カンボジア経済

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カンボジアと中国の合同軍事演習始まる

2024年05月30日 | 経済
 5月16日、カンボジアと中国の合同軍事演習「ゴールデンドラゴン2024」が、カンボジア中部のコンポンチュナン州と南部のシアヌークビル州で開始されました。経済支援や投資により、カンボジアにおける中国のプレゼンスが増す中で、軍事面でも協力強化が進み、中国の影響力がさらに強まるものと懸念されます。
 両国の合同軍事演習は、2016年に始まっています。更に、中国は、戦車等の軍事物資についてもカンボジアへの支援を強化しています。他方、それまで合同軍事演習を実施してきたアメリカとは、2017年から合同軍事演習を実施していません。
 カンボジア側は、「ゴールデンドラゴン2024」は、「テロ対策と人道支援の共同」をテーマとしており、テロの防止と抑制、無人機への対抗、世界の安全保障における両国の軍事能力の強化に関する経験を交換することを目的としているとしています。
 この演習に関連して、中国人民解放軍海軍の軍艦「戚継光(Qi Ji Guang)」「井岡山(Jing Gang Shan)」の2隻が5月19日、シアヌークビル港に来港しています。シアヌークビル近くのリアム海軍基地では、中国の支援で新たな桟橋等が完成しており、数か月前から中国の軍艦の寄港が確認されています。タイ湾に面した同基地は係争海域である南シナ海に近いため、米国政府は、中国軍が戦略拠点として利用する恐れがあるとの懸念を強めています。
 カンボジアの最近の民主主義の後退もあって、欧米との軋轢が強まる中で、中国はカンボジアへの支援を強化することによって、その影響力も強化しようとしています。日本や欧米諸国には、大局観をもって、カンボジア中国側に傾き過ぎないようにするための地道な努力が期待されます。
(写真は、AKPより)


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