京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

大仏餅(だいぶつもち)

2009-05-30 | Weblog
ぼく自身は知らないのですが、子供の頃によう聞いていた「大仏餅」。
秀吉が方広寺(ほうこうじ)をつくり大仏殿を建てたとき(1586年)、奉仕した人を労(ねぎら)い配ったのが「大仏餅」の始まりだといわれています。うちの近くで売られていたらしく、うちにある昔の本に【売店の屋上には堯延法親王(享保三年十一月二十九日屍年四三)の大扁額を掲げ、また門口には池野大雅堂(享保四年九月二十四日没年七三)の描いたノレンをかけて名物となり、その餅は白餅に小豆の漉し餡、上部には菊花の紋を押していたという。】とでていて、相当な人気のお菓子やったと想像できます。

おばあちゃんのお話-1

2009-05-29 | Weblog
宮津のおばあちゃん達に聞いたお話です。
一年で最もくつろげる日は、田植えが終わった『さなぼり』(7月1日頃)です。役者に来てもらって、村芝居を観に行きます。そして、ご馳走を作って皆で酒を酌み交わし、大仕事を終えた労をねぎらいます。子供も大人もこの日が一番の楽しみだそうです。
野山で採って食べてたもんもいっぱいあり、野イチゴは黄色い「さがりイチゴ」が一番美味しく、次に粒の細かい「つちイチゴ」、「くまイチゴ」は不味かったそうです。「へびイチゴ」は食べられないので要注意。
今では高級食材の「イワナシ」は田んぼの土手なっていて、ほうずきのような青い実の「ジョジョムケ(イネホウズキ)」は甘酸っぱく美味で、「山グミ」や「フナビ(桑の実)」や「グンタ(山葡萄)」も好物やったそうです。

【続 京の味】

2009-05-27 | Weblog
道楽のお弁当箱などで、以前よりお世話になっている業者の方が「この本、ご存知ですか?」と一冊の本を持ってきてくれはりました。
『続 京の味-味どころと京銘菓-』という38年ほど前の昭和46年に発行された本で、味どころ(料亭など27店)・料理材料店(10店)・銘菓店(45店)という具合に京の老舗を項目別に紹介してあります。
約40年近く前の料理などを今あらためて拝見すると新鮮にさえ感じるものも仰山ありました。
道楽は『知久也喜』を中心に紹介されており、前菜・造り・吸物・焼物(知久也喜)・炊き合わせ・天麩羅・ご飯で、\2,000円(税サ別)となっています。写真を見ますと、三種盛りの前菜は、諸子の炊いたんと梅干しの甘煮と竹の子の木の芽和え。お造りは白身魚と鮪と烏賊。お吸物は蛤とちぎり麩と青み。メインの知久也喜は活川鱒、殻付き牡蠣、椎茸、車海老、銀杏、半熟卵。炊き合わせは鴨饅頭の餡かけに針人参と菊菜。天麩羅は海老、茄子、青唐、穴子など。ご飯はもずく雑炊。となっています。昔あった器も見受けられ懐かしい思いがしました。
一冊読み終えて、あらためて京の老舗の時が流れても変わらぬ力強さに感服の至りです。

おばあちゃんのお話

2009-05-27 | Weblog
昨日は、宮津市 日ヶ谷に食文化のお話を聞きに行きました。
日ヶ谷は伊根町の手前の山間部で、車で三時間ちょっとかかります。いつもお世話いただいてます大学の先生と雑誌や本の編集をしている方に同行願いました。
地元の公民館まで、おばあちゃん三人にご足労賜り、二時間ほどお話をうかがいました。実に面白い内容でしたので、次回よりご紹介してまいります。

