京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《鶏甘藍巻》

2013-08-30 | Weblog
本日のT&Tうちでの料理は、鶏肉を細かく叩いて野菜と合わせキャベツで巻いた「鶏甘藍巻」です。

日本では、奈良時代に鶏はペットとして飼われましたけど、現在のように一般に肉や卵を食するようになったのは、ずぅーとあとで、明治時代以降のことなんです。

昭和30年代になると、ブロイラーが大量に飼育されるようになって、安価な食肉として、家庭の食卓に一気に広まりました。

鶏肉は、2ヵ月くらいまでの雌雛鶏を「プーサン」雄雛鶏を「コクレ」といい、網焼きやフライに適します。2~3ヶ月の若鶏を「プーレ」といい、ソテーなんかがええでしょう。一般に雌が美味とされてます。太らせた雌肥育鶏「プーラルド」は1.8kg以上で、脂肪が多めです。去勢した雄鶏「シャポン」は、3kg以上になり、肉質は柔らかくて美味、丸ごとローストチキンにしたりします。

ブロイラーは、地鶏と比べると食感もたよりなく濃厚なコクや風味はありませんけど、近年その肉質はかなり向上してきてます。

ただし、鶏肉は他の獣肉に比べたらいたむのが早いので、なんせ新鮮なもんを選ぶことが肝心ですね。
皮表面に透明感・光沢があり、毛穴が突起しているものがええでしょう。

《処暑》

2013-08-23 | Weblog
本日は、二十四節気の処暑です。

処暑とは、暑さが止む頃という意味で、昔から風が涼やかに吹きわたり、厳しい残暑も漸くおさまる時節なんですけど、猛烈な残暑が続いていて、年々秋が感じられる時期が遅くなってきてるように感じます。

穀物が実り始め、収穫期も近づく砌、昔から暴風雨や台風に見舞われることも多く、農家では二百十日などと同じく特異日とされてました。

近頃の雨は、まるで強風や雷をともなうスコールのようで、まさに異常気象となってきたように思われます。

《蛸の蕃茄煮》

2013-08-23 | Weblog
本日のT&Tうちでの料理は「蛸の蕃茄煮」です。

蛸は弥生時代の遺跡に蛸壺が出土されてることから、日本ではかなり古くから食べられていたことがうかがえます。

西欧ではイタリア・ギリシャ・スペインを除く各国では何故か悪魔の魚なんて呼ばれ、食用にはされてません。

栄養面では、蛸はタウリンをたっぷりと含んでいて、血圧やコレステロール値を下げるので、様々な生活習慣病の予防に効果があります。また目の充血や視力の低下予防なんかにもええといわれてます。トマトに含まれる様々な成分と一緒に摂ることで、さらにおいしく超ヘルシー。

調理の際は、塩もみして吸盤の汚れをきれいにとり除き、よく叩いてから、じっくりと茹でて煮込むことで、柔らこう美味しくいただけます。

《料理の力》

2013-08-22 | Weblog
一昨夜は、大阪でごっつぉーを味わい、至福のひとときを過ごしました。

先付は、ガラスのお向に氷を敷き、蓮の葉をのせて、炊いた活鮑と活もんぱ海老の炙り、ミニオクラをあしらい、トマトジュレをかけて蓮の花を添えた、実に清々しい逸品。

煮物椀は波千鳥蒔絵、蟹しんじょうと早松、吸口は柚子。しんじょうのやらかさ弾力もええ塩梅で、お出汁も上品で素晴らしいお加減でした。

お造りは、ベネチアガラスに金を蒔いたお向に氷を敷いて、立派なあこうの洗いと大トロ、剣先烏賊、実に涼やかです。

焼物は、備前焼の鉢に、四万十川の立派な鮎と川海老、揚げた中骨が添えられ、柑橘類を絞ったおねばの蓼酢をつけていただきました。

蒸し物は、色絵六瓢蓋物に島根の天然スッポンの茶碗蒸し。スッポンはクセもなくやらこうて、玉子とスッポンスープの割合も絶妙で蒸し加減も抜群。針葱と生姜の香りで。

冷やし鉢は、料理長自ら削った氷の鉢を、青楓を敷いた銀皿にのせ、細い更科蕎麦をちょこっと盛って、上に生海胆。適度なこしがあって、かけつゆは薄めの酸橘香で超美味。

炊き合わせは金襴手蓋物に、賀茂茄子と小芋と万願寺唐辛子と鰻白焼の葛溜。

御飯は、陶釜で炊き込んだ玉蜀黍とベーコンと三つ葉の御飯。炊きたてを染付の茶碗によそってくれはりました。香の物は染付皿に、胡瓜の浅漬けと柴漬けと野菜嘗味噌。そして生麩の赤出汁。

デザートはボーンチャイナの皿に、プリンと西瓜ゼリーと蕨餅チョコ衣、シャインマスカット、ゼリーなどの盛り合わせ。

最高の素材を上品に仕上げた、心尽くしの見事な料理に感服。心も満たされ、夏バテ気味の身体の疲れも吹っ飛びました。

お誘いいただきました御方々、料理長はじめ板場の皆様、担当のおねえさん方々には、心より感謝致し厚く御礼申し上げます。

《おしょらいさん》

2013-08-19 | Weblog
本日は、お墓参りに行って来ました。大文字の送り火で、おしょらいさん(御先祖様の精霊)を彼の世にお送りして、お仏壇からお墓へ移らはってから、ご挨拶に向かいます。
明治弐拾九年に建て替えられた道楽の墓石は目を見張るほど大きなもんで、別に七基の墓石があります。

