京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

「あなぜみ」

2009-07-31 | Weblog
先日、親友の「みずき」と夕方「あなぜみ」(蝉の幼虫)捕りに「ほーこくさん」(豊国神社)へ出かけました。
ぼくは、ちっさい頃には毎晩夢をいっぱいみて、「グルンパァ~パラビューム」と魔法の呪文を唱えると、魔神が如何なる願いをも叶えてくれました。いつの頃からか夢をまったくみなくなってしまい(覚えてない?)、現(うつつ)の日常に追われる生活となりました。
枝と一緒に箱に入れて持って帰った「あなぜみ」は、カーテンにつけてやると登りはじめます。
真夜中、雪隠(せっちん)に目覚め、電気を点けて、フとカーテンに目をやると「あなぜみ」の背中が割れて、透明のエメラルドグリーンに光りしっとりと輝いたからだがゆーくりと出てきてるではありませんか。それは何とも神秘的で幻想的で、この世のものとは思えないほど不思議な光景です。
朝、目が覚めるとエメラルドグリーンに輝くからだは、ふつうの茶色い油蝉になっていて、鳴きながら窓から勢いよく飛び出して行きました。カーテンには、置きみやげの「抜け殻」が付いたままです。抜け殻を手のひらに乗せると、自分も大空へと飛び立って行きます。
「みずき」も家でこの感動的な光景を目の当たりにしたと聞きました。ワクワクした気持ちで観て、再び夢の中へと誘われたことでしょう。
御歳(おんとし)、弱冠二歳の彼は、これからあらゆる現実に向かって成長していきます。大人になっても、キラキラと煌(きら)めく心は持ち続けていて欲しいなぁと切に願っております。

「きょうの味どころ」

2009-07-30 | Weblog
本日も13時には、限定数が出てしまいご迷惑をおかけ致しました。皆様一様に「美味しかった、来て良かったわ」との御言葉をいただき嬉しく思います。
御献立は、【座付】 無花果の田楽・【前菜】 唐墨,鴨ロース,おくら,南瓜,蒟蒻,粟麩,尼子,あらめ,杏子,胡桃,鮭燻製 等・【造り】 鱸の昆布締め,鱧の落とし 等・【椀盛】 牡丹鱧,じゅんさい蔓菜 等・【焼物】 鮎,万願寺唐辛子,甘藷 等・【炊合】 にしんなす・【中皿】 胡瓜と椎茸の和交(あいまぜ)・【ご飯】 穴子蒸し寿司・【水物】 マスクメロン,桃,巨峰 こんな感じです。
今日は料理講習会もございまして、こちらの方もかなりご好評でみなさまお喜びいただきました。テキストの内容は、「おなすの煮浸し」「和交」「水雲もずく雑炊,イクラ山葵」でした。
明日は、高島屋での「おせち料理」の撮影があり、段取りが大変です。

「おなす」

2009-07-30 | Weblog
茄子の美味しい時節です。
山科茄子や賀茂茄子は多種の青唐辛子と共に夏を代表する京野菜です。
「煮浸し」「おしたし」「胡麻和え」「田楽」「焼き茄子」「お漬けもん」「味噌汁」…何にしても美味しいのですけど、ぼくは、活海老の頭でおだしをとって炊くのが大好きです。只今出店中の高島屋の「きょうの味どころ」でも「であいもん」の「にしんなす」をお出ししております。
常に季節におおた(合った)もんをいただくようにするとええですね。

「味どころ」

2009-07-29 | Weblog
本日の高島屋「きょうの味どころ」は、限定数が早くに出てしまい、13時以後にお運び賜りました方々には、ご用意出来ませず、ご迷惑をおかけ致しました。
明日以降も御座いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

本日より

2009-07-29 | Weblog
高島屋地下の『きょうの味どころ』におきまして、お昼の会席料理をお出ししております。
一週間、ぼくがおりますので、お立ち寄りいただけますれば、幸いに存じ上げます。
明日は、料理講習も致します。

