京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《水無月》

2011-05-31 | Weblog
今日は、皐月の晦日ですんで、「きらず炒り」をいただきます。
毎月晦日は、この「きらず炒り」をいただく慣わしがあります。
「きらず」とは「おから」のことで、「炊く」とは言わんと「炒る」言うんです。
商家は、晦日が集金日でしたので、お金が入る(炒る)ように。また、お得意先との縁(えにし)が切れません(きらず)ように。それから、余りもんは何でも細かくきざんで、食べきってしまえる。と言うことから、月末にはきらずを炒るんです。

明日から水無月。水無月の異称は様々ありますけど、「涼暮月(すずくれづき)」「風待月(かぜまちづき)」なんて呼び名は、美しく、情緒がただよい、風情があってええもんですね。

《山》

2011-05-30 | Weblog
昨夜のモナコGPは、小林可夢偉選手の圧巻の走りに感動致しました。
これからがますます楽しみです。

今日は山歩きにでかけ、ウルイ(オオバギボウシ)や桔梗を少し採りました。ウルイは胡麻和えにして、桔梗の花は酢の物、葉っぱはおしたし、茎は汁の実していただきました。

ヤマユリの百合根も少し採って、梅肉和えにしていただきました。

野山の恵みを採るときは、くれぐれも採取禁止区域でないとこで、若いところを要る分だけ採るように気ぃつけんとあきません。

《深夜》

2011-05-29 | Weblog
深夜(今朝)は、フットボールの聖地といわれるウェンブリーでのUEFAチャンピオンズリーグ決勝の放映がありました。スペイン王者バルサVSイングランド王者マンU、かなり熱くなって観戦してました。前半は1-1でしたが、ポゼッションは圧倒的にバルサ。結果は3--1でバルサの勝利。マンオブザマッチは、2点目を一瞬のシュートで決めたメッシ選手でした。
ほんまに素晴らしい試合を観ることが出来て、幸せな思いです。

今夜は、F1モナコGP決勝。小林可夢偉選手の走りをワクワク楽しみにしてます。

このところ鬼平犯科帳が、BSフジ・京都テレビ・CSが3回 と毎週別のシリーズの放映が5回もありますんで、録画を観るのにもかなりの時間を要し、深夜(明け方)になってしまうことも多々あります。
以前に観たことあるなぁというのもあって、どれがなにやらわからへんようになってきました。

そういえば「ゴルゴ13」も全て読んでますけど、以前買ったのと同じ巻のコミックを再び買ってしまうことが度々あって、くやしい思いをしております。

《至福の食》

2011-05-28 | Weblog
日本は雨量が多く、雨は樹木に被われた山々に染み込んで、長い年数をかけて濾過され、美味しい水を生み出します。
料理に水は不可欠で、お出汁やお茶やご飯をはじめ、ほとんどの料理に関わっております。
川や湖の水もキレイなんで、豊富な日本特有の川魚にも恵まれてきました。

日本は暖流と寒流が交わるところに位置してるんで、豊富な種類の海産物にも恵まれてるため、古より独自の優れた魚食の文化を築き上げてきました。

日本は、一年を通して春夏秋冬 季節の移り変わりがあるんで、巡りくる旬の食材は感動を与えてくれて、おいしくて、栄養豊富で、しかも流通量が豊富なため安価です。

日本は、独特の気候風土による、素晴らしい水、豊富な海や川の幸、野山の幸、農作物…、季節の移りとともに、新鮮な旬の恵みを味わうことができる日本人は、ほんまに幸せやなぁと思います。

《台風》

2011-05-27 | Weblog
強い勢力の台風2号がやってきてるそうです。

台風は秋のイメージが強く、「野分」というたら二百十日や二百二十日の厄日が思い浮かびます。

二百十日・二百二十日とは、立春から数えて210日目(今年は9月1日)・220日目(今年は9月11日)のことで、稲の開花期にあたりますので、農家では厄日として台風に警戒します。

