京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

料理の監修

2009-03-31 | Weblog
昨日は、料理の監修のため岐阜へ行って参りました。車で片道三時間程かかりましたが、一日中ええお天気で心地よく運転出来ました。
お昼頃に到着して、厨房に入り午後4時過ぎに終わりました。
山の中の澄んだ清々しい空気を吸って、気分も爽やかにリフレッシュ出来ました。

花見弁当

2009-03-30 | Weblog
絶好の行楽日和です。
お花見に持っていく行楽弁当。その内容は、お魚の焼いたん・出し巻き・竹の子、蕗、なんかの炊いたん・菜っ葉のおしたし・豆ご飯に奈良漬などを彩りよう詰め合わせましょう。お魚の焼いたんは、ぐじか鰆、銀鱈の味噌漬けがええですね。上等にするなら、あぶらめやさくら鱒の木の芽焼きでしょう。出し巻きは、ちょっと葛を溶き混ぜ細巻きにしたいですね。蒲鉾なんかも入れましょう。鶏肉の松風焼、あるいは椎茸と炊いたん。竹の子と蕗は鰹節をたっぷり入れて土佐煮に。飯蛸や鯛の子の炊いたんや彩りに海老も欲しいです。ほうれん草や畑菜をおしたしに、菜種や絹さやも入れましょうか。ご飯は、お揚げさんと針生姜を入れた豆ご飯。若しくは、ばら寿司もええですね。
あれこれ考えながら楽しく作って、春の麗らかな日差しのなか、美味しくいただきましょう。

真味は淡味に宿る

2009-03-29 | Weblog
京料理の味わいは、素材の持ち味を引き出した淡味にあります。
こってり濃いめの味で、いっとき舌を悦ばすのは、容易なのですが、薄い味はかなり難しいもんです。濃い味は誰でも感じられますけど、薄い味は人の味覚を形成する幼少期より食べてきたものによっても、また年齢によっても感じ方がまちまちで、各々違ってきます。
淡味の料理をつくるには、何よりも先ず第一に、新鮮で上質な食材を用いることが絶対条件です。
『真味必淡』。真の味わいは、淡味でのみ感じることが出来ます。淡味の美味なる<食>は人の記憶に残るもので、時には五感が震える程の感動を覚えることもございます。

『だいぶっつぁん』

2009-03-27 | Weblog
昔のうち(道楽)に届く郵便物の住所は、ただ〈大仏正面〉とだけ書かれていました。
京都で『だいぶっつぁん』と言うたら豊臣秀吉創建(1589年)の方広寺(ほうこうじ)の大仏約(19m)のことで、今では知らぁらへん人も多いでしょうけど、奈良の大仏約(16m)よりおっきいもんやったんです。
秀吉は、京に日本一の金銅大仏建立を目指して、1588年に物凄い数の人足を動員して、大工事に着工します。途中、小田原攻めなどもあり、やむなく金銅製を諦めて、木像の膠漆に変更し工事を進めますが、開眼(かいげん)供養すんでに地震により壊れてしまいます(1596年)。秀吉は大仏の再建をみることなく1598年8月没します。
秀頼がその意志を継ぎ、金銅大仏の建立に挑みますが、1602年に本堂もろとも焼けてしまいます。
秀頼は1612年、秀吉の蓄え82萬両をかけ復興します。梵鐘も鋳造して、漸く大仏開眼供養の日程が決まったのですが、すんでのところで鐘銘事件(1614年)が起こり、大坂の陣となって秀頼も大坂城に没します。
鐘銘事件とは、鐘銘にあった《国家安康》の文字を、家康を2つに割いた「関東不吉の文辞」であると難癖をつけ、豊臣方を大坂の陣へと追い込んでいったものです。
その後、大仏は1662年地震により破損し、鋳つぶして寛永通宝の原料となります。1666年木像の大仏が再建されます。これも1798年に雷が落ちて焼失。
1843年に木像の半身のものが再建。そして、ぼくもよく覚えていますが、1973年に火事で燃えてしまいます。
今では、重文・国家安康の巨鐘が簡素な鐘楼に静かに吊されており、盛者必衰の儚さを感じます。

料理アドバイザー

2009-03-26 | Weblog
ぼくは、御依頼により、他店の料理プロデュースやお菓子・おぞよ料理・おせち料理の監修などを致しております。
時折、農村の女性起業家グループの方々に向けて、料理講習会に行ったり、加工品のご指導をしたりも致しております。
本日は、京都府綴喜郡井出町に府立大学の農学博士の先生と一緒に出向き、加工品の作り方の助言に行って参りました。
井出町は山城地域の奈良よりの辺りで、桜の名所でございます。皆さん「桜祭り」に向けていろんなお菓子を仕込んでおられるところで、クッキー・はったい飴・かりんとうを試食しながらアドバイス申し上げ、ぼくのレシピを御教授致しました。お菓子を入れる袋等についてもお尋ね頂きました。
実際に作ってお教えしたほうが良かったのかなぁと思いましたが、時間も限られており、事前の打ち合わせも、そこまで出来ておりませんでした。
皆さん向上心があり、あれこれ挑戦しながらよりええもんを作ろうという気持ちが伝わってきて、やりがいを持って真剣に取り組んでおられたのが印象的でした。

