カンボジア経済

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UNDP カンボジアの貧困率の反転上昇を懸念

2020年10月14日 | 経済
 10月8日、国連開発計画(UNDP)は、「カンボジアにおけるCOVID-19の経済・社会的インパクト評価」と題するレポートを発表しました。この評価では、静的一般均衡モデル(CGE)、社会会計行列(SAM)、国際貿易分析モデル(GTAP)の3つの経済モデルを利用して、新型コロナの影響を予測し、貧困や雇用への影響をシミュレーションしています。
 当初予測では、2020年のGDP成長率は6.5%、失業率0.7%、貧困率9.6%とされていました。今般の改定予測では、GDP成長率マイナス4.1%、失業率4.8%、貧困率17.6%に大幅に悪化すると見ています。ただ、カンボジア政府が実施中の新型コロナ対策のための社会政策、経済刺激策は、対GDP比3.5%の規模に達すると見ており、その効果で、GDP成長率はマイナス3.3%、失業率4.4%、貧困率14.2%に緩和される見込みであるとしています。これは、57万人もの人々が貧困層に逆戻りすることを防ぐ効果があるとしています。
 今回の結果は、国連のカンボジアにおけるCOVID-19緊急社会経済対策フレームワークに報告されます。この国連フレームワークでは、新型コロナ感染拡大防止、脆弱層への社会経済的インパクトの軽減、包括的・持続可能・平等な経済的回復に向けた準備の三つを優先課題として取り組むとしています。
 カンボジアは、国内での感染は抑え込みに成功しているものの、輸出や観光、外国投資といった経済のエンジンに重大な影響を受けていることに加え、貧困世帯が脆弱な状況にあるため、国連が取り組むとしている三つの課題は、大変重要なものです。この困難な時期を乗り切るために、カンボジア政府と国連、国際社会が協力して対応していくことが期待されます。

UNDPの新聞発表
https://www.kh.undp.org/content/cambodia/en/home/presscenter/pressreleases/2020/economic-and-social-impact-assessment-of-covid-19-in-cambodia-re.html


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