京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【さんま】

2016-09-23 | Weblog
「秋刀魚」という当て字は実に解りやすく洒落てます。細長く銀色に光り、まさに刀身のよう。

季節回遊魚というて、夏の終わり頃北海道あたりから秋が深まるにつれ南下、冬から春にかけて北上し、5〜6年で体調は30cmを超えるくらいにまで成長します。

買い求めるときは、体に青紫の鱗が光り、腹がしっかりしたもんを選びます。

料理は山椒炊き・時雨煮・揚げもん・幽庵焼き・棒寿司・刺身…いろいろとありますけど、やっぱり塩焼きが一番。むかしはどこのお家でも、炭をおこし七輪に入れ、金網に秋刀魚をのせて、団扇でパタパタ扇ぎながら焼いたもんです。秋刀魚の脂が炭に落ちて炎があがり煙の匂いは秋の風情、食欲をそそります。

大根おろしにちょっとお醤油をかけ、スダチかレモンを絞っていただきます。

料理はとかく、変わったもん、食べたことのないもん、目新しいもん がもてはやされる傾向がありますけど、シンプルで何の変哲もなく素朴な料理が一番ですね。

【おはぎ】

2016-09-22 | Weblog
お彼岸の中日には、おはぎをたんと作ってご先祖さんにお供えします。

秋分の日は、お日さんが真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほとんどおんなじになります。これから冬至まで、日毎夜長になっていって、来年の春分の日に再びおんなじとなります。

今夏はほんまに暑かったんで、冷製料理が例年より多く、切子硝子の器を多用しました。

まったけや栗、柿なんかも店先に並び、グッと秋めいてまさに実りの秋。じきに道具替え・建具替えもせんとあきません。

【長月】

2016-09-20 | Weblog
白露となり、菊の被綿をして重陽を迎え、中秋名月に芒と萩を入れ、お団子を御供えし、昨日は彼岸入り。
瞬く間に時が流れて季節が移ります。

柿が出回りはじめました。ぼくが最も好きな食べ物の一つで、日本のしみじみとした秋の情緒を感じさせてくれます。

新米、新蕎麦、秋刀魚、松茸、栗、梨、葡萄、ほかにも秋の風情を印象づける食材が次から次と出てきて、まさに食欲の秋。
日本の秋の味わいを、大いに楽しみましょう。

【懐石料理マナー勉強会】

2016-09-15 | Weblog
今回の懐石マナー勉強会の御献立は以下の通りでした。

〇向附 明石鯛昆布〆 紅葉人参 胡瓜 寄海苔 山葵 旨酢かけ
*川瀬竹春 染付唐草紋四方向附

汁 袱紗味噌仕立 里芋 粟麩 溶き芥子


*輪島塗四つ椀

〇煮物 萩しんじょ 舞茸 芽葱
*時代芒に鴨蒔絵煮物椀

〇焼物 秋刀魚味噌幽庵焼 万願寺唐辛子
*華光山窯 紅葉絵透手鉢

〇強肴 鶏と種々野菜の信太巻
*京焼色絵菊透鉢

〇預鉢 錦秋和え 烏賊 長芋 菊花 陸蓮根 紫ずきん
*藤平伸 彫絵豊穣鉢

〇箸洗い 南京豆
*時代三日月蓋瓜形小吸物椀

〇八寸
燻し秋味:丹波栗塩蒸し
*秋田杉木地八寸盆

〇湯斗・香の物
大根糀漬 茄子芥子漬 壬生菜
*清風与平 内秋之画南京青磁平鉢

主客共々、ご一緒に楽しいひとときを過ごすことができましたこと、心より感謝致しております。

【料理勉強会】

2016-09-07 | Weblog
床の掛け物は高浜虚子の秋の画賛、花は時代手付籠に芒と山萩。

今回の料理メニュー

〇口取り
マナガツオ西京焼
モロコ山椒煮
干し無花果生ハム巻
鶏八幡巻
勾玉豆腐大徳寺納豆射込み
ズッキーニ
人参葡萄酒羊羹

*人参葡萄酒羊羹の作り方を主に実演。

〇土瓶蒸し
鱧 椎茸 海老蔘薯 新銀杏 三つ葉 酢橘

*鱧は淡路産を骨切りしてサッと湯引き、椎茸は大原野のボールのような丸形のものをサッと焼いて手でさき、新銀杏はサッと湯がいて土瓶に入れて蒸し器に入れ、蒸しあがりに三つ葉を散らす。

〇焼き鮎
天然鮎を焼き上げ骨を抜いて、骨は油で揚げ、添えは鷹峯唐辛子と舞茸。

*頭と尾を落として藻塩をふり、焼き上げ、骨を抜くところを実演。

〇冷製精進炊合せ
里芋 茄子 菊南京 高野豆腐 蒟蒻 人参 絹莢 ふり柚子

*それぞれの素材の下処理、炊き方を全てレクチャー。

〇香の物
西瓜奈良漬 大根糀漬 鰹昆布

〇小吸物 かき玉汁 生姜汁 三つ葉

〇お赤飯
大納言あずきを用いた、本格的なお赤飯。

*一晩大納言の茹で汁に浸けたもち米を蒸して、お酒と藻塩を加え、さらに蒸し上げる全工程を実演。

〇桃羹
道楽オリジナル菓子の桃羊羹。

*桃を炊いて小角に切り、白羊羹に射込んでラップで球形に包み、冷やし固める工程を実演。

皆様方には大変お喜びいただき、幸せに思います。

まだまだ暑い日が続いてますけど季節は白露。食材は秋の味覚がつぎつぎとお目見えです。

次回は、しみじみとした秋を感じるお献立となります。

【動物園】

2016-09-01 | Weblog
今日から九月。雲の姿も秋らしくなってきました。今夜は新月でお月様は観られません。

先月八月の京都は、猛暑日が続いて例年になく異常な暑さで、毎日のように「あつおすなぁ」との声を耳にしました。エルニーニョによる世界的な異常気象も心配です。

昨日の京都は快晴。文字通りこころよいお天気で、無花果をベランダに広げて干して、久しぶりに、(50数年ぶり)に岡崎の動物園に行ってきました。以前に行ったのは、4〜5歳の頃で母親との写真があります。

先ず、嵐電で「嵐山」に向かって用事を済ませてから、地下鉄東西線に乗って「蹴上」下車。ブラブラ歩いて動物園に到着。

園内はスゴくキレイでビックリ。観やすく設計されて、予想外に獣臭も少なく、非常に楽しく動物達を観ることができました。

キリン、シマウマ、カバ、バグ、ゾウ、ゴリラ、ライオン、トラ、ジァガー、ヤブイヌ、レッサーパンダ、ワニ…ワシ、フクロウ実にさまざまな鳥類、京都に生息する動物のエリア……癒されますね。

小さな子達を連れたご家族がよおけお出(い)でで、動物をスケッチしたはる人も結構お見受けしました。

その後、京阪で藤森に移動、青少年科学センターでウトウトユッタリとプラネタリウム。

店に戻ってみたら、無花果がちょうどええ具合に干し上がってました。