京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【照寒菊】

2016-11-29 | Weblog
このところ、床の花には照葉と白い椿、または白い照寒菊を入れることが多いです。
寒菊は冬菊とも言われ、冬に咲く小輪の黄菊で、もともと秋に咲く小菊を改良栽培したもんです。
とくに葉が霜にあたって紅葉した寒菊は「照寒菊(てりかんぎく)」と呼ばれ、その風情は師走の茶席などで珍重されます。

芭蕉の名句「寒菊や粉糠のかかる臼の端(かんぎくやこぬかのかかるうすのはた)」があります。
臼で米をついている傍らに寒菊が美しく咲いていて、花や葉に粉糠がうっすらとふりかかっている。という冬の情緒がつたわってくる味わいぶかい句です。

日本人独自の感性・美意識を磨いて、受け継いでいくことが大切ですね。

【ヴェネツィア・ルネサンス】

2016-11-09 | Weblog
ジョバンニ・ベッリーニ、ヴィットーレ・カルパッチョ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ヤコボ・ティントレット、ヤコボ・バッサーノ…

大阪中之島の国立国際美術館で開催されている「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」に行ってきました。

アカデミア美術館所蔵の、ルネサンス期にヴェネツィアで活躍した画家たちの作品展示です。

15世紀半ばから始まったとされるヴェネツィア・ルネサンスは、実に豊かな色彩を駆使し、光と影の表現や、その空気感は独特で実に魅力的。

中でも、ティツィアーノの最晩年(1563〜65頃)の作品「受胎告知」の前に立ったとき、暫し時の経つのを忘れて見入っておりました。

食事は久しぶりに西宮の「岡谷」さんところで、素敵な御料理をいただきながら、いろんなお話をうかがい、日本料理を堪能致しました。

久しぶりに板場を離れてリフレッシュでき、有り難いことでした。

【料理勉強会】

2016-11-08 | Weblog
料理勉強会の日は立冬で、暦の上では冬となりました。

床は句佛の口切り画賛、花は椿 西王母と初嵐。

〇鳥貝・帆立貝の霙和え

〇きのこ(椎茸・舞茸・湿地茸)の吉野煮 三つ葉

〇豚肉の野菜巻焼き

〇精進煮染め(里芋・蓮根・牛蒡・蒟蒻・人参・三度豆)

〇海老出汁袱紗味噌仕立て 豆腐 若布

〇鯖ずし 酢取り生姜

〇胡麻葛寄きな粉塗し

薄茶

今年の料理勉強会開催も残すところあと一回となりました。欠かさず御参加いただいております皆様には心より感謝です。また、御遠方よりお越しの会員の方々には忝なく存じ、より頑張らないとと気が引き締まります。
来月も皆様の御要望に応じた季節の料理を、魂を込めて作る所存でございます。