カンボジア経済

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カンボジア・タイ首脳会談 二重課税防止協定にも調印

2017年09月15日 | 経済
 9月7日、カンボジアを訪問したタイのプラユット首相は、カンボジアのフン・セン首相と会談しました。また、併せて、カンボジア・タイ内閣共同リトリート(合宿)が開催され、同行した閣僚間の面談等も行われました。
 首相会談では、2020年までに、両国間の貿易を150億ドル(約1640億円)レベルにまで引き上げる目標について合意されました。また、現在のポイペト国境近くのストゥンボットに建設予定の新国境の建設を促進するとともに、完成後はシングルウィンドウ化することに合意しました。また、新たに4カ所の国境検問所の開設を促進すること、国境近くの両国の経済特区の連携を強化すること等が確認されました。この他、両国を連結する鉄道整備、国境の橋梁整備(パイリン州)、不法伐採問題、麻薬問題、農業振興策等について討議されました。
 また、同日、両首脳臨席の下で、カンボジア・タイ間の二重課税防止協定が調印されました。カンボジアが二重課税防止協定を締結したのは、シンガポール、中国、ブルネイに続き、タイが4カ国目となります。
 なお、今回の首脳会談で討議される予定だったサトゥンナム水力発電ダム開発事業については、タイ国内で批判が高まったことあり、見送りとなりました。この事業は、タイ国境に近いカンボジア領内にダムを建設して、タイに電力及び用水を供給する計画でした。
 フン・セン首相は、内戦終結に当って協力を得た関係もあり、プラユット首相が率いる現在のタイの軍事政権にとっては政敵であるタクシン元首相やインラック元首相等のラインと懇意な関係にあります(最近のインラック元首相の国外逃亡もカンボジア経由であったと言われます)。また、プレアビヒア遺跡を巡って両国間では、軍事衝突もありました。他方、南部経済回廊で結びつき、国際的サプライチェーンの活用が軌道に乗り始めていることもあり、両国間の経済的連携は深まりつつあります。両国の友好関係が維持されることが非常に重要であり、両国政府の継続的な努力が期待されます。
(写真はプノンペンポスト紙より。共同記者会見でフン・セン首相に抱きつかれて苦笑いのプラユット首相。いろいろある中で、こういう演出をするのがフン・セン首相の政治家的実力の一つだとも思います。)

共同声明(カンボジア外務省のサイト:英文です)
https://www.mfaic.gov.kh/site/detail/13421


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