京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【豆乳羮】

2015-02-27 | Weblog
今回の「ぼちぼちおやつどき」は、豆乳羹。

豆乳とは、大豆を水に浸けてすり潰し、水を入れて煮立て、布でこした液です。

これに、ニガリをうって固めたんがお豆腐。温めて表面の膜を引き上げたんが、湯葉です。

豆乳は、実に様々な薬効が期待できます。
ダイズたんぱく質は血中コレステロールを下げて、動脈硬化や高脂血症を防ぎ、イソフラボンはガンを抑制し、ダイズオリゴ糖は腸内環境を整え、便秘を改善します。

ぼくも、なるべく毎日いただくよう心がけてます。

【大阪の日】

2015-02-26 | Weblog
昨日は、朝から晩まで丸一日、大阪で過ごしました。

道具屋筋、黒門市場を周り、お昼は親子丼ときつねうどんをいただいて、リーガロイヤルホテルにいってから、美術展を巡りました。

夕食は天満橋のカウンター割烹店で会席料理をいただきました。

格式高い料亭で長年料理長を勤めた、器好きのご主人と、話をしながら美味しい料理を堪能でき、おかげさまで楽しいひとときを過ごすことができました。

【花月】

2015-02-22 | Weblog
本日は、侘屋の広間にて花月をなされました。

掛け物は、玉室宗珀が宗旦に宛てた、茶杓の礼状にしました。

お料理は、点心に椀盛りと春菜ちらし寿司、デザートはイチゴのムースにキャラメルチョコレート・・アンズ・干しリンゴ・ミントを添えました。

茶の湯に接しますと、日本の侘びの美の本質、つまり盈満(えいまん)ではなく、ちょっと崩れた不完全の美、豪奢・華麗とはちごて、簡素枯淡の美、寡黙清貧の美などが、心の奥から甦ってまいります。

【蜂蜜カステラ】

2015-02-22 | Weblog
今回のぼちぼちおやつどきは「蜂蜜カステラ」。

江戸時代の料理書には「かすてらぼうろ」「かすてほうろ」「かすていい」「かすていら」などの名が見られます。

ポルトガル語の「カスティリア(スペインの北部・中部を占める地方)」が語源と言われてます。

蜂蜜や水飴を加えるようになったんは、明治以降とされ、初めのうち(江戸時代以前)は、小麦粉とお砂糖と玉子を合わして焼いたけっこう固いお菓子やったんが、改良を重ねることで、だんだんとふんわり・しっとりとした現在のカステラになってきたようです。

【ほうぼう】

2015-02-20 | Weblog
「ほうぼう」は、朱色の魚体に角張った頭部。‘かながしら’に似てますけど、こっちの方が一回りおっきいし、品格も上です。旬は冬から春にかけて。

淡白で上品な味わいなんで、うちでは塩して椀種や酒蒸しにしてますけど、鮮度がええ時はお造りにしてもよろしいし、煮付けや天ぷらも美味。塩焼きもまたええもんです。

ほうぼうの名の由来は、浮き袋をつこおて「ボーッ ボーッ」と鳴くさかいやと言われてます。

【菜の花】

2015-02-19 | Weblog
菜の花は、キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・チンゲンサイ・コマツナ・カラシナ等々のアブラナ科の野菜の花の総称。
畑で収穫せんと、そのまま放置したら、いずれも黄色くて十字形の菜の花が咲きます。野菜によって何種類もあるんです。

以前に藤平伸先生に作っていただいた鉢に、短めの菜の花だけをいっぱいに入れてみました。幻想的な菜の花畑に春光が射すのを感させ、見事にしっくりと調和しました。

花と花器の取り合わせは、花器の放つ時代感や、陶磁器・竹や木・金属・硝子などのもつ地肌感や色彩などと、花との調和はもちろんですけど、花の格や品位、しきたり、節句・祭・行事・故事・名歌……ありとあらゆる事を考え、表現できる世界間をイメージしもって決めてます。

【雨水】

2015-02-18 | Weblog
今年は2月19日が旧正月で旧初寅にあたります。

また、この日は二十四節気の立春から15日目の「雨水」でもあります。
雨水とは「雪散じて水と為る也」、雪や氷が解けて水となり、降雪が降雨に変わるという意味。

草木の新芽が萌え出すきざしが見える時節で、昔は雨水の頃を目安として、農耕の準備を始めたということです。

【甲子】

2015-02-16 | Weblog
明日は甲子。一般には「かっし」や「きのえね」と読みますが、「こうし」とか「かし」と言う場合もあるようです。

甲子は六十干支の一番最初で、木と水は五行相生ということから、この年やこの日は大変吉祥とされてます。この日、甲子大黒と称し、子《ねずみ》は大黒さまの使者ということで、大黒天を祀ります。

庚申と同様に、甲子待と言うて、大豆や黒豆なんかを食卓に供し、子の刻(午後11時から翌午前1時までの2時間)までは、眠らずに起きてる慣わしがあります。

【山茱萸】

2015-02-14 | Weblog
八百屋さんの店先は春の序奏、蕗の薹や蕨などが並びだしました。

まだまだ、冷たい日が続くなか、川端では山茱萸の黄色が春の訪れを告げてるかのよう。
暖かな日射しに、周りの凍てつく空気がホワッとほぐれ、柔らかな春の気配を感じる時があります。
若葉も芽吹いてない山茱萸の枝には、造形芸術を思わせる線の美しさあり、その姿には高い気位と侘びた趣をも滲ませます。

山茱萸に秘められた気品と力強さには、種々の椿をはじめ、時々の花を取り合わせることによって、とざされた冬から春爛漫へと季節の移ろいが漂うのです。

【庚申(こうしん)待ち】

2015-02-13 | Weblog
昨日は庚申(かのえさる)にあたります。

庚申は最も重要な忌日で、八専の第9番目で一年で6回(旧暦では5~7回)巡ってきます。

庚申とそれに続く本日の辛酉(かのととり)は、金気が重なって天地に充満し、人心が冷酷になりやすいとされ、政治的変革があるとも考えられてました。このことから年号が変えられたこともあるほどです[万延元年1860文久元年1861など]。

庚申の夜は眠ると不吉なことが起こるとされ、物語りなんかをして夜を明かします。
仏教では青面金剛(しょうめんこんごう)または帝釈天(たいしゃくてん)、神道では猿田彦命(さるたひこのみこと)を祀って徹夜をします。

庚申はもともと中国の道教の伝説からきたもんで、人の体内には三尸(さんし)の虫、彭侯子(ほうこうし)・彭常子(ほうじょうし)・命児子(めいじし)が頭 腹 足にいて悪行を監視していて、寝たら三尸が身体から抜け出し天に昇って天帝にその人の罪業を告げ、命を縮めるとされてます。
これをさせへんように神々を祀り、主だった人逹が集まって、会食・酒盛りなどをしながら夜を撤したんです。これを「庚申待ち」とか「宵庚申(よいごうしん)」と言うてます。

諸説ありますけど、日本へは朱雀天皇あるいは文徳天皇のときに智証大師によって伝えられたとも言われてます。枕草子にも庚申待ちの話が出てきます。