京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《二百十日(にひゃくとおか)》

2011-08-31 | Weblog
明日九月一日は「二百十日」で、「八朔(はっさく)」「二百二十日(にひゃくはつか)」とともに、昔から三大厄日とされ、ちょうど中稲(なかて)の開花期で、農家では天候の荒日として注意を喚起してました。

二百十日は、立春から数えて二百十日目にあたる日を言い、台風の襲来を警戒すべき日として、伊勢暦や京暦に記されていたものを、徳川幕府天文方、暦学者の渋川春海(しびかわはるみ)が、貞亨暦(じょうきょうれき)に記載して全国に広めたとされています。

台風が紀伊半島に向かって北上してますので、くれぐれもご注意くださいませ。

《菊》

2011-08-30 | Weblog
八月も残すところ二日となりました。
九月は重陽の節会もあり、「菊月」「菊間月」などの異称もあります。

菊は日本の代表的な花で、その美しい色や形、高貴な香りはまさに日本人の好みです。古くから、京焼きの絵付けにも、様々な菊が描かれてきました。

秋になると、菊の花を衣装にした菊人形達が、全国各地で昔の物語の一場面を作り出します。
平日の遊園地や植物園などで、のんびりと菊人形を眺めるのもええもんですね。

また、残菊がはかなく枯れゆく姿には、「侘び」の美を感じます。

「菊あつく着たり義経菊人形」山口青邨

《魚捌き方教室》

2011-08-29 | Weblog
本日は、魚捌き方教室 夏偏の開催日です。

魚は鱸と鰺を用いました。
先ず、鱸の水洗いから始めて、おろし方・頭のこなし方・皮のひき方 を各々やっていただき、料理は潮汁を詳しいレシピをあげて、勉強していきました。
鰺も同様に、おろし方・皮のひき方から血合い骨を抜いて塩をあてるまで、各々にやっていただきました。料理は、砧巻きのレシピを細かくあげ、レシピに沿って進めていきます。そぎ切りにして酢で締め、芯には、胡瓜・新生姜・人参・青紫蘇を薄焼き玉子で巻き込んで、それをさらに大根で巻き、しばらく巻き簀で締めておきます。輪切りにすると、なんとも美しい切り口となります。

野菜の剥き物の基本は、大根と人参を用いて桂剥きを練習していただき、それを応用した剥き物を数種実演し、勉強していただきました。
同時に、刻み物の基本も講習致しました。

皆様、非常に熱心に受講され、真剣に実習なさっておられ、やりがいがありました。

試食のお膳は、「鰺砧巻き」「鱸潮汁」「白菜昆布漬け」「鱧御飯」「フルーツカクテル氷室」をご用意し、皆様には大変お喜び賜り、嬉しく思います。

次回11月は、秋鯖と鮃を勉強していきます。

《世界柔道》

2011-08-29 | Weblog
世界柔道パリ最終日、団体戦はフランスが男女とも金メダルでフィナーレ。
日本は、女子銀メダル・男子銅メダルで、重量級とともに、ちょっと悔しい結果に終わってしまいました。

深夜の観戦もひとまずおしまいとなり、明日からは寝不足も解消できそうです。

《鰺》

2011-08-28 | Weblog
明日は、〔魚捌き方教室・夏偏〕の開催日です。同時に〔剥き物の基本〕も講習致します。

魚は、鱸と鰺を用いて、[水洗い][おろし方][基本料理]の講習をして、受講者の方々銘々で捌いて、実習していただきます。

近年、鰺は漁獲量も減ってきて、やや高級魚となってきました。
鰺は魚体の側線に沿って、ゼイゴという変形鱗がついてるのが特徴です。この部分を削ぎとってから料理します。

種類は、真あじ・室あじ・丸あじ・めあじ などがあります。
真あじが、一番値が高く美味しいです。内湾でとどまってる瀬つきのやや黄色味を帯びた「きあじ」と、沖合を回遊する一般的な黒っぽい「くろあじ」があります。漁獲量はくろあじが圧倒的に多いんですが、味はきあじの方が勝ってます。
室あじは真あじよりも細めでシュっとした体型で、伊豆諸島の名産「くさや」は、室あじを腹開きにして、はらわたや血合いを漬け込んで数年熟成させた〔くさや汁〕に浸けては日干しにすることを数回繰り返したもので、独特の強い臭気があります。
丸あじは真あじと比べると、青っぽい魚体です。
めあじは、目が大きなやや小ぶりの丸みをおびた魚体で、ゼイゴは尾に近い部分のみにあります。

