京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《晦日・朔日》

2013-05-31 | Weblog
今日は五月尽日ですんで、余ったお魚やお野菜なんかをシャーッと炒めて、おからを炊きました。京都では「きらず煎り」と呼んでます。これは、商家で月の末日に集金にまわってたことから、お客様とのご縁を「き(切)らず」、お金が「入る=いる」という語呂合わせ(地口)からきてます。きらずを煎ると冷蔵庫もきれいにかたずいて、新たな気持ちで来る月を迎えられます。

明日の月初め朔日には「にしんこぶ」を炊いて、この月も「慎ましやかに」との思いでいただきます。

《T&T》

2013-05-31 | Weblog
本日のT&T特集は、「近代建築で過ごす なごみの時間」。
近代建築とは、幕末から戦前までの時代に、新しい西洋様式を取り入れてつくられた建築の総称。

◇長楽館 長楽館カフェ

◇FORTUNE GARDEN KYOTO レストラン

◇京都芸術センター 談話室

◇京都文化博物館 別館ホール

◇アサヒビール 大山崎山荘美術館 オープンカフェ

◇旧加悦駅舎 加悦鉄道資料館

◇赤れんが2号棟 舞鶴市政記念館 ホール

◇旧大津公会堂 ホール

◇豊郷小学校旧校舎群 旧図書館カフェ
が、紹介されてます。

歴史ある建物をめぐると、懐旧の念がこみ上げてきます。セピア色の古き良き時代に思いを馳せて、ノスタルジーに浸ってみたいもんです。

さて「うちでの料理」は、白身魚をすり身にして加えた「厚焼玉子」です。
江戸時代は、玉子は大層高価な食べ物でしたけど、現代はお手頃な価格で、日々のおまわりやお菓子作り等々で欠かせません。栄養価もほぼ完璧なこの食材に料理人として、大感謝です。

《料理教室》

2013-05-27 | Weblog
本日は料理教室でした。

床の掛け物は富本憲吉、花は芍薬(時代京焼鶴首)、敷板は桐です。
料理は、全品大変お喜で称賛賜り、心より嬉しく思います。
本日は受講者数が少なく、お料理を召し上がった後の御質問にも、ゆっくりと丁寧にお答え出来ました。
料理内容は、以下の通りです。

〇アーモンド豆腐(京焼赤繪皿)

〇蛸・南瓜・里芋のトマト煮込み(黒楽丸皿)

〇太刀魚旨酢葛溜(魯山人写蓋物)

〇姫鹿尾菜と焼蒟蒻の白和(京焼金彩六瓢向附)

〇浅漬 胡瓜・大根(織部手塩皿)

〇玉葱・なめこ・三つ葉の赤出汁

〇衣笠丼

〇豆乳プリン 冷玉露

今回のスイーツの「豆乳プリン」は、とてもノスタルジーな甘味で、皆さまにも大人気でした。

今流行りの軟らかいプルプルしたもんと違て、豆乳と玉子の濃厚な味わいの、しっかりとしたプリンで、カラメルには生姜の香りを入れてます。

子供時分、店で用いた豆乳の残りで作ってくれはるこのおやつは「ゆばぷりん」と呼ばれ、ぼくはこれが大好きで、心まちにしてたもんです。
このプリンを食べると、さまざまな懐旧の念がこみ上がってきて、ぼくにとって特別なお菓子なんです。

《アーモンド》

2013-05-25 | Weblog
道楽では、アーモンドペーストを吉野葛で練り上げたアーモンド豆腐を時折作っております。

アーモンドは、地中海沿岸やカリフォルニアが主な産地。バラ科の果樹で、花・葉・実は桃によお似てますけど、果肉は薄くて食用にはならず、種の仁を食べます。

実はアーモンドは、超ヘルシー食材なんです。
アーモンドの資質は、ほとんどが不飽和脂肪酸で、オレイン酸は血栓予防・リノール酸は動脈硬化、高脂血症予防になります。また、ビタミンE・ビタミンB2の含有量に富み、ビタミンEは抗酸化作用があり、ガン予防、老化防止、動脈硬化予防、B2は動脈硬化予防に効果大。カルシウム・鉄分も豊富に含まれ、骨粗鬆症・貧血・冷え性の予防にも効果があります。

美味しくいただいて、同時に病気予防、健康維持につながる、そんな食生活をおくりたいもんです。

《かしわの照焼》

2013-05-24 | Weblog
毎週金曜日に、京都新聞T&Tに連載しております“道楽「味」外伝 飯田知史のうちでの料理”、本日は『かしわの照焼』です。

鶏は、古くは神聖な時告鳥(ときつげどり)とされ、食用にはしてませんでした。江戸時代には『肉』いうたらジビエ、主に野鳥肉でした。そして、乱獲による野鳥の減少を招き、養鶏が広まりました。しかし、当時の人々のお好みはもっぱら『鴨肉』。将軍や大名のお膳には『鶴肉』が供され、『鶏肉』の人気はサッパリなかったようです。

