京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《お知らせ》

2010-06-29 | Weblog
七月朔日より“道楽”ホームページをリニューアル致します。

コンセプトは【伝統】。
只今、デザイン構成をあれこれ考えながら進めております。

どうぞ お楽しみに!

《伝承京料理勉強会》

2010-06-28 | Weblog
本日は、水無月第二回料理教室の開催日でした。

御献立のレクチャーの際に、「にしんこぶ」「きらずいり」「みなづき」などの謂れも合わせてご説明致しました。

板場での実演では、明石より上物の鱸が届きましたので、おろして『あらい』にしました。

全品どれもお喜び賜りましたが、中でも『親子丼』がすこぶる好評で、早速皆さん家で作ってみるとのことでした。

代々各家々で受け継がれてきた食の慣わしを、次世代の人々にお伝えすることができますれば、幸いに存じ上げます。

《夏のお献立》

2010-06-26 | Weblog
毎日、蒸し暑い日が続きます。

さっぱりと、冷たい料理も組み入れ、器も涼しげなもんを用いて、献立を考えましょう。

『鮑とろろ』は、自然薯をすりおろし、鮑のすりおろしたんと合わせ、おだしでのばします。薄口醤油で薄味に仕立て、硝子の器に入れましょう。
湯がいて種を除き、細かく叩いたオクラを、吸い加減のおだしでのばして上にかけ、苔清水をイメージします。
ご家庭でも檜桶などに氷を入れて、その中に硝子の鉢に盛ったとろろ汁を入れ、濡らしておいた柄杓を添えて食卓で取り分けると、いかにも涼しげでステキな演出となります。

とろろ汁には、サッとゆがいて冷やした新蓴菜を加え、すりおろした青柚子を振りかけましょう。

《五十一》

2010-06-25 | Weblog
「二十五歳まで学べ、四十歳まで研究せよ。六十歳までに全うせよ。」(オスラー)

ぼくは、二十五歳までにあんまり学ばへんかったし、四十歳までに研究もせえへんかったので、五十一歳になった今も、日々学んで勉強せなあきません。とてもとても、六十歳までに全うできそうにはありません。

ぼくが好きな言葉に、「しわとともに品位が備わると敬愛される。幸せな老年にはいいしれない黎明がさす。」(ユーゴー)があります。

昨日は、ぼくの誕生日で、夕方お誘いにあずかり、久しぶりに祇園街に出かけました。建ち並ぶお店も数年前とは、ずいぶんと替わっておりました。

京町屋の人気料理店で、およばれ致しました。店内には、祗園街のきれいどころの姿もお見受けし、ご紹介いただきました若手の板長さんも、よおきばったはりました。

ちなみに、アルゼンチンのメッシ選手も昨日がバースデーなんです。

《ごはん撮影》

2010-06-23 | Weblog
本日は、来春刊行予定の「ごはん本」の撮影を行いました。
早朝より、12種の炊き込みごはんを仕込み、一品ずつ炊きたての瞬間を撮っていきます。
今回は、女性の編集者にも加わっていただいておりますので、やさしくやわらかな感じに仕上がると思います。
ぼく自身、とっても楽しみにしております。

《世界の書》

2010-06-23 | Weblog
昨日は、世界的書家の吉川壽一先生御一行様が、御来店下さいました。

先生の書は、NHK大河ドラマ『武蔵』や『バガボンド』の題字でご存知のお方も多いのではないでしょうか。

天安門広場での【吉川壽一・百福萬福書法展】世界一の大揮毫。パリでは、エッフェル塔下・ルーブル美術館前のカルセール門前での大揮毫。福井城址のお堀に浮かんだ百の「福」の字。ドバイの砂漠では、ヘリコプターによる沙塵大揮毫。エルメススカーフの「花」の書……。世界で大活躍の書家であらせられます。

先生の愉快でおおらかなお人柄は、お話しておりますととても楽しくなります。

ご一同様がお越しの大型バスには、全面に先生の素晴らしい書が、行き交う人々を魅了しておりました。

《夏至》

2010-06-22 | Weblog
二十四節気では、昨日より夏至(げし)となり、昼間の時間が最も長い一日となりなした。
七十二候では、「乃東枯る(だいとうかるる)」となります。
「乃東(だいとう)」とは、漢方薬などに用いられる「夏枯草(かこそう)」のことで、冬至の頃に芽吹き、夏至の頃に枯れることから「なつかれくさ」とも言われています。

梅雨の真っ只中で、毎日蒸し暑い日が続きますので、食欲も減退しがちですが、食べ物の栄養面を考えて、体調管理をきちんとし、健康を維持して下さいませ。

《かき氷》

2010-06-21 | Weblog
京福電鉄 嵐山駅にて、【嵯峨のつらら】という‘道楽監修氷菓子’が登場します。

スペシャルの『小倉山宇治金時』は、ほとんどがオリジナルアイテムで「特製 檸檬蜜」に「特製 ふわふわ抹茶クリーム」「特製 ほうじ茶寒天」「小倉餡」「白玉」などを、こだわりの氷と合わせております。

他にも、黒蜜・スイカ・グレープフルーツ・イチゴ・メロン…などもあり、トッピングもいろいろとご用意しております。

七月朔日(ついたち)より、販売開始いたしますので、是非ともお立ち寄り下さいませ!!

《真味倶楽部》

2010-06-20 | Weblog
昨夕は、水無月 真味倶楽部の開催日でした。
蒸し暑い日でしたんで、涼しげな器を主に用いて、御献立をたてました。
鰈のあらいや焼き茄子と鱧の蒸しもん。鮑・鮎・鱸や桂瓜・枝豆・おくら…すべてが夏の素材を用いた料理です。
お菓子は和三盆と吉野葛のお餅で、豆乳のソースをかけて、小倉小豆をのせ、ほうじ茶の寒天をちらします。器は、薄紅色のベネチアガラス。
薄茶は平茶碗です。 明日は、一年で最もお昼が長い【夏至】となります。

《つけもん》

2010-06-19 | Weblog
今の季節、うちの‘香の物’は、おなすや胡瓜や白瓜の『糠漬け』です。
御飯を供する時間を逆算して漬け、糠床からあげてサッと洗い、直ぐに供します。
糠床は毎日ようかき混ぜんとあきません。暑うなってきたら、一日に三回ほど底から混ぜます。真夏のうだるような暑さの時期は、過剰発酵せぇへんように、冷蔵庫に入れとくのがええでしょう。
糠床は、容器の周りをきれいに拭き、表面を平らにして、常に清潔を保ちます。
ぼくは、余計なもんは一切入れんと、無農薬ひきたての米糠と、一度煮立てて冷ました塩水、和芥子、タカノツメだけで作るのがええと思てます。ひと月ほどは、毎日野菜のヘタなどを漬けて、よくよくかき混ぜてると、ええ具合に発酵してきます。底から混ぜやすいように、浅めの容器にするのがええでしょう。月日の経過とともに旨味が増してきます。
夏場の胡瓜の浅漬けは、ほんまに美味しいですけど、『諸菜譜』(1721)に、「京都にはあさうり多きゆえ、胡瓜を不要」と記されているように、京都で‘聖護院胡瓜’が一般に食べられるようになったのは、明治になってからです。
吉田神社の末社の今宮社・八坂神社・岡崎 須賀神社では、紋章が胡瓜の切り口に似ていることから、食べたら「ばちがあたる」とされていました。今でもお年寄りは、胡瓜を食べやらへん方がいたはります。