料理は、「たたき」「昆布締め」「生ずし」「卯の花和え」「東海寺和え」「砧巻き」「塩焼き」「魚田」「南蛮漬け」「酢炊き」「干物」などにします。

《世界陸上》

2011-08-28 | Weblog
昨日から韓国テグで世界陸上が開幕しました。

最初の種目女子マラソンは、ケニア勢のメダル独占。日本選手は頑張りましたが、結果は赤羽有紀子選手の5位がトップで惜しくもメダルに届きませんでした。
なんと、ケニアは女子10000m決勝でも圧巻の走りで、メダルを独占しました。

男子ハンマー投げの室伏広治選手は、一投目で軽々と予選通過、絶好調なんで決勝がスゴく楽しみです。

男子800mのマサイ族の英雄、デービッド・ルディシャ選手は、余裕の予選通過。

男子100m予選の人類最速ウサイン・ボルト選手は流した走りで、決勝で世界記録期待です。

女子400m予選では、200m・400m・100m×4・400m×4で史上初の4冠をねらうアリソン・フェリックス選手が余裕の走りで予選通過です。

世界柔道は、初日・二日目とメダルラッシュで日本柔道の強さが際立ちましたが、先ほど行われた100kg超級の鈴木桂治選手敗退は、誠に残念です。
世界柔道は深夜の放送ですが、世界陸上は時差もほとんどあらへんので助かります。
世界陸上を観ながら、食事をゆっくりといただくひとときは、ほんまに極楽です。

《日本の雨》

2011-08-26 | Weblog
全国で局地的に、記録的な雨量の集中豪雨が続いております。

日本の雨は、季節の流れとともに実に様々な呼び方がございます。

夏の午後、ザァーッとひと雨きた後は、涼しなって爽やかに感じます。「夕立」は万葉集では「暮立」の字を用いており、「白雨(はくう)」「驟雨(しゅうう)」との呼び方もあります。

秋になると、しとしと降る雨となり、同時に肌寒さと侘びしさが訪れます。「秋湿(あきしめ)り」「秋霖(しゅうりん)」「秋雨(あきさめ)」。

秋から冬へと季節の変わり目に降る雨が「山茶花梅雨(さざんかづゆ)」。晴れてる時に、にわかに短く降ったりやんだりする雨を「時雨(しぐれ)」と言いますけど、詩歌では秋から冬に用いられることが多く、俳句では冬に初めて降る時雨のことを「初時雨」と言います。晩秋に山に濃い霧が立ち込め「霧雨(きりさめ)」となって、紅葉した木々に降りそそぐ様子は、いかにも幻想的な光景です。

俳句で冬の通り雨のことを「村雨(むらさめ)」とか「村時雨(むらしぐれ)」と言います。

冬から春へと季節が移る頃の、降ったりやんだりのしとしと雨のことは「菜種梅雨(なたねづゆ)」「催花雨(さいかう)」「春霖(しゅんりん)」などと言うてます。古寺に静かにふるこまやかな「春雨(はるさめ)」は、風情ある趣深いもんです。

春から夏にかけての長雨は「五月雨(さみだれ)」いわゆる「梅雨」ですね。

《器整理・露地掃除》

2011-08-25 | Weblog
昔の道具(花器・食器・掛け物など)を手のあいてる時にちょっとずつ整理しております。染付の器がよおけあって、青磁や色絵なんかもあるし、広げるたら骨董市みたいになって、楽しいもんです。
本日は、大正時代の和樂さんの器が数点出てきました。

露地の木々や草花もちょっと刈り込んで掃除しましたんで、スッキリと綺麗になりました。
つくばいの周りに群がる秋海棠(しゅうかいどう)に、所々つぼみがついてきて、秋の訪れを予感します。

《デザート》

2011-08-24 | Weblog
本日の夕席のデザートは、フルーツカクテルゼリーです。

マスクメロン、幸水梨、マスカット、白桃、蜜柑をキルシュをきかせてパールアガーで寄せて切り出し、上からブルーベリーソースをかけてスペアミントの若葉を添えました。
器は、銀器に時代のトルコ皿を重ねました。
トルコ皿を氷水から引き上げて、フルーツカクテルゼリーを盛り付けると、スカッとええ感じとなりました。

お菓子は、イチヂクの干笑果に柚味噌餡を射込み、長野横笛の絵替り糸菊蒔絵皿に盛りました。この皿は、二十枚組でとても江戸時代の作品とは思えないほど、美しい状態を保っており、即中斎の書付がございます。

お料理、デザートとも大変お喜びいただいて、料理家としてこの上なく嬉しく存じております。

《処暑》

2011-08-23 | Weblog
本日は、二十四節気の処暑です。

古より、台風や暴風雨にみまわれることも多く、二百十日とともに注意が必要でした。
処暑とは、厳しい残暑もようやくおさまって、秋風がそよぐ頃を意味してます。

京都の化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)では、本日・明日と千灯供養(せんとうくよう)が行われます。
日の暮れに、無数に並んだゆらめく蝋燭の炎に、人生の悲哀や無常観が漂います。