カンボジア経済

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IMF IV条協議結果2016 マクロ経済の好調を評価

2016年11月11日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。今年7月に行った2016年のカンボジアとの協議結果詳細について、11月3日にIMFから発表がありました。
 主なポイントは、(1)カンボジア経済のエンジンである縫製業輸出は好調が続き、不動産・建設セクターも伸びは鈍化するが順調。2016年の成長率は7.0%、2017年は6.9%と予測。それ以降も2021年まで6.3%~6.8%の高度成長が続く。(2)物価上昇は問題なし。2016年は3.1 %、2017年は2.7%と予測、(3)経常収支赤字は、輸出競争力の向上と輸出先の多様化により縮小傾向にある。対GDP比で2017年には9.4%、2021年には8.4%に低下する。(4)外貨準備は2016年63億ドル(輸入の4.5か月分)、2017年74億ドル(輸入の4.8か月分)を見込み安定的。(5)財政赤字も対GDP比2.6%程度で安定的である、等です。なお、添付されている債務持続性分析報告書(DSA)では、カンボジアの対外債務の状況を、2016年の債務返済比率(DSR)が1.4%と非常に低いことなどから、「低リスク」に分類し、当面問題ないものとしています。
 カンボジアの経済のリスクとしては、国内では民間貸付の急速な増加、特に不動産向け融資の拡大、外的要因としては、中国経済のスローダウン、米ドル高の進展、ヨーロッパの構造的成長鈍化等が挙げられています。
 IMFの理事会では、このレポートに基づき、カンボジア経済の良好な実績と高度成長、それに伴う貧困削減と低位中所得国への格上げを高く評価しています。また、金融セクター健全性強化策やインターバンク市場活性化策等も歓迎しています。構造的課題としては、競争力の強化と経済の多様化を挙げ、そのためにビジネスコストの引下げ、電力料金の低減、インフラの拡充、職業訓練の強化等を勧告しています。
 非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。

IMFの発表(英文です)
http://www.imf.org/en/News/Articles/2016/11/03/PR16484-Cambodia-IMF-Executive-Board-Concludes-Article-IV-Consultation


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