カンボジア経済

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台湾の永豊 マイクロファイナンス大手のアムレットを買収へ

2024年05月16日 | 経済
 5月4日、台湾の永豊金融控股(シノパック・ホールディングス)は、グループ企業の永豊銀行がカンボジアの預金認可マイクロファイナンス機関大手のアムレットを買収すると発表しました。永豊金融控股と永豊銀行がそれぞれ5月4日の取締役会で買収を議決しました。買収総額は、アムレットの時価総額の1.8倍にあたる5億4300万ドル(約840億円)としています。
 買収は3段階に分けて行う計画で、最終的にアムレットの全株式を取得するとしています。第1段階で4億3500万ドル(約675億円)を投じて80%を買収し、その1年後と2年後にそれぞれ10%を取得する計画とのことです。アムレットは1991年に設立され、カンボジア全土に150支店を有しています。2023年末時点の資産総額は、約20億米ドルです。現在の出資比率は、ルクセンブルク拠点のマイクロファイナンス会社アドバンスが52.778%、オランダ開発金融公庫(FMO)19.995%、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が19.995%等となっています。
 カンボジアのマイクロファイナンス機関は、これまで収益率も高かったこともあり、外資による買収が進んでいます。2023年は、新型コロナで返済が困難となった借入人への条件緩和措置が終了し、不良債権比率が増加するとともに新規貸し付けも伸び悩んでいました。しかし、今後カンボジアが高度成長に復帰するとの予測が出ている中で、カンボジアの金融業界の未来は明るいと見られ、今後もカンボジアの金融機関の買収を希望する外資が増えていく可能性があるものと見られます。
(写真は、アムレットのプノンペン本店)

アムレットのサイト(英文です)
https://www.amret.com.kh/en


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