京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

京都国立博物館(後)

2009-04-30 | Weblog
海北友雪の『雲龍図襖』は、以前に建仁寺で観た父 海北友松の雲龍図のような鬼気迫る龍ではなく、雲海からいきなり巨大な龍がヌーッと現れたような感じがしました。
狩野山楽の『松図』の堂々たる存在感・力強さは圧巻です。
話題の山楽の『龍虎図屏風』の左隻の雄虎が振り向いて右隻の龍を睨み付ける気迫漲る凄みは、ものすごい迫力を放っておりました。
如拙筆 国宝『瓢鮎図』足利四代将軍義持が画かせた名画。「ころころの瓢箪でヌルヌルの鯰を捕まえよ」絵解きに挑んだ当時の京都五山31人の禅僧たちによる賛。禅の一端に触れた思いがしました。

京都国立博物館(前)

2009-04-30 | Weblog
本日は、開山無相大師650年遠忌【妙心寺】に行きました。躑躅が色とりどりに咲き、ええお天気のポカポカ陽気でした。
作品を一点ずつ説明文を読みながら拝見してますと、気づいたらかなりの時間が経ってました。
白隠の「大達磨」と呼ばれる『達磨像』が発する力強さや迫力にはびっくりしました。五百年に一人の禅匠と称される白隠の禅画は、そこに込められた表現意図や説かれた教えは、僕には難解で理解不能ですけど、親しみやすく味わい深くどことなくユーモラスでディープな作品は、今もって世界的大人気の理由がわかるような気がしました。

Myお好み焼き

2009-04-30 | Weblog
卵をよく溶いて、おだしを加え、小麦粉を入れて、すりおろした山芋を混ぜ合わせ生地を作ります。たっぷりの刻んだキャベツと葱に小さく切ったちくわと紅生姜を混ぜて、先の生地を合わせ塩をします。ほとんどが具(キャベツ)で、生地はつなぎ程度です。
熱したフライパンに紅花油をしいて、弱火で蓋をして焼き始めます。フワフワなんで気をつけて上手にお皿を使って裏返し、再び蓋をしてゆっくりふっくらと焼き上げます。
とんかつソースを塗って、糸花かつおと青海苔をたっぷりかけていただきます。
キャベツがいっぱいで、仰山食べても胃に優しくヘルシーなお好み焼きです。

風炉の準備

2009-04-29 | Weblog
明日の夜には、炉の畳を風炉畳に替えて、道具も全て風炉用にして五月を迎えます。料理の器も涼しげなものを出して、お椀などの漆器には「露打ち」と言うて、茶筅を濡らして水滴をかけてから、お客様にお出しします。
五月の初め、立春から数えて八十八日目が茶摘みの「八十八夜」です。そして間もなく、二十四節季の「立夏」となります。
花菖蒲や杜若(かきつばた)、躑躅(つつじ)、藤の花なんかの時節となり晩春から初夏へと移ろいます。

山是山水是水

2009-04-28 | Weblog
中国南宋初期の臨済僧、大慧宗こうの大慧武庫に「山是山水是水(やまこれやまみずこれみず)」という語があります。彼の名僧、江月宗玩は、「七十年、身のほど知らずで過ごしけり、山は是れ山、水は是れ水」と詠んでおられます。
人は当たり前のように身近にありますと、有り難みや感謝の気持ち、感動や感激する心がなかなか持てないものです。素晴らしい自然、四季の移ろい、きれいな水、海の幸・山の幸・大地の恵み……御先祖や家族、友人…。
常に、地球上に人間に生まれ、日本に生まれ、京都に生まれ日々暮らせていることに感謝の心を忘れへんようにせなアカンなぁと思てます。
人が生きて行くことは、決して楽しいことばかりがある訳ではなく、むしろ沢山の辛いことや苦しみ悲しみがあります。あるがままのことがあるがままに見えてあるがままに感じられるということは、かなり難しいことかも知れませんけど、いつでも心はゆたかに居たいもんです。