今年は大変なことが多く、ええお米が豊作となることを切に願っております。

《紫陽花》

2011-05-27 | Weblog
走り梅雨かと思いきや、近畿地方も梅雨入りしたとのことです。

この季節は、食卓に紫陽花を一輪飾ってみましょう。
こんもりとふくらんだまあるい姿と紫色は、心が穏やかに和みますね。

紫陽花とは「集真藍(あずさあい)」が転じて「あじさい」になったと言われてます。
この紫陽花が群生する雨上がりの光景は、実に妖艶で息をのむほど見事です。

三室戸寺・藤森神社・法然院・二尊院・岩船寺・三千院・寂光院、額紫陽花なら地蔵院・詩仙堂なんかが有名です。

《前菜》

2011-05-25 | Weblog
道楽の京料理コースは、座付のあと前菜として口取肴の盛り込みをお出ししております。

内容は日によって様々ですが、本日は 文甲イカのタイラギ挟み・スモークサーモン小川・海胆しんじょ・鴨ロース・蒸し鮑・焼き南京・おくら味噌漬け・空豆挟み揚げ・イチヂク甘干し・車海老旨煮・粟麩オランダ・甘藷レモン煮・凍蒟蒻・唐墨を全て小さくして、須田せい華の吉田屋写の八角皿に盛り込みました。

ここでお酒(本日は〆張鶴と黒龍の大吟醸)がかなりすすみまして、お造り・椀盛・焼物・強肴・小吸物 香の物 御飯とタイミングをみながらお出しして、お膳を引いて水物・御菓子・薄茶で終了でございます。

皆様、綺麗にお召し上がりいただき、大変お喜びいただき、ほんまに有り難いことでございます。

《果物》

2011-05-25 | Weblog
初夏の果物が店先に並んでます。
枇杷、さくらんぼ、マンゴー、パパイヤ、西瓜、メロン、甘夏…。

果物は品質によって、価格差がかなりあり、ええもんはほんまに高価です。

値がはるもんやから、料理屋はんの板場では、経験豊富な刺身をひかはる人なんかが果物も担当したはることが多いですね。

ぼくが子供の頃は、熟れた真桑瓜を井戸水で冷やしたんが、大層ごっつぉー(ご馳走)でしたし、20数年前に、外国で初めてチェリモヤやマンゴスティンをフレッシュで食べたときは、その味わいに感動しました。

人の味覚もだんだんと贅沢に進化して、今真桑瓜を食べてもさほど美味しくは感じないでしょうし、マンゴスティンもあの時の感動はないと思います。

野菜や果物も年中出回ってたら、ありがたみも失せてしまうでしょう。技術が進歩して季節感が鈍くなってますけど、季節が巡ってきてこそ初めていただくことができる、力強い旬の味わいというもんは、いつまでも大事にせんとあきません。

《宰》

2011-05-23 | Weblog
元来「宰」とは、肉などを切って料理したり、丸ごと料理したもんを平等に切り分けることを意味します。
「膳宰(ぜんさい)」「庖宰(ほうさい)」とは、料理役の頭(かしら)のことです。

切って料理する意から転じて、仕事を意のままに処理する。または、切り盛りすることや、仕事を処理する主任の役や領地の代官を表すこともあります。主任者として仕事を預かるという意もあり、「宰相」などもここからきています。

古代中国では、食べる物によって健康を害することもあれば、病を治すこともできる つまり「医食同源」という食の思想が根付いており、戦の歴史の中で、自国を守る兵の強い身体づくりにつながる料理役は、王直属で大臣よりも上の非常に高い地位におかれていたそうです。

日本でも「薬喰い」というて、季節の自然の恵みを食べ方にあれこれ工夫して、日本人に合う身体にええもんを作って食べてきました。

現在の日本人の食生活は、日本古来の「薬喰い」の伝習も思想もほとんど忘れさられたようで、とても残念でなりません。

《料理教室》

2011-05-22 | Weblog
明日は、料理教室開催日です。

「ふっこの焼霜造り」「なかあげ湯葉の薄葛仕立て」「虹鱒のバター焼き」「鶏八幡巻き」「揚げ出し豆腐」「鰹のお茶漬け」
以上の内容を予定しております。

活ふっこ(小さめの鱸)のおろし方、活虹鱒のしめ方、鰹の切り方なども実演にて進めていきます。

ぼくは、ぜひとも伝承京料理を、一般の御家庭の食卓でひろく味わっていただきたい との思いから、道楽での料理教室を長年に渡り続けております。
もうしばらくは頑張って伝えていきたく思います。