京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《料理教室》

2013-09-30 | Weblog
○伊佐木昆布〆

○鱧松椀

○かしわ・きたあかり・椎茸の乾酪焼

○茄子の糂汰和え

○秋鮭親子飯

○胡麻のブランマンジェ抹茶ソース

以上が本日の料理教室メニューでした。

伊佐木は水洗い・おろし方・そぎ切り・塩あて・昆布〆と実習しました。

鱧松は、長野産の松茸を用いての講習。

かしわ・きたあかり・椎茸の乾酪焼は、下処理の仕方から炒め方、そして赤楽四方陶板をもちいてチーズをのせ黄身辛子を塗り天火で焼き上げました。

茄子の糂汰和えは、茄子の下拵え・茹で方、枝豆は茹でて莢から出して薄皮をむき、フードプロセッサーにて白味噌や溶き芥子などを加え、和え衣を作りました。

鮭親子飯は鮭の焼き方・いくらの漬け方、米の研ぎ方、炊き方のレクチャー。
香の物は胡瓜やはりはりの盛り合わせ。
小吸物は蕪とくさびらの袱紗仕立。

デザートは豆乳と胡麻のブランマンジェに豆乳抹茶ソースかけ。どちらも最初から順を追って作っていきました。

本日はいつもより、長くお話させていただき、御質問もたんといただきました。また全てのお料理、掛け物・花等々に大変お喜び賜り、心より嬉しく思います。

ご家庭でのじぶんどきのひとときを、より豊かに、有意義にお過ごしいただけますよう、また食から健康維持ができますよう、さらに研鑽を重ねてまいります。

《サーモン東寺巻》

2013-09-27 | Weblog
本日のT&T連載中「うちで料理」はサーモンの東寺巻です。

昔、ユバが東寺で作られたことから、料理名においてユバのことをを「東寺」と呼ぶ場合があって、ユバを用いた揚げ物は「東寺揚」、蒸し物は「東寺蒸」、ユバで巻いたんを「東寺巻」なんていうたりします。

サーモンは鮭のことで、ものすご大きなキングサーモンは北太平洋にいてる鮭で、日本では「マスノスケ」と呼んでます。
同じく大型で、大西洋を中心に生育する鮭がアトランティックサーモン。他にもノルウェー産やチリ産等々などよく目にします。比較的安価で手にはいり、脂も多く、日本での人気も高いようですね。

《菊花》

2013-09-25 | Weblog
秋草の画には、たいてい野原に自生する菊が描かれてます。

菊は中国原産で、重用に行う菊酒や菊慈童の長寿の伝説に因む被綿の慣わしも、中国にならったもんです。

また、梅・竹・蘭とともに四君子のひとつとして、古より尊ばれてきました。

丹念に立派に綺麗に育てられた家菊の華やかさはありませんけど、可憐な野菊のたたずまいには心がほっこり和む魅力があります。

野紺菊・菊渓菊・野路菊・竜脳菊・吹上菊・山白菊・秋明菊・嫁菜…どれもその清らかさは、遠い昔も現在も、そして遥かなる未来も日本人の心を惹きつけることでしょう。

《花》

2013-09-23 | Weblog
京都は山に囲まれてまして、宇治の山へと草花を摘みに行きました。野山の秋風は心地よく、自然の声に満ち溢れています。

花や枝を切ることは、そのものが新たな息吹を宿し、人の心に響くものにするよう心がけなあきません。

侘び茶の「草」の形は日本の美であり、床に自然の姿がスカッと飾られることで、光を浴び新たな輝きが生まれます。それが、一輪の野菊であれ、虫食いの葉であれ、末枯れた草花であれ、自然が移ろう時空を切り取って入れられた茶室の花を観ると、心が震えることがあります。

何処に、どんな花器を用いて、如何様に入れるか。いかにして切った草花や枝の奥に秘めたる持ち味を引き出し、よりいかして、詩情を表すことができるかを意識します。

常々、花はいける人自身の心を移し出すもんやと思てます。

《鯵焼南蛮漬》

2013-09-20 | Weblog
本日のT&T連載うちでの料理は「鯵焼南蛮漬」。

江戸時代の南蛮漬という料理は、酢・酒・塩を合わしてひと煮立ちさせた合わせ酢に、生の魚を漬ける料理で、現在の「きずし」のようなもんでした。

江戸時代には「かぴたん漬」という料理があって、お葱やタカノツメを入れた合わせ酢に油で揚げた魚を漬けたもんで、現在の南蛮漬とほとんどおんなじです。

南蛮汁や南蛮煮という料理もあって、南蛮とは異国風のという意味で用いられてたようです。

南蛮菓子というたら、ポルトガル伝来のもんが多く、「かすてら」「かるめら」「金平糖」「玉子素麺」なんかがそうですね。

大衆魚のイメージがある鯵ですけど、近年は漁獲量が少のおてすっかり高級魚となりました。
室あじ・丸あじ・めあじなどもありますが、なんというても地物の真あじが最高。

南蛮漬は粉をまぶして油で揚げて漬けるのが一般的ですけど、時間が経つと衣が油と酢を含んでブヨッとしてきます。
焼いて漬ける南蛮漬は、実にヘルシーで、あっさりといただけます。