料理教室

2009-04-27 | Weblog
本日の道楽伝承京料理勉強会(料理教室)のお話です。
もう直ぐ五月ですので、粽(ちまき)寿司の前菜です。鯛と平目をつかって、最初に見た目にも清々しく笹と木の芽の爽やかな香りを楽しんで頂く狙いです。
続いてあぶらめの葛たたき。旬の魚を用いた椀盛で、蓬麩、四葉(すうよう)胡瓜、菖蒲独活をあしらった生姜の香りの薄葛仕立てです。炊き合わせは、鴨の治部煮・小蕪・丁字麩を山葵で。次に具沢山の卯の花の炊いたん。御飯はほうじ茶飯とかくや(沢庵の和え物)です。最後のお菓子には柏餅、薄茶です。
基本的にご家庭で入手できる素材を、ご家庭にある調理器具を用いて作れることを前提にレシピを考えております。
◆次回の料理教室は、受講者の方とご一緒に仕入れに行きます。

端午の節句

2009-04-26 | Weblog
端午とは、もともと毎月初めの午(うま)の日をいいました。旧歴では、正月が寅(とら)の月なので、五月は午(うま)の月となります。午は「ご」とも発音することから「五」につながり、五月五日を端午の節句としました。いくつかの馬に纏わる神事も執り行われます。
古来日本では、「五月忌み(さつきいみ)」というて、早乙女(さおとめ)が田植え前に、家に籠もり穢れを祓い身を清め、田の神をお迎えするという儀式がありました。これに中国から伝わった習わしが結びつき、端午の節句となりました。したがって元々は女性の儀式やったものが、菖蒲は「尚武」につながり、菖蒲の葉が刀の形をしてるところから、鎌倉時代頃から男の子の節句となりました。
この日は「菖蒲葺き(しょうぶぶき)」というて玄関の小屋根に菖蒲の葉と蓬を束ねて置いて、火災除けや厄払いとします。そして大将人形や馬の置物を祀って、鯉幟を上げます。
この日は、「菖蒲湯」に浸かって身を清め、「菖蒲酒」を酌み交わし、粽(ちまき)や柏餅を作っていただきます。
昔ながらのしきたりを受け継ぎ、今に実践することは、手間暇がかかり大変なことです。しかしそれらには、情緒漂う季節感や風情を感じさせてくれる、心豊かな生活がこめられています。
◆明日の料理教室は「端午の節句に因んで」です。

晩春から初夏へ

2009-04-24 | Weblog
今日、久しぶりにデパートの地下に行きますと、ぼちぼち夏野菜が出回り始めてきました。おくら、冬瓜、胡瓜、茄子、トマト、枇杷、メロン、酢橘、赤紫蘇などの夏野菜と竹の子、独活、たらの芽、豌豆まめ、一寸豆、苺などの春野菜が一緒に並んでいて、移りゆく季節を感じました。
気付いたら花残月もあと僅か、今日もええお天気で、風薫る爽やかな一日でした。
間もなく新じゅんさいが出始め初夏の候となるでしょう。

無双(むそう)

2009-04-23 | Weblog
無双羽織と言うたら表と裏を同じ布(色は異なることが多い)で作った羽織のことです。ただ無双とだけ言うと、紗(しゃ)と紗などの薄物の袷(あわせ)の着物を指します。近頃はあんまり見掛けませんが、下地の絵が透けて見え、如何にも涼しげで粋な着物です。だいたい5~6月頃に着るもんです。
一般的には、10月から5月までが袷(あわせ)、6月と9月が単衣(ひとえ)、7・8月には絽(ろ)や紗(しゃ)を着用します。

惜春

2009-04-23 | Weblog
春から初夏にかけて美味しいお魚と言えば、古より「あぶらめ」が挙げられます。焼霜や洗いにしてお向にしたり、葛叩きのお椀は元より、蒸物・焼物・揚物などいろんな料理ができます。淡白で上品な味わいのお魚です。
新緑の候となり、間もなく江戸で大層人気を博した「初鰹」の季節となります。
目には青葉山ほととぎす初鰹 山口素堂