京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

真味倶楽部

2009-06-20 | Weblog
今夜の真味倶楽部は、総て江戸時代から明治にかけての京焼の器を用いました。
先付はつくね芋のお豆腐、蒸し鮑、車海老の旨だしかけ、ふり柚子です。お造りは、淡路のあこうの洗いと目板鰈、勝浦の大とろ。椀盛は牡丹鱧、蔓菜、じゅんさい。焼物は瀬戸内の鱸と田中唐辛子。炊合は、にしんと山科茄子とおくら。中皿は、夏鴨と無花果の田楽。冷鉢に芋茎の葛引き。留椀にぐじと湯葉と椎茸。香の物は桂瓜とかくや。ご飯は生姜飯。水物は、マスクメロンと沖縄マンゴーと巨峰。お菓子は肉桂と梅酒のたけんづつ。薄茶点前で終了です。
お料理、器とも大変お喜びいただき、料理人冥利に尽きます。ご参加賜りました方々には、厚く御礼申し上げますとともに、心より感謝致します。合掌。

真味倶楽部

2009-06-19 | Weblog
明日の夕方は、水無月の真味倶楽部です。毎月、料理と器など全て替えるので、これから料理と器を考えて御献立を書きます。通常のお客様とは全く異なるお献立となるので、料理が同時になると、結構追われます。
明日は、淡路のあこうや鰈、そして鱧や鱚や鮑を中心に夏の京野菜とバランスよう組み合わせて、頑張って料理をしていこうと思っております。

夏の食材

2009-06-17 | Weblog
賀茂なす、冬瓜、桂瓜、新生姜…、ごり、あゆ、はも、すずき、あこう…
道楽の献立も、ほとんどが夏の食材です。
器も、白磁、青白磁などの磁器や、たっぷり水を含ませた焼締、ガラスや銀器などを中心に涼しげな感じになりました。漆器には露を打ち清々しさを表します。和食器は、食材に合わせ季節感を考えて、持ち味を生かせるように心がけて用います。

ホタル

2009-06-16 | Weblog
昨日は朝から滋賀県に用事があり、夕方に山東町の北部に寄ってホタルを見て来ました。日が暮れるとともにホタルの灯りがあちらこちらと見え始め、やがて闇夜に多くのホタルが乱舞します。毎年この時期には、この幽玄な趣深い光景に感動し、夏の到来を感じます。
そのあと、時々食べに行く美味しいおばんざい屋さんに寄って鱈腹いただき、京都へ戻りました。

日本の食礼

2009-06-15 | Weblog
日本は古より、豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)、つまり稲穂が田に豊かに生い茂る国といわれてます。
農耕民族で農作物中心の食生活が、日本人の穏やかな性格を作ってきました。
農作物を収穫したら、先ず神仏に捧げます。感謝の心でお供えしてから、自分達がいただくとう形をとってきました。
日本の料理人は、宮中をはじめ、大名や時の権力者に大膳職(だいぜんしょく)として仕え、節句や冠婚葬祭など、様々な料理の形式を作ってきました。
また料理をいただく側も、感謝の気持ちで、礼儀正しく美しく食べる作法を確立してきました。
それらは現代においても守り続けられている、日本人の大切な心であります。

お知らせ

2009-06-14 | Weblog
ぼくが監修しております『古都のつらら(アイスクリーム)』『白麺・梅麺(素麺)』『西京漬け』『京おぞよ』などのおもたせを6/20(土)までにホームページに掲載致しますので、ぜひともお中元などの御贈答用にお申し付け下さいませ。

食(は)む

2009-06-12 | Weblog
先日、うちのスタッフが病に伏し、数日間口から物を食べることが出来ない状態となりました。
その時に、食べ物を自分の歯で咀嚼(そしゃく)して嚥下(えんげ)できることが、人にとってとても大切で幸せなことやと申しておりました。
健康なときにはなかなか気付きませんが、普通に食べられることに日々感謝していただかなあかんなぁ と改めて痛感致しました。

日本食

2009-06-11 | Weblog
お米は5月に田植えをして、真夏の強い日差し(陽気)を浴びて育ち10月頃に収穫します。小麦は10月頃に種を蒔いて、冬の日差し(陰気)を受けて成長し4、5月頃収穫します。
古より日本人の身体には、夏の太陽光をいっぱい浴びた玄米を主食とするのが自然やとする考え方があります。そして一年を通し、旬の食材が健康を維持する秘訣でもあります。夏に京都で出回る多種の青唐辛子には、夏バテを防ぐ栄養素がいっぱい含まれており、冬場の脂ののったお魚には、旬の大根がうまいこと中和してくれます。
日本の四季折々の恵みに深く感謝しながら、食材の旬を楽しむ生活をしていきたいと思います。

「初なす」

2009-06-08 | Weblog
なすびの色は高貴な江戸紫で、その形は紹鴎(じょうおう)茄子や国子(こくし)茄子など所持者の名を冠した名物茶入にも用いられた数寄者好みの上品なものです。
江戸時代、「初なす」は新緑の頃季節を味わう大切な食べ物で、とても高価に売られてました。昔は「もぎ茄子」と呼ばれる品種やまだ小さい「若なす」をもぎ取ったんを山科からかつぎのおっちゃんが料理屋に売りに来たはりました。近頃はハウス栽培が盛んになり季節の有り難みは薄れてしまいました。小粒で身がギュっと詰まり皮が柔らこうてアクが少なく炊いたらええ色に仕上がった「若なす」も今では姿を見かけ無くなってとても残念に思います。

和の料理

2009-06-07 | Weblog
もともと『食』とは生命を維持するためのものですが、和の料理には、季節感が漂い、詩が聴こえ、絵画があります。
屋形の佇(たたず)まい、庭、部屋の雰囲気、掛け物、花、お香なんかを楽しみもって、料理をいただきます。
陶磁器や漆器、それらと料理との調和を目で楽しみ、料理の香り・食感・味覚・献立の流れ全てを味わいます。
料理を拵(こしら)えるときに用いる道具たちには、それぞれの役割つまり使命があり、陶磁器や漆器にもまた使命があります。勿論それらに生命は無いのですが、水に浸けておいた楽や焼締めの器をサッと拭い、料理を盛りつけたときに、新たな命が吹き込まれます。食材そのものも生命は無くなったかも知れませんが、料理され器に盛りつけられる事で、生まれかわり新たな命をうけます。
ぼく自身も、料理家という役割・使命を果たすべく日々精進しております。