「目の眼」5月号

2009-03-26 | Weblog
「目の眼」5月号がでました。特集は[新羅~蘇る古代文化国家の遺宝]です。特に新羅の遺跡から続々と現れたローマングラスには、深く魅力を感じました。
ぼくの連載「きょうのおかし」の今回のテーマは「粽(ちまき)」です。京都における粽の起こりや作り方などを綴っております。
第2特集は、「京料理道楽 永楽に盛る 特別食事会 実食レポート」が10ページにわたり掲載されております。過日催しました梶古美術さんとのイベント時の、御献立や座敷・料理と器がだいたい紹介されております。
是非とも、御高覧の上お楽しみ頂きますれば嬉しく存じます。
◆お近くの書店にない場合は、里文出版03(3352)7322までお申込み下さいませ。

特別展覧会『妙心寺』

2009-03-25 | Weblog
3/24(火)~5/10(日)京都国立博物館で、特別展覧会妙心寺開山無相大師650年が始まりました。
ぼくも、まだ観てませんけど、国宝 宗峰妙超墨蹟「関山」道号(鎌倉時代) 4/19まで公開,国宝 如拙筆 瓢鮎図(室町時代) 4/21から公開,重文 狩野山楽筆 龍虎図屏風(桃山時代) 4/21から公開,重文 長谷川等伯筆 枯木猿こう図(桃山時代) 4/19まで公開,白隠慧鶴(えかく)筆 達磨像(江戸時代) 4/21から公開,狩野山雪筆 老梅図 旧天祥院障壁画(江戸時代)…等々の物凄い名宝がこれまでに無い規模で展示されております。ぼく自身、1日も早よう日本の禅文化、禅宗史に触れてみたくて、拝観できます日を楽しみにしております。
◆道楽は、京都国立博物館の近くに位置しておりまして、催し物によっては、博物館の行き帰りに沢山の方がご来店賜ります。御予約をせずに起こし下さいますお客様は、御入店をお断り申し上げております。と言いますのも、当店では前日までの御予約分のみの材料を当日の朝に仕入れて、仕込みますので、余分な材料もなく、当日の御予約をお受けする事が出来ません。何卒、御理解賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

祝賀会

2009-03-24 | Weblog
今夕は、萬亀楼9代当主 小西重義様の厚生労働大臣賞「国の現代の名工」受賞記念祝賀会がホテルグランヴィア京都で行われました。
小西様は、生間流式庖丁の29代継承者で、古式ゆかしい式庖丁の担い手でございます。
まず式典の始まりに、御息男による生間流式庖丁が執り行われ、素晴らしい伝統の技を目の当たりにして、感動致しました。
錚々(そうそう)たる京都の重鎮の方々がお運びになっておられ、御来賓の御祝辞のあと、小西様から素晴らしい御挨拶がございました。
上七軒のきれいどこによる祝舞「春日三番そう」が披露され、料理も全て美味しくいただきました。
日本の誇るべき伝統継承者の、立派な祝賀会に臨席させていただきましたことを光栄に存じ、心より感謝申し上げます。

お知らせ

2009-03-23 | Weblog
4月から毎週土曜日の午前8:40から《京料理七十二候-道楽の春夏秋冬-》が始まります。昨秋に出版致しました『京料理七十二候』に沿って、気候の移りと京料理についてのお話を桂都丸さんと進めてまいります。10分弱程の短い時間ですけど、是非とも聴いて下さいますよう宜しくお願い申し上げます。

料理教室

2009-03-23 | Weblog
本日は、道楽伝承京料理勉強会の日です。御献立は『鯛づくし』です。明石の鯛を用いた「昆布締め」「潮汁」「焼鯛」「アラ炊き」「粟蒸し鯛」「鯛飯」でした。
まず、鯛のおろし方や頭のこなし方をゆっくりと実習にて丁寧にご説明致しました。
昆布締めを作って盛り付けます。菜種と水前寺海苔をあしらい、山葵を添え、旨酢を注ぎいれます。器は乾山写しの吉野山透し向付を使いました。お椀は、潮汁の仕立て方と花びら独活(うど)の切り方、蕨(わらび)のアク抜きのやり方をご説明致しました。焼物は藻塩のあて方、強火の遠火での焼き方、あしらいの萬願寺唐辛子の土佐煮の作り方を実習しました。アラ炊きは皆さんが大変驚かれた御様子の逸品で、今までのアラ炊きの概念とは全く違ったものと言うことでした。アラ炊きには、蕗を一緒に盛り合わせました。粟蒸しは、粟の仕込み方、銀餡の作り方などをご説明致しました。鯛の身と共に百合根と銀杏を器に入れて、上に粟を着せかけて蒸し上げ、銀餡を掛けます。鯛飯もすこぶる御好評で、釜に洗ったお米を入れ、鯛の骨で濃厚な出汁をとってお酒を合わせ薄口醤油を足して、針生姜と昆布を加え火にかけます。釜が吹きだしたら、昆布を除き、塩をした鯛の切り身をたっぷり入れて蒸らします。炊き上がりに仰山の細く刻んだ九条葱を加えます。
お座敷でのレクチャー→板場での実習→お座敷での会席料理→質疑応答と進行していきます。本日も全ての料理に関して、多くのご質問を頂戴致しました。
本日、藤平陶芸さんとのイベントでの器やオリジナルのお櫃をお買い求め頂きました方々には、心より厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。