カンボジア経済

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ローワーセサンダム完成 11月から発電開始へ

2017年09月28日 | 経済
 9月25日、カンボジア北東部ストゥントレン州で建設されていたローワーセサン第二ダム・水力発電所が完成し、フン・セン首相も参加して式典が開催されました。このダム・発電所の総工費は約8億1600万ドル(約920億円)で、中国ハイドロランチャン国際エネルギーが51%、カンボジアの財閥ロイヤル・グループが39%、ベトナム電力グループ(EVN)が10%を出資する合弁事業体が、期間45年(うち運営40年間)のBOT方式(Built Operate Transfer)で請け負っています。2017年11月にまず50MW程度の発電を開始し、2018年には8基の発電機が全機稼働して400MWとなる予定としています。カンボジアでは、最大の発電所となります。発電された電力は、カンボジア電力公社(EDC)に、6.95セント/kwhで売り渡すこととなっています。
 発電所から、ストゥントレン、クラチエを経由してコンポンチャムまでの送電線は建設が進み、間もなく完成する予定となっています。コンポンチャムからプノンペンまでの送電線は、昨年完成済ですので、プノンペンにも送電可能となります。
 なお、ダムにより水没する農地等の面積は3万6000ヘクタールとなりますが、106世帯の住民移転が完了していない模様です。フン・セン首相は、「環境に全く影響を与えない事業はあり得ない。バランスこそが重要だ。」としつつ、残る住民への補償と移転先の整備促進を関係者に指示したとしています。
 カンボジアでは、シアヌークビル近郊の石炭火力発電所と、カンボジア南西部のコッコン州・プルサット州等の水力発電所が次々と完成しており、電力は量的には充足しつつあります。地方部での電力の安定供給、電力の質の向上とともに、電力料金の引き下げが重要な課題となっており、カンボジア政府の積極的な対応が期待されます。
(写真は、Khmer Times紙より)

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