロン電機陸上部の監督・高木(国枝量平)が自宅で血まみれの遺体で発見された。事件の前日、享(成宮寛貴)が偶然スポーツクラブで同陸上部の次期監督候補になっていた、マラソンの元銀メダリストである桂馬麗子(中山忍)を見かけていたことから、右京(水谷豊)は享とともに事件に首を突っ込むことに…。
捜査一課の伊丹(川原和久)らに煙たがられながらも、右京らは現場を物色し冷凍庫の取っ手の指紋が消されていることに疑問を抱く。美枝(萩尾みどり)ら陸上部のスタッフによると、アポロン電機を辞めた後に銀メダルを取る活躍をした麗子が出戻ってきて監督に就任することを、アポロン電機社内でも快く思ってない人がいたようだ。なかでも殺害された高木監督は麗子が次期監督になることは絶対にない、と断言していたという。
周囲の声にもかかわらず、監督就任に前向きな麗子。その麗子が監督になることはないと言い切っていた高木の根拠は何だったのか? 元銀メダリストにかけられた殺害容疑。監督就任にまつわる謎が解明されたとき、スポーツ界を揺るがす闇が明らかに…!
ゲスト: 中山忍
脚本:ハセベバクシンオー
監督:近藤俊明
動機が弱い
被害者の高木は教え子をドーピングの罠に嵌めて支配したり、将来性豊かな女子高生ランナーを暴力団と繋がりがあるよう捏造したりと、確かに、殺意を持たれても仕方がない最低の男だった。
しかし、彼の毒牙に掛かっていた美枝が殺人を犯すというストーリーは短絡的すぎで、右京が言うように、他に方法があったのではないだろうか。
そもそも、ドーピングの罠に嵌められ、冷凍保存した血液をネタに脅されていたが、高木がその血液を所持していること自体が不自然で、脅迫の証拠にもなるはずだ。
仮に、それが実証されなくても、教え子がドーピングしていたという事実が明らかになれば、その原因が高木の仕業であることが明らかになる可能性もあり、原因が解明されなくても、コーチ(監督)としての責任を問われるのは避けられない。
また、捏造された南条遥と暴力団の繋がりを示す写真も、事実関係を調べれば、コーチと暴力団の関係が明らかになるはず。
今回は、冷静に考えれば、コーチの方が滅ぶ可能性の方が高いと気づくはず。「殺す価値さえもない最低な男を、善人が殺して罪人になってしまった」というパターンであったが、その必然性が全くない、別の意味で残念なストーリーであった。
だいいち、こんな卑劣な男が長年実業団の監督でいられるはずがない。
アリバイトリックも弱い
メール自動送信によるアリバイ工作であったが、これだと麗子が殺害現場に残る(居る)必要がない。自動送信で事が足りるのなら、美枝ひとりで偽装工作が可能であるし、咄嗟に玲子が思いつくようなトリックなら、簡単に見破られるだろう。実際は、麗子の怪我(捻挫)に気がついた後だった。
麗子の空白の1時間について
「死亡推定時刻は午後8時から6時の間」(鑑識・米沢の言葉だが変な言い方だ)
捜査一課(特命係も)は麗子のトレーニングメニューとしてランニングしていた7時28分から8時31分にしか注目しなかったが、その前は、実際の犯行時刻には街にいて美枝からの電話を受け、被害者の自宅に到着。アシスタントコーチのメールが届いたのが7時。アシスタントコーチへのメールの自動送信を7時45分に設定し、ジムに行き、ランニングに出掛けたふりをした。
とすると、ランニングできない麗子はどこに身を潜めていたのだろうか?本筋とは関係ないが、気になる。
氷川神社まで走ったかの検証で、享が実地検証。1時間で走れるかという検証だったが、あれでは飛ばし過ぎで1時間も持たない。それを2時間も走り切った享は凄い。このシーン、享の存在意義を発揮したが、話としてはありふれていたが、それが徒労に終わってしまったのは面白かった。
南条遥について
遥にずば抜けた素質も情熱も感じられない。
麗子から遥に託されたシューズ。これを襷に例えるのは良いとして、靴とシューズで一応関連があるとしても、シンデレラとはかけ離れているように思う。
確かにシンデレラも地道に努力(家事)をしていたが、どちらかというと魔女の助け(魔法)で王子に見初められたというイメージが強い。
麗子の最後の言葉について
「私が銀メダルを取れたのは美枝さんのおかげなんです。でも、その功績を…感謝の言葉を公に口に出すことはできなかった。(口に出せばいいじゃん!)