和の庭

2009-07-29 | Weblog
昨日は、洛北にある豪商の別邸にお伺いする機会に恵まれました。
モダンなレンガ造りの外壁の中に、日本建築。手入れの行き届いた露地には四季折々の草木。圧巻は一面に広がる杉苔の絨毯。歩くとフワフワで、何とも心地よく、味わったことのないええ感触です。こんなに厚い苔衣を見たのは初めてで、一帯に苔の薫りが漂ってます。洛中からさほど離れてるわけでもないのに、涼しいのは苔むす露地のせいでしょう。
飛石(とびいし)の配置も素晴らしく、つくばいから小間の茶室へと通じてます。広間が隣に位置し、縁側のある懐かしい日本家屋の造りです。
無形文化財保持者による家具が無造作に並びさりげなく主張してます。
廊下は赤松の板が並び、奥には小さめの檜の風呂桶。和風建築の醍醐味を堪能させていただきました。

料理教室

2009-07-27 | Weblog
本日の料理教室のメニューは、「玉子豆腐」「枝豆呉汁 貝柱炙り」「鴨ロース 小松菜」「おなすのおしたし」「生姜飯」「柚子たけんづつ 薄茶」でした。
今回も、比較的ご家庭でも簡単に作れる献立に致しました。
皆さん「全品 大変美味しかった」とのお言葉を頂戴し、良かったなぁと嬉しく思い、同時にホッと安堵しております。
料理教室を初めてもう十数年になりますが、御家庭の『食』のひとときの一助になればと、年々試行錯誤を重ねながら、如何にお伝えすれば実際に御家庭で美味しくやさしく作れるのかと考えてまいりました。また京都の『食』に纏わる慣わしなども合わせてお伝えしております。
以前に、遠方より熱心に通っておられた方々より、折折御連絡を頂戴しており、心より有り難くまた嬉しく存じ、感謝しております。

高島屋「味どころ」

2009-07-26 | Weblog
729(水)~8/4(火)まで京都高島屋の地下の「きょうの味どころ」におきまして11:00~14:00頃までお昼の会席(\10500)をお出ししております。
ぼくが行きますので、ぜひお立ち寄り下さいませ。
なお、7/30(木)は料理講習会を行います。◇抽選にて御参加いただけます。

【すきやき】

2009-07-25 | Weblog
「かしわ」の鋤焼きを炊きました。ぼくが子供の頃は、「すきやき」ゆうたら牛肉ではなく「かしわ」をつこおてました。お豆腐と焼き麩と糸蒟蒻(こんにゃく)と玉葱と椎茸を入れます。季節によって玉葱が九条葱になったり、椎茸がまったけになったりしました。お豆腐は水気をきり、一口に切って炭火で焼きます。糸蒟蒻はようゆがいてから結んどいて、焼き麩はぬるま湯でもどして絞ります。玉葱は適当に切ります。鉄鍋に鶏の脂をしいて、鶏肉を焼きます。先の下拵えした材料をそれぞれまとめて鍋に入れ、水とお酒を注ぎます。お砂糖と醤油でお加減して炊きもっていただきます。ブロイラーに慣れてしもたら、地鶏の肉はかとお(硬く)感じるかもしれませんけど、噛むほどに旨味がでてきます。他の食材にも地鶏の旨味がしゅんでなんとも美味しなります。特に焼き麩はたまりません。明くる日に、煮汁がしゅんだお麩と玉葱を卵でとじて丼にするのが楽しみです。
周山にあった母方の親戚の家では地鶏が家の周りを駆け回ってました。晴れの日には、その地鶏でご馳走を作ったたはりました。

京焼の黄金時代

2009-07-25 | Weblog
京の磁器開発の先駆者と言えば、奥田頴川(1753~1811)です。頴川は日本に帰化した中国人の子孫と伝えられており、五条大黒町の質屋に養子に入ります。そして豊かな財力を背景に本格的な中国写しの呉須赤絵や染付・古赤絵・交趾などの磁器作成に打ち込んで成功させます。特に呉須赤絵は本歌より素晴らしいとも評さる程です。磁器作成の成功は、京の陶工達の間に新風を巻き起こし、後の京焼に多大に影響を及ぼすことになります。頴川門下からは、後期京焼黄金時代の名工、青木木米(あおきもくべい)・欽古堂亀祐(きんこどうきすけ)・仁阿弥道八(にんあみどうはち)らが輩出します。木米の周りからは、岡田久太や真葛長造がでて、仁阿弥道八の弟の尾形周平、五条坂陶家の清風与平、二代・三代清水六兵衛、そして一線を画して茶陶の永楽保全と和全。後期京焼名工達の活躍となります。