料理教室

2009-05-25 | Weblog
本日の伝承京料理勉強会はインフルエンザの不安からかなりキャンセルなさる方がいらっしゃいました。
お献立は、鱸の黄身酢かけ・茶碗蒸し・岩魚塩焼き・豚角煮・もずく酢・そら豆ご飯 でした。
鱸の黄身酢は車海老と蛇腹胡瓜をあしらいました。茶碗蒸しは鰻の蒲焼きと百合根と銀杏をいれ、蒸し上がりに鼈甲餡をかけわさびを添えます。岩魚塩焼きは生きた岩魚を用いのぼり串を打ち焼きます。あしらいは、新甘藷のレモン煮。豚角煮は最も簡単にヘルシーに美味しく炊き上げるレシピ。小さなおくらと芥子を添えて。もずく酢は沖縄の太いもずくを使いました。そら豆ご飯はたっぷりのそら豆と新生姜を入れお昆布と一緒に炊き上げます。
いずれのお料理も御好評で、皆さん楽しくお召し上がりの御様子でした。
◆受講を御希望の方は、お気軽にお電話にてお申し込み下さいませ。

ご案内申し上げます。

2009-05-25 | Weblog
★京焼名工黄金期の器と京料理-幕末から維新へ-
京焼第二期黄金期に活躍した名工達と京焼の歴史
永楽保全 永楽和全 仁阿弥道八 清風与平 楽弘入 他
◆日時
6/2(火)11:00~14:30[満席]
6/3(水)11:00~14:30
6/4(木)11:00~14:30
6/4(木)17:00~20:30
場所 京料理道楽
参加費 \20,000円(税サ込.飲別)
※6/2(火)は締切となりましたが、6/3(水)4(木)は空いてございますので、御予約をお待ち申し上げております。

旧い写真

2009-05-25 | Weblog
先日、家の押入れから数多くの昔の写真がでてきました。
母親が着物に割烹着を羽織った姿で仕事をしている写真や、幼児期のぼくが店の周りで遊んでいる写真などが、よおけありました。
七五三や端午の節句をはじめ、様々な京の行事とともに大きなった自分を俯瞰(ふかん)でみたような感じです。
以前より、取材等で「あなたにとって京料理とは何ですか?」ということをよく聴かれ、『京料理』というもんのぼくの捉え方をお話してました。
写真を眺めながら、自分にとって京料理とは【血】のようなもんなんかなぁという気がしております。

食と健康

2009-05-24 | Weblog
人にとって、健康に歳を重ねていくことは最も大切な事で、そのためには、自然の食材を栄養のバランスを考えてキチッと料理し、規則正しく楽しみながら腹八分目にいただくことが必要です。もちろん合わせて適度な運動をする事、手先や頭を使う事なども必要でしょう。
以前に茶道誌の月間『淡交』にて医食同源や病気に効果的な料理を紹介する連載をしておりました。
病に臥して長生きする事は、本人にとって辛いばかりか、周りに迷惑をかける事に心を痛めるなど、決して幸せな暮らしとは言えないでしょう。誰しもが厄介をかけることなく、健やかに安らかに幸せに老いていきたいと願っています。
残念ながら、現代において健康であっても安心に老後を過ごせるとは限りません。しかし、まずは健康でいることが第一です。
今後、機会がございましたら、お手軽に作れる健康食のレシピ本ができればなぁと考えております。

『目の眼7月号』

2009-05-23 | Weblog
『目の眼7月号』が発行されました。
好評連載『きょうのおやつ』-京伝統の手づくりお菓子-では【たけんづつ】のお話です。【たけんづつ】とは青竹に寒天液を流して冷やし固めた夏のお菓子で、道楽伝承のレシピもご紹介しておりますので、是非この夏に本誌御参照の上、こしらえてみて下さいませ。この【たけんづつ】は商品化したいとのお話もあり、近く監修することになっております。それから、山城の農家のおばあちゃんから聴いた昔懐かしいおもしろ話も少し織り込んでますので、ご高覧いただけますれば幸いに存じます。
特集の「あこがれの白いやきもの」では、中国陶磁の白のディープな魅力に迫ってますし、第2特集「薩摩切子は手彫りではない」も実に興味深く一気に読ませていただきました。
『目の眼』は他にも古美術好きにはたまらない内容が満載です。
◆お問い合わせ先
株式会社里文出版
TEL03(3352)7322

今朝のラジオ

2009-05-23 | Weblog
毎週土曜日の朝放送の-道楽の春夏秋冬-『京料理七十二候』は里文出版より発売中の『京料理七十二候』に基ずいて季節の移ろいとお料理を紹介致しております。
今朝の内容は「肉じゃが」で、上方と関東の違いや、作り方のコツなども交えお話させて頂きました。