《茶懐石》

2013-09-17 | Weblog
昨日の台風18号は、京都でもあちらこちらで甚大な被害をもたらし、ほんまにえらいことでした。

本日は、初秋の茶事。
お待合の画賛は、大谷句佛の月に秋草。懐石は明治から大正くらいの京焼に、長野の松茸をはじめ、秋風情感じる食材ばかりを用いて御献立を作りました。

立礼席にて、懐石、初炭、主菓子、中立、濃茶、後炭、薄茶。

中立後、花は近くの山で摘んだ萩と葛と白菊を、山の澄んだ空気が漂うように、古信楽の掛花に。

四時間近くお付き合い賜りましたが、皆様御熱心で達者な御方で、私共も流れよくさせていただき、感謝致しております。

またお近いうちに、主客の心が交わる茶の湯の機会がもてますことを、心より楽しみに致しております。

《高野豆腐の鶏野菜射込》

2013-09-13 | Weblog
本日のT&T連載うちでの料理は「高野豆腐の鶏野菜射込」です。

高野豆腐は、和歌山県高野山の僧侶が作ったとされることからの呼び名で、「凍り(こおり)豆腐」「凍(しみ)豆腐」「凝(こごり)豆腐」などとも言います。現在は工業的に凍結乾燥して作りますけど、元来は厳寒期にお豆腐を切って簀の子の上に並べ、晴れた日の夜に戸外で凍らせたもんを2~3週間低温でねかせてから、藁で編むように括って竹竿に掛け、天日にあててじゅうぶんに乾燥させて作ります。

高野豆腐にはお豆腐の栄養が凝縮されてまして、なんとタンパク質はお豆腐の7倍、脂質は8倍もの含有量、カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルやサポニンも豊富に含まれてます。

鶏肉に野菜をよおけ入れて射込んだら、栄養のバランスもええし見た目もきれいですんで、家でのおまわりに是非ともやっていただきたい一品です。

《料理教室》

2013-09-09 | Weblog
本日は、重陽の節供の料理教室でした。

器は全て菊にまつわる物を用いました。

〇淡路鱸の薄作り特製蕃茄ソースかけ

〇萩真藷・松茸・針陸蓮根の椀盛

〇鳴門鱧と田中唐辛子の炊き合わせ

〇京茄子と三度豆の胡麻和え

〇胡瓜・小蕪・大根の浅漬け 昆布

〇七種きのこ雑炊 芹

〇レアチーズケーキ 藤稔 パパイヤ ミント・アールグレイ

料理・器など全てにおいて、とてもお喜び賜りましたこと、誠に嬉しく存じます。

これからも、さらに精進しつつ、温故知新の料理を創り続けてまいります。

《隠元豆》

2013-09-07 | Weblog
昨日のT&Tうちでの料理は「白隠元豆と海老のサラダ」をご紹介致しました。

中米原産の隠元豆は、黄檗宗開祖 宇治の万福寺創建の隠元禅師が17世紀半ばに中国から日本へ伝えたことが名の由来といわれてます。

形や色も実にさまざまで、なんと約200品種。日本では北海道が主な産地で、白金時類の白隠元豆は、白餡によく使われる豆です。

海老とオクラを合わすことで彩りや食感もええし、栄養のバランスも良うなります。

和える青紫蘇風味のドレッシングは、いろんなサラダに利用できますんで、ちょっと多めに作って常備しといたらものすご重宝しますんで、ぜひお試しくださいませ。

《永楽焼の會》

2013-09-05 | Weblog
本日は、カウンターにて、永楽焼の會 前編を催しました。

先にテキストをお渡しし、永楽焼、十一代保全・十二代和全について詳細に御説明致した後、十一代保全・十二代和全の向付・鉢・蓋碗・酒器など十一種類の器を箱書と一緒に、御一人ずつ御手にとって見ていただきました。

料理は先の保全・和全の器に盛り付け懐石スタイルで、向付・煮物・焼物・強肴・預鉢・小吸物・香の物・御飯・水物、そして御菓子・薄茶とお出し致しました。

皆様、お忙しい中、御遠方よりお出まし賜り、心より御礼申し上げます。