ひと昔前の農家では、大概鶏を飼おたはって、特別の時のごっつぉーには鶏をつぶして、鋤焼きしてはりました。

今回のレシピは、誰もが簡単に作ることができる、超美味なる『かしわの照焼』を御紹介致しました。

《目一鯛(めいちだい)》

2013-05-23 | Weblog
新鮮な目一鯛の入荷があり、焼霜作りと塩焼きにしました。

お客様も、珍しくて実に美味しいと、大変お喜びいただきました。

目一鯛の姿形は実に格好良く、目に縦に一本のラインがあることからその名が付けられたともいわれてます。

昔から九州方面で穫れる、夏場が旬の高貴な味わいで、高価なお魚なんです。

《漆器》

2013-05-20 | Weblog
本日は朝から越前へ出向き、木材の加工場や漆器の工房や塗師の仕事を見学させていただきました。

漆塗りの工房では、様々な茶道具がいくつもの工程をふみ仕上がっていく様子を順々に拝見いたし、蒔絵師さんのところでは丁寧に絵を描くところを見せていただきました。

有名作家さんの工房では、彫って漆を入れ、金粉を蒔いて(沈金)から様々な色や弁柄なんかを加えて、見事な色彩に仕上げていく技法を、目の前でやってくださり、おおいに感動し、ものすごく勉強になりました。

世界に誇る日本の漆器技術は、正に天晴れのひとこと。

本日、朝から夕方まで御案内賜りました方々、各工房でご厄介おかけ致しました方々には、心より厚く御礼申し上げ、深く感謝致します。

《真味倶楽部》

2013-05-18 | Weblog
本日は、早稲月の真味倶楽部。

床には、富本憲吉の「風」。表装も軽やかで、三つの風の書体がだんだんと柔らかく崩した書体となる横物で、爽やかな風がそよぐ感じが部屋に漂います。

花入は、田辺竹雲斎の手付籠に、乙女百合と山法師を入れ、建具も簾戸に籐筵を敷きました。

料理献立は以下の通りでございます。

◇【座付】水雲薯蕷酢 蛸 鮑 鮑肝 車海老 胡瓜[箔押硝子向付]

◇【造り】胡椒鯛 腹子 目板鰈 黒鮪大トロ 山葵[永楽正全 交趾荒磯高盃]取皿[永楽和全 交趾牡丹向付]

◇【煮物】海老真薯 新じゅんさい 青柚[時代繪替源氏物語蒔絵煮物椀]

◇【焼物】ぐじ 一寸豆[河井寛次郎 抜蝋鳳凰福鉢]取皿[錆絵鯰向付]

◇【揚物】天麩羅 鱧 南瓜 三度豆[川瀬竹春 天目鉢]取皿[黒楽平皿]天つゆ 山椒塩

◇【強肴】焼茄子 酢味噌 叩陸蓮根[長入 百合向付]

◇【強肴】A5近江牛ロース 小松菜 胡麻だれ[時代京焼赤絵向付]

◇【香の物】大根 ブロッコリー 水菜 茗荷[古染付唐人四方皿]

◇【小吸物】赤出汁 豆腐 なめこ 三つ葉[時代繪替花蒔絵椀]

◇【御飯】生姜飯[永楽正全 染付捻蓋碗]

◇【水物】クラウンメロン富士 宮崎マンゴー 莓[銀器]

◇【御菓子】笹巻外郎[京焼布目皮鯨皿]

薄茶 京焼織部平茶碗

《うちでの料理》

2013-05-17 | Weblog
京都新聞T&Tに連載中の【うちでの料理】、本日は「海老・アボカド・ブロッコリーの黄身和」です。

この料理は、ほんまにヘルシーで、タンパク質・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれ、不飽和脂肪酸や食物繊維も豊富。成人病予防やアンチエイジングにも効果が期待できます。

読者の皆様方には、是非とも、美味しく楽しみながら食べて、いつまでも健康を維持できるような食生活を送っていただきたく、レシピを考えております。

《葵祭》

2013-05-15 | Weblog
今日は京都三大祭のひとつ葵祭のハイライト、路頭の儀。

お天気にも恵まれ、賀茂街道は初夏の風が爽やかにそよぎ、新緑の木洩れ日の中を、牛車を伴った行列が優雅にゆっくりと進みます。

古くは「祭」といえば、この葵祭のことをさし、最も由緒正しく格式高い祭礼で、源氏物語や枕草子に頻繁に出てきます。

欽明天皇(531年即位)の時代に悪天候による凶作が続き、賀茂神の祟りを鎮めるため、上賀茂神社・下賀茂神社に馬に鈴をつけて皇子を走らせ祭礼を行ったのが始まりとされてます。

京の町に繰り広げられる平安王朝絵巻の行列は、正に源氏物語の世界へ誘う典雅なお祭りです。