京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【最終回・うちでの料理】

2014-09-27 | Weblog
二年間に渡り連載してまいりました〈道楽「味」外伝 飯田知史のうちでの料理〉は、昨日をもって最終回を迎えました。

この連載を始めるにあたり「うちでの料理」と名付けた思いとは、食と健康を考え、更なる食のよろこびを感じていただくために、何が入ってるかようわからへんような食べ物は避けて、とにかく家(うち)で料理を作っていただきたい、そのために打ち出(うちで)の小槌を振れば美味しい料理レシピがいくらでも出てくる という意味合いです。

近年の日本は、食事を作るのにかけられる時間はほとんどなくなってしまい、その反面以前では考えられないほど便利になりました。コンビニ ファストフード オンラインショッピング… いとも簡単に作る手間もいらずに食べ物を得られます。

本来食事とは、海の幸 山の幸 畜産・農作物に感謝して、畏敬の念をもって食材に接し、余すことなく大切に料理して、おおいに楽しみながら、慈しみの心をもって一食一食を大切に、礼儀正しくいただく事。長年「食」に携わる立場から、改めて考えてみなアカンなぁと思てます。

最終回は「鯛のあら炊き」でした。長いこと御笑覧いただきまして、本当にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。

「うちでの料理」では、ぼくがこれまでに出版した料理本のレシピにないものばかりを連載してまいりましたが、さらに新レシピを追加の上書籍化され、11月下旬に京都新聞出版センターより刊行されますんで、どうぞ御期待くださいませ。

「豚肉野菜巻揚」

2014-09-20 | Weblog
昨日のT&Tうちでの料理は「豚肉野菜巻揚」でした。

豚肉はビタミンB群、中でもビタミンB1が大変豊富に含まれてます。
日本人は摂取エネルギーの約半分をごはんをはじめとする糖質からとっているんで、体内で糖質がエネルギーに変わるときにビタミンB1が重要な働きをすることから、日本人には欠かせないビタミンのひとつです。
脳の中枢神経や手足の抹消神経の働きを正常に保つ役割もあり、ビタミンB1が不足すると、疲労や筋肉痛の原因となったり、手足のしびれや反射神経の異常、脚気の症状などが現れ、食欲不振や倦怠感の原因にもなります。
豚肉には実に様々な栄養素が含まれてますので、健康を維持する上で非常に優れた食材といえましょう。

【きのこ葛引のひとこと】

2014-09-13 | Weblog
昨日のT&Tうちでの料理は「きのこ葛引」です。

きのこには、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病、がんの予防をはじめ、老化防止や肥満解消にも効果があって、食物繊維を豊富に含む健康維持に最適な食品です。

きのこ以外の具は、栄養面で長芋と人参にしました。
長芋には新陳代謝を活発にし、疲労回復、滋養強壮の効果があり、腎臓の機能を高めます。
また、人参に多く含まれるβ-カロテンは、必要な分だけビタミンAにかわり、残りは抗酸化作用を発揮するので、肝臓によく、高脂血症や動脈硬化を改善させ、がん予防にも期待できます。ビタミンAは、目によくて夜盲症、乾き眼、眼精疲労などに有効です。

食と健康は直結しているので、常日頃から健康を維持するバランスのええ献立を意識して、一食を大切に美味しく料理して「食」のひとときを楽しみましょう。

【京料理と講話の会】

2014-09-09 | Weblog
本日は京都新聞のイベント『重陽・中秋の名月」の開催日でした。
今回は、たくさんのお申し込みをいただきまして早くに定員数に達してしまい、お受けできませんでした御方には、深く御詫び申し上げます。

床は高浜虚子の画賛を掛け、信楽焼の大きな手付花入に菊の被綿をいっぱいに入れました。

講話内容は
◆重陽の意味合いと行事
◆菊の被綿について
◆紫式部の重陽和歌
◆太陽暦・太陰暦・太陰太陽暦について
◆二十四節気と四季の三区分
◆天文学上の四季とは
◆仲秋と中秋の違い
◆平安の雅やかな観月の宴
◆十五夜の京の慣わし
◆月の満ち欠けの各名称

以上のお話を致しましたが、予定の一時間では終わらずに、少々オーバーしてしまいました。

料理は七・八・九月とも、それぞれのテーマに沿って器と料理をご用意致し、重複することなく構成しております。各々に小生筆の御献立をお渡し、本日は重陽と十五夜にちなんだ器と料理をご用意致し、ご説明致しました。

三回ともご参加賜りました御方には、自作の二つの御茶碗と五色箸置を謹呈致しました。
心より厚くお礼申し上げます。

【豆腐焼売】

2014-09-05 | Weblog
本日のT&Tうちでの料理は「お豆腐焼売」です。
江戸時代、お魚や鳥類の肉なんかは大概‘晴れ’の食で‘褻’の食は主に大豆製品でたんぱく質を摂ってました。
大豆の加工食品といえば、現代と同様でお豆腐や湯葉や納豆なんかがあって、庶民の食生活には欠かせへんもんでした。
中でもお豆腐の料理は、百珍物[海鰻百珍・甘藷百珍・蒟蒻百珍・景山香物百珍…]の先駆けとなった「豆腐百珍」(1782)をはじめ、「豆腐百珍続編」(1783)、「豆腐百珍余録」(1784)、明治になってからも「豆腐集説」(1872)などに、数多の料理書がございます。
お豆腐は、蒸す・焼く・漬ける・揚げる・煮る・発酵など様々な料理法があり、また揚げてから炊くなど料理法を組合せて調理できるヘルシーな食材です。
ご家庭におかれまして、お得意の豆腐料理をよおけ手の内に入れとかはったら、健康的かつ経済的ですし、大いに重宝することでしょう。

《料理教室》

2014-09-01 | Weblog
本日は九月の料理教室開催日でした。

床は句佛の桔梗画賛、花器は杉本貞光、花は山白菊・雌刈萱・秋海棠・山萩・金狗尾・花蓼・なんかを入れました。

講習内容は以下の通り。

〇白花いんげん豆 振柚子(赤地唐草四方向附)

〇きのこの葛引(菊蒔絵椀)

〇鬚剃鯛の幽庵焼 茄子胡麻和(色繪菊花向附)

〇蟹と三つ葉のだし巻(黒楽皿)

〇芋茎と湯葉のふくさ汁(沈金菊花小丸椀)

〇柴漬・べったら漬(時代染付菊扇皿)

〇焼鯖御飯(麦藁手蓋茶碗)

〇栗甘納豆葛焼(三浦竹軒・楓下鹿游図鉢)・薄茶(赤楽小茶碗)

和やかに楽しいひとときをご一緒に過ごし、新しい方もご入会賜り、嬉しく有り難く感謝しております。