カンボジア経済

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2024年第1四半期 カンボジア信用機構報告 不良債権比率が警戒水域に

2024年05月06日 | 経済
 5月1日、カンボジア信用機構(CBC)は、消費者信用指標四半期報告(2024年第1四半期)を発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回の報告では、消費者信用申請については、対前期比で、件数は10%増、金額は2%増となりました。その内訳は、個人向け貸付が件数10%増・金額3%増、住宅ローンは件数13%増・金額4%減、クレジットカード利用は件数8%減・金額21%減となっています。
 消費者信用供与状況では、消費者信用借入人数が、対前期比4.1%増の約183万人となっています。残高は、前期末比1.4%増の152.1億ドル(約2兆3880億円)となりました。
 不良債権比率は、2020年第1四半期1.61%、第2四半期2.64%、第3四半期2.42%、第4四半期1.91%、2021年第1四半期2.24%、第2四半期2.57%、第3四半期2.56%、第4四半期2.03%、2022年第1四半期2.35%、第2四半期2.47%、第3四半期2.60%、第4四半期2.51%、2023年第1四半期3.28%、第2四半期3.96%、第3四半期4.71%、第4四半期5.14%、2024年第1四半期6.03%と推移しています。借入人の30.0%が複数の機関から借り入れを行っています。新型コロナの影響で返済に困っている借入人については、各金融機関が返済期限の延長等に応じてきましたが、この支援措置が2022年6月末で終了したこともあり、不良債権比率が上昇しており、2期連続で5%を超えて警戒水域に入っています。
 新規貸付需要は新型コロナの国内感染の拡大を受けて2021年~2023年は概ね横ばい状態でした。2024年第1四半期は、若干ですが盛り返しています。しかし、不動産向けの落ち込みが、4期連続で続いており、不動産向けの貸付需要の減退が現実化してきたものと見られます。
 なお、こうした基礎情報が、定期的に公開されることは、金融セクターの健全性維持の観点からも重要性が高いものと見られます。

カンボジア信用機構のサイト(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/report-and-publication/consumer-credit-index/


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2024年05月06日 | 一般
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