高木さえいなければ、南条選手を育てることができたのに!(いや、自分の勤める大学でも可能だし、銀メダルの実績があるのなら、他の企業でも可能だったはず)」
個人的には、相当残念なストーリーだった。
【ストーリー】番組サイトより
アポロン電機陸上部の監督・高木(国枝量平)が自宅で血まみれの遺体で発見された。事件の前日、享(成宮寛貴)が偶然スポーツクラブで同陸上部の次期監督候補になっていた、マラソンの元銀メダリストである桂馬麗子(中山忍)を見かけていたことから、右京(水谷豊)は享とともに事件に首を突っ込むことに…。
捜査一課の伊丹(川原和久)らに煙たがられながらも、右京らは現場を物色し冷凍庫の取っ手の指紋が消されていることに疑問を抱く。美枝(萩尾みどり)ら陸上部のスタッフによると、アポロン電機を辞めた後に銀メダルを取る活躍をした麗子が出戻ってきて監督に就任することを、アポロン電機社内でも快く思ってない人がいたようだ。なかでも殺害された高木監督は麗子が次期監督になることは絶対にない、と断言していたという。
周囲の声にもかかわらず、監督就任に前向きな麗子。その麗子が監督になることはないと言い切っていた高木の根拠は何だったのか? 元銀メダリストにかけられた殺害容疑。監督就任にまつわる謎が解明されたとき、スポーツ界を揺るがす闇が明らかに…!
ゲスト: 中山忍
脚本:ハセベバクシンオー
監督:近藤俊明
>相棒11は脚本がイマイチだな
同感です。しかも、どんどんつまらなくなってきている感じがします。
>高木監督は暴力団やドーピング疑惑の血液所持なんて悪徳男すぎます。
ですよね。しかも小者。
>冷凍庫には血液しか入っていなくて、不自然です。冷凍食品の1つでも、あるのが普通なのに。
飯のタネでしょうから、余計なものを入れて破損したくなかったのでしょう。
それより、最後に唐突に血液が出てきたように思います(私の見落とし?)。もしそうなら、ありえない脚本です。
>麗子の記念ランニングシューズは新品みたいでおかしいです。
流れ的には、思いを託すという意味で記念のシューズだと思いましたが、「これで練習してください」という意味で、新品なのではないでしょうか。
>しかし、彼の毒牙に掛かっていた美枝が殺人を犯すというストーリーは短絡的すぎで、右京が言うように、他に方法があったのではないだろうか。
. 「計画殺人だったっけこれ? かっとなって殺したような気がしたが」
と私は思いました。
かっとなって、恨みつらみが爆発して殺したのなら理解できるし、多分その筈なのですが、そこに金メダリストを育てるというのをからめて無理が生じたと思います。
それこそ、あんな証拠「血液」を保存しておく間抜けはさっさと告発すればいい筈なのですよ。それで簡単に失脚させられないとなると、それこそ日本陸連の会長とかもっと上でないと。
>氷川神社まで走ったかの検証で、享が実地検証。1時間で走れるかという検証だったが、あれでは飛ばし過ぎで1時間も持たない。
「そんなアップ時みたいな格好を撮影したら駄目でぃお。ぴょんぴょん跳ねすぎて全く長距離走ってる感じがしないでそ」
私の突っ込みはこうでした。
ん~、まあ仕方ないけど、世界トップレベルの運動選手の現役シーンを俳優で撮影する場合、特に女性だと肉体の嘘っぽさがありありとしているなあ、といつも思います。
駅伝距離までなら「むちむち」した肉付きのいい選手もいますが、マラソンだと本当にそぎ落とした肉体ですから、やせ型というだけではどうしても。
渡したシューズは新品でしょう。
耐久性の高いシューズでも数カ月に一足は消費するので一般的な家庭だと普通に有り難い。割と裕福そうな、なんというか、いいとこのお嬢様っぽい雰囲気の子でしたけど。
>「計画殺人だったっけこれ? かっとなって殺したような気がしたが」
ええ、目の前にあったトロフィ?をつかみ、正面から殴ったのですから、怒りが爆発しての凶行だったと思います。
しかし、長年の監督の悪行に苦しめられ、今回の麗子の監督の就任の妨害の件で、高木の自宅を訪れるのですから、それなりの覚悟と最悪の事態(殺人)は想定できたはず。
その際、殺人と高木の悪行を告発することを天秤にかけると、どちらが良いか自明だと思います。麗子や美枝には非はないのですし。
さらに、オリオン電機にしても、解任予定の監督が持ってきたあの写真を鵜呑みに信用するとは思えません。
今回の脚本は、そういう設定や心情の掘り下げに欠如していました。
中山忍さんがマラソンの世界のトップレベルという設定には体型に無理があると思われた方は多いようですね。