京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《素材を大切に》

2010-02-28 | Weblog
素材は、安全で出来るだけええもんを仕入れ、お客様には一番ええとこを供します。
野菜はしばらく水に晒して、よう洗ろてから調理し、ヘタの部分は、自分らのおかずにいただきます。
大根の皮は、切り干しやきんぴら、葉っぱは切り漬けや菜飯。かぶらの皮は、味噌和えや切り漬け。独活の皮は、きんぴらや佃煮。ブロッコリーの軸は、和え物や汁の実。人参の皮は、ばらずしの具。だしがらの昆布や鰹も上手に調理して、いただきます。
手塩にかけて育てられた野菜や自然の恵みは、慈しみ感謝の心をもって、食べられるとこは全ていただく。それが、料理をする人の使命やと思てます。

《獣肉》

2010-02-26 | Weblog
日本で獣肉を食するようになったのは、近代以降のように思いがちですが、江戸時代初期の『料理物語』には「鹿 狸 猪 兎 川うそ 熊 犬」を用いた料理があげられています。
肉食は、穢(けがれ)や匂いから抵抗感はあったようですが、彦根藩主より、代々将軍へ牛肉の味噌漬けが献上されて、1800年頃より庶民の間でも、牛肉は食べられていたようです。
現在は京都周辺の山間部で、『鹿』が増えすぎているので「食」での利用を考える時代になってます。

《塩》

2010-02-25 | Weblog
塩は料理に不可欠で、最もシンプルな調味料です。
うちは、藻塩を主に数種の塩を料理によって使い分けてます。
塩茹で、漬けもん、昆布締め、吸地、焼きもん…、塩味をつけることはもちろんのこと、水分を出したり、野菜などをしんなりさせたり、お魚の身を締めたりもします。
下拵えの塩にも、目的に合わした塩のしかたがありまして、紙塩・立塩(たてじお)・ふり塩[薄塩,強塩(ごうじお)]・安倍川塩・砂糖塩などと呼んでます。
「紙塩」とは、鱚(きす)や針魚(さより)なんかの繊細なお魚の身に、直接塩をあてずに、一旦湿らした和紙でお魚の身をくるんでから塩をふることです。
「立塩」とは、海水程度の塩分の塩水を作って、素材を浸けおき、塩を満遍なく行き渡らせるやり方です。
「ふり塩」とは、素材にパラパラと塩を振りかけることで、塩の量によって「薄塩」「強塩」などと言うてます。
「安倍川塩」とは、塩の中で、素材をまぶすようにつけることで、「べた塩」とも言います。
「砂糖塩」とは、塩に一割量ほどのお砂糖を混ぜ合わせて、塩をあてることです。これは、脂のよおけのった魚などに、浸透圧によって塩が入りやすくするもんです。昔からの仕事で、お父ちゃんが時折やったはりました。
塩は使いようによって、素材の旨味をジワッと引き立ててくれます。その塩梅は、経験により培われる微妙なもんで、料理の出来栄えに大きく影響します。

『おいなりさん』

2010-02-24 | Weblog
来月の25日は、京福電鉄さんの創業百周年です。
ぼくも、百周年記念祝いの一助になればと思い、「おいなりさん(稲荷寿司)」の監修をやらせていただくことになりました。
『道楽』で伝承されるレシピを基本に、丁寧に作られます。
本日はその試食会で、京福電鉄さんはじめ、ご参加賜りました方々には、大変御好評賜りました。
実に様々な意見がでて、じっくり話し合いをし、販売に向けての大まかな事柄が決まりました。
これから、急ピッチで細部を詰めつつ、進行していくこととなります。
当日は、様々な‘楽しい’‘美味しい’企画がたんと御用意されますので、是非とも3月25日には、嵐電『嵐山駅』にお運び下さいませ。

《梅花》

2010-02-23 | Weblog
このところ、一気に暖ったこうなりまして、早咲の梅は既に散ってしまう程の陽気です。
明後日、25日は北野さんの梅花祭(ばいかさい)です。梅の花をこよなく愛した菅原道真の祥月命日にあたります。
菅原道真は、平安前期の貴族であり学者、詩文に長け、書の三聖のひとりで、現在は学問の神として尊崇されてます。
この陽気ですと、北野さんの梅園は、すでに満開になってるかもしれません。上七軒の芸妓さんが野立席のお点前をしはります。梅花御供の献饌(けんせん)は、男女厄年の厄払いの願いも込められています。

料理教室

2010-02-22 | Weblog
本日は料理教室開催日でした。
御献立は、「鯛細造り昆布締め」「帆立貝霙(みぞれ)汁」「合鴨アスパラ巻き」「宮古島蕃茄」「蓮根海老挟(はさみ)揚げ」「たぬきうどん」でした。
どれも大変御好評でお喜び賜り、とても嬉しく存じます。
皆さん、頑張ってお運びいただいてますので、是非とも御家庭で、より充実した豊かな食卓を演出していただけますように、ぼく自身がさらに解り易く、作り易い「ほんまもんの料理」を提案して、解説・実演をしていかなアカンと思っております。

真味倶楽部

2010-02-21 | Weblog
昨夜の真味倶楽部では、全料理ご満足賜り、真塗の御敷や旦入造箸置をはじめ、全ての器をお気に入りいただいたと言うことで、料理は勿論のこと器などにも造詣が深い御方でしたので、とても悦ばしく存じ、深く感謝申し上げます。
ようやく、あちらこちらで春の兆しが感じられ、春らしい食材も出回りはじめ、食卓にも春の香りが漂ってまいりました。

《真味倶楽部》

2010-02-20 | Weblog
今夕は、真味倶楽部の開催日です。
今朝、淡路で穫れた数種の活魚が届いたので、これらを中心に御献立をくみました。
届いた鮮魚は、鯛・平目・赤ムツ・アブラメ・間八です。
座付 富津産赤貝と鳥貝と七条芹のてっぱい
椀盛 アブラメ葛叩き 胡麻豆腐
造里 三厩産とろ 鯛 平目 間八 伊勢海老
焼物 高見牛フィレ肉 鴨アスパラ巻き フォアグラ 万願寺唐辛子 霙酢
宮古島 蕃茄
強肴 赤ムツ 聖護院蕪 畑菜
預鉢 独活 茗荷 三葉 沢煮仕立
香の物 千枚漬
小吸物 海老芋
御飯 根深飯
水物 千疋屋メロン 苺
御菓子 たけんづつ 肉桂・梅酒・橙
薄茶
以上の料理に、器は民藝あたりを主に用いることにし、これから献立を書くところでございます。

【道楽伝承特製鯖寿司】

2010-02-18 | Weblog
《道楽特製鯖寿司販売のお知らせ》
◆日時⇒3月8日(月)11:00~15:00
◆処⇒道楽
◆価格⇒★一折 \10,500 ★半折 \5,250円
◆お申し込み ★TEL 075-561-0478 ★FAX 075-561-0558 ★MAIL webmaster@dourakurou.jp
◆予約受付 3月6日(土)午前中まで
※但し限定数に達しましたら受付終了とさせていただきます。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

《宮古島のとまと》

2010-02-18 | Weblog
本日、宮古島南方(ぱいかた)農園のとまとを頂戴致しました。
ガブッとかぶると、口中いっぱいに‘日だまり’の香りが広がって、‘ほんまもん’のとまとの味がしました。久しぶりに味わう、記憶の片隅にあったとまとの味です。
露地栽培、完全無農薬,無化学肥料で栽培され、樹で完熟してから収穫されたものです。
ほんまに美味しい『とまと』でした。