京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【茶会の料理】

2016-05-15 | Weblog
本日は大勢さんのお茶会がございました。

道楽新館の広間が本席で、旧館の広間にて懐石をお召し上がりいただきました。

お向は、北海道日高産の鱒を昆布〆にしました。煮物は海老しんじょに新蓴菜と生湯葉にふり柚子。焼物は鰆の西京焼です。強肴は胡瓜と椎茸のあいまぜ。箸洗は向日葵の種、八寸は勾玉豆腐と穴子の煮凝り。香の物には、沢庵と小蕪の糀漬け。止には海蘊雑炊をお出しました。

お食事は、立礼席で24名様ずつ入れ替えながら155名様。器は永楽さんをはじめ、京焼の名工の作を主に用いました。お水屋の方のお弁当は、21名様分ご用意致しました。

皆さまのおかげをもちまして、実にスムーズにお出しすることが出来て、心より感謝致しております。

【料理勉強会】

2016-05-12 | Weblog
今回の料理勉強会では、お床に奥谷秋石の鯉を掛け、三友籠に苧環(おだまき)・野老(あまどころ)・都忘れを入れました。

〇活車海老甘糀和・アボカド黄身酢掛け

〇ホウボウと新蓴菜の椀盛 粟麩 青柚子

〇焼淡竹(木ノ芽焼・山椒味噌焼)

〇鯛あら炊き 新牛蒡 絹さや

〇支那竹土佐煮

〇石蓴・丁字麩の袱紗味噌仕立て

〇穴子飯 三つ葉

〇肉桂粽・薄茶

甘塩糀は特にお喜びいただけたようで、自宅から作り方の確認も複数ございました。

会員の皆様方には、毎度ご遠方よりお出座し賜り、忝なく存じますと共にほんとうに有難く存じております。

次回は初夏に向けた御献立を練って、お待ち致しております。

新日吉祭(いまひえさい)に思う

2016-05-08 | Weblog
今日は五月第二日曜日、新日吉祭です。
行列の太鼓の音が聞こえてきたら、ご近所の人達が見物に正面通に出てきはります。
お祭やお正月には獅子舞が店の中で舞うて、いつも頭をかぶられたんを覚えてます。

以前はこの辺も仰山子供がいてて、正面通の豊国さん前の坂道には、ところ狭しといっぱいの露店が並び、子達で賑わってました。現在は露店も僅かばかり、随分寂しくなってしもたもんです。

ぼくが子供の時分は、八の付く日に露店が出てたんで、毎月の八日・十八日・二十八日が待ち遠しかったもんです。
ぼくは、鯉釣りや打ち網、スーパーボウル掬い、蛸せんの当てもん、紐を引っ張る当てもん、スマートボウル、ひよこ釣りなんかをよおやってました。
打ち網というのは、漁に用いる打ち網の超小さい版みたいなもんで、手でクルクルと網を回して捻り、鯉の真上からパサッと落として鯉を絡め引き上げる遊びです。スーパーボウル掬いは、最中のついたポイのようなもんでスーパーボウルを掬うんですけど、じきにふやけてしもてなかなか掬えません。紐を引っ張る当てもんていうのは、紐にいろんな景品が繋がっていて、全ての紐を途中で束ねてあって、自分が選んだ紐を引っ張って景品を引き上げるというもんでした。景品にはものすごい模型やジャンボぬいぐるみなんかもありましたけど、まず当たりませね。なんにも景品が付いてへん紐だけのやつもやたらたんとあって、それを引いたら的屋のおっちゃんが「ハイッ パンツのヒモッ!」あやしい棒状のビスケットみたいなお菓子が入った箱を手渡して、必ずこう言うのです。「ハイッ インド人もビックリ、ハワイのお菓子!」。ぼくの机の引出しは、このインド人もビックリハワイのお菓子で一杯でした。蛸せんの当てもんは、円盤にハズレ、2枚、3枚とかいてあって、ついてる矢印を回転さして矢印が止まったところの枚数が貰えるんです。もちろん円盤の大半
はハズレ。ぼくは、この蛸せんが好きでようやりました。とんかつソースをハケでサッと塗って、そこに青のりをバッとかけてくれはります。

露店で釣った色鯉は、かつて店にあった井戸水を流しっぱなしにしたタイル貼りの生け簀に、川鱒や鰻や鰌たちと一緒に入れといたら、いつしか30センチを超えるサイズになりました。ひよこはやがてニワトリに、ちっさかった金魚や亀も信じられへんおっきさになりましたね。

かつて川端にあった正面公設市場のヘギ板の舟に盛ってくれはるたこ焼はメッチャおいしくて、いつもおばちゃんがオマケしてくれはりました。日暮れまで鴨川で遊んだ帰りによお食べたお肉屋さのコロッケやソーセージカツは、緑の紙で包んでソースをかけて渡してくれはりました。筋向かいのお風呂屋さんで飲んでた、チェリオやミリンダ、懐かしいですね。マミーは蓋の裏に子供の顔があったら当たりで、もう一本!嬉しかったなぁ。

思い返してみると、商店街としての正面通はあまりにも変わってしもて、半世紀という時の長さを思い知りました。

【立夏・端午】

2016-05-05 | Weblog
今年は、久しぶりに鳥羽水環境保全センターの藤を観ることが出来ました。紫の花は名残の感じでしたけど、白藤が大層美しく感動しました。ぼくにとって藤は大好きな花のひとつで、見てますと伊勢物語の在原行平の藤の花の段が思い浮かびます。「咲く花のしたにかくるゝ人を多みありしにまさる藤のかげかも」。

今日は端午の節句の慣わしで、粽を食べて、ゆっくりと菖蒲湯に浸かり穢れを流しました。

そして立夏。春から夏へと移りかわる日です。今日はほんまにええお天気で、薫る風が爽やかにそよぎ新緑を吹き抜けて、いよいよ夏の気配を感じました。

端午には「鯉の洗い」や「鯉こく」「飴炊き」何れかを献立に加えてましたけど、近年は苦手な人もけっこういたはるんで、なかなか難しいですね。

季節は流れ、瞬く間に鳥羽の藤が過ぎて蹴上の躑躅が見頃となりました。