迎え鐘を衝いて、おしょらいさんをお迎えする頃になると、不思議と坪庭や露地、時には板場におはぐろ蜻蛉がユラユラと飛んできます。この蜻蛉のことを京都の人は、親しみを込めて「おしょらいさん」とか「おしょらい蜻蛉」と呼んで、御先祖さんが帰って来はったように感じとります。

うちのおかあちゃんも、このおはぐろ蜻蛉を見ると、必ず「おしょらいさん 来はったえ」と言うて、この時期にはお仏壇をより綺麗に整えて、お迎えしたはりました。

《地蔵盆》

2013-08-19 | Weblog
昨日はちょっと早めですけど、正面町の地蔵盆でした。

旧暦7月24日は地蔵菩薩の縁日で、現在では8月22日~24日頃にあたります。この辺りの土日いずれかを選んで、京都の各町内会で、地蔵盆が執り行われます。

朝からお祭壇を拵(こしら)えて地蔵尊を祀(まつ)って、その家の周りに地口行灯(じぐちあんどん)をつけます。地蔵尊の飾り付けをして下にござを敷たりと用意を進めます。お寺さんが読経にきてくれはって、町内の人がお供えを持ち寄りお詣(まい)りしていきます。

現在は、子達がほとんどいーひんようになってしもて、せえへんようになってしまいましたけど、ぼくが子供の時分は地蔵尊の前で、子供が輪になって座り「数珠廻し」をしたり、福引きやいろんなゲームをして遊んだもんです。

地蔵菩薩は、釈迦入滅後、弥勒(みろく)菩薩の出世までの間[いわゆる無仏の間]、苦海・地獄にある衆生(しゅじょう)を済(すく)い出して涅槃(ねはん)に度(わた)らせる、つまり済度(さいど)する菩薩とされています。
また、地蔵菩薩は子供の成長を守り、子供の死後は、賽(さい)の河原で苦難を救う子供の守護として昔から信仰されています。

《巻太刀魚旨酢葛溜》

2013-08-16 | Weblog
本日のT&Tうちでの料理は巻「太刀魚旨酢葛溜」。

スゥーッと長く銀白色に輝く魚体は、まさに太刀のよう。表面の銀白色はグアニン箔で、なんと模造真珠の光彩や銀箔紙の材料にもなってます。この銀粉は鮮度の低下とともに剥がれ落ちてくるんです。太刀魚の旬は夏で、上方では若狭湾や瀬戸内海のもんが特に珍重され、刺身・焼物・椀種・煮付け・揚げ物・蒸し物 など様々な料理に用いられます。身は柔らこうて適度に脂がのり、淡白な中にほんのり甘みがあって、実に上品な味わいです。

この旨酢葛溜は、暑い時にピッタリの料理法。どの料理法にするにしても、太刀魚の鮮度の良さが肝心です。

《くじいと寄せ》

2013-08-09 | Weblog
本日のT&T連載中のうちでの料理は「くじいと寄せ」です。

「くじいと」は、南蛮料理のひとつで、鳥・魚・牛・猪・鹿なんかの肉類に大根・葱などの野菜類、にんにく・高麗胡椒(唐辛子のこと)・粒胡椒の香辛料と酢を加えて柔らこう煮込んだ料理のことです。「コジイト(ポルトガル語で茹でた肉)」が転じた名で、鎖国以前に伝わったとされてます。「くじいと寄せ」は、牛・豚・鶏の肉をすり身状にし、彩りのええ野菜を合わせて調味料・香辛料を加え、天火で蒸し焼きにしてみました。
ご家庭でも、お弁当やオードブルの一品にしてみはったらいかがでしょうか。

《立秋》

2013-08-08 | Weblog
昨日は二十四節気の「立秋」でした。
暑さもピークに達し、この日を境に「残暑」という表現を用います。

陶器市も昨日から始まり、物凄い人出でした。小店から歩いてすぐなんで、子供の頃より毎年行ってますが、陶器市の店が並び始める頃が、京都の一番暑い時分やなぁと思います。

陶器市には器以外のお店もたんと出るようになり、売られてる品物も昔とは随分変わってきたように思います。

毎年、地蔵盆が過ぎた頃くらいから、風がそよぐ感じや雲の形になんとなく秋の気配が漂ってきます。

《冷製 かぼちゃ豆乳汁》

2013-08-02 | Weblog
本日のT&T連載「うちでの料理」はかぼちゃの冷製スープです。

レシピは、とてもシンプルで簡単!。美味しくて栄養たっぷりのかぼちゃと豆乳で、体調を整えて酷暑を乗り切りましょう。

京の町では、明日 明後日と「鴨川納涼」、明日から12日までが「京乃七夕」が催され、あちこちでいろんなイベントが楽しめそうです。

深夜、世界水泳の後、全英リコー女子オープンも始まり、ついつい寝不足となっております。