京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《牛肉大根味噌煮込み》

2013-11-29 | Weblog
本日のT&T連載 うちでの料理は「牛肉大根味噌煮込み」です。

関西で「お肉」と言うたら牛肉を指して、食肉で最も人気があります。
近江牛・松阪牛・神戸牛をはじめとする世界に誇るブランド牛は、まさに至福の味わい。
部位によって肉質は様々で、煮込み料理には脂の多い腹肉や胸肉、またはゼラチン質が多い頸肉や脛肉なんかが適してます。
栄養素は、良質のタンパク質・脂質のほか、ミネラルも豊富に含まれてます。
この牛肉大根味噌煮込みは、上等なお肉を用いる必要はございませんので、安価に美味しくてきますさかい、常のおかずにお勧めの一品ですね。

《ますのすけ砧巻(きぬたまき)》

2013-11-23 | Weblog
本日のT&T連載「うちでの料理」は「ますのすけ砧巻」です。

「ますのすけ」とはキングサーモンの和名。「砧」とは、布を打つときに用いた木や石の台のことで、衣板が転じた呼び名です。
砧打ちとは、木槌で布を打って、やらこう艶やかにすることです。
古くは絹も砧打ちをして、光沢を出してました。
和歌などに多く詠まれる砧打ちは、冬着の準備として秋の夜長にする仕事です。

「砧巻」という料理名は、大根を艶やかな白布に見立ててつけられたんやないかなぁと思てます。

《うちでの料理教室》

2013-11-19 | Weblog
昨日は、京都新聞文化センターの講座「政治郎(まさじろう)のうちでの料理教室」でございました。

まず京料理を五品デモンストレーションしたあと、皆様に調理実習していただき、できたてをお召し上がりいただきました。

皆様大変手馴れておられ、調理はスムーズに進行できました。

拙いレクチャーでしたが、皆様方非常にお喜びいただき、ほんとうに嬉しく有り難く存じ上げます。

また、京都新聞出版センターの「京のおまわり」もお求めいただき、会場でサインさせていただきました。

ご参加いただきました方々には、心より深く感謝申し上げます。

次回十二月は、おせち料理を中心にしたお献立となります。

まだ定員数に空きがございますので、ぜひともご参加をお待ち申し上げております。

★お申し込み先
京都新聞文化センター
075-213-8141
講座名 【直伝!政治郎(まさじろう)のうちでの料理】

《牡蛎豆腐》

2013-11-16 | Weblog
本日のT&T連載うちでの料理は「牡蠣豆腐」です。

江戸時代の牡蛎料理いうたら、「梅肉和」「吸物」「とろろかけ」「貝焼」「雑炊」なんかがありますけど、僕が好きなんはやっぱり牡蛎フライですね。

今回の「牡蛎豆腐」は、以前に八寸の一品にと考えた料理です。

牡蛎は「海のミルク」といわれるように栄養・旨味をたっぷりと含んでいて、中でもタウリンは血中コレステロールや高血圧の抑制、ビタミンB2・B12は健康な皮膚や髪をつくり、カルシウムは骨の強化、鉄・銅・亜鉛・葉酸・ビタミン12はいずれも貧血予防に効果があります。

また牡蛎の殻は薬膳において、不眠症・動悸・精神不安の改善や美肌などに用いられてます。

《料理教室》

2013-11-11 | Weblog
〇鯛の紅葉和
〇蕪と鴨の椀盛
〇蓮根豆腐苞蒸し餡掛け
〇笹身と大根の梅肉酢菜
〇新子鮪茶漬け
〇栗葛蒸し羊羹

以上が本日の料理教室のメニューでした。

皆様お喜びいただき、幸せに存じます。

また、お家でお手軽に伝統の深奥なる味わいの「にしん蕎麦」をお楽しみいただけます新商品、「道楽 にしん蕎麦」を、皆様たんとお求め賜り、誠に有り難く存じ上げます。

《リユース食器で食フェスタ》

2013-11-09 | Weblog
本日は朝からKBSホールにて「リユース食器で食フェスタ」というイベントに出向いてまいりました。

道楽謹製の鯖ずしとおいなりさん・にしん蕎麦・てんてら焼きを販売致しました。

途中、ラジオの生出演の後、「しまつの心」というテーマで半時間フリートークがありました。道楽に伝わる京料理の心や京都特有の食の慣わし、食と健康についてお話させていただきました。

わざわざお運び賜りました御方には、心より深く感謝申し上げます。

《野菜ひろうす》

2013-11-08 | Weblog
本日のT&T連載のうちでの料理はたんとのお野菜をつこおた「ひろうす」です。

「ひろうす」は「ひりょうず」「ひりゅうず」とも呼ばれ、この名はポルトガルの揚げ菓子「filhos(フィリョース)」に由来してます。

関東では味が雁の肉に似てることから「がんもどき」「がんも」などと呼ばれてます。

この野菜ひろうすは、たっぷりのお野菜のつなぎとしてお豆腐を用いるので、市販のものとは全く異なる味わいで、ほんまに美味しいんです。

調理のポイントは、油で揚げるとき鍋底にひっつかへんように、クッキングシートにのせたまま揚げることでしょう。

もちろん炊いてもろたらええのですけど、揚げたてを天ツユやポン酢でいただいくのもおすすめですね。

《立冬の茶事》

2013-11-07 | Weblog
本日は立冬で暦のうえでは、冬となりました。年々夏が押してきて、秋の深く静かな空気は束の間で足早に過ぎ去り、間もなく冷たい冬の到来です。

今日の茶事は、腰掛から本席に入っていただいた直後に強い雨が降り出しました。不思議と中立の時も急に晴れ間が見え、天候には大変恵まれておりました。

待合には円山應挙、本席は淡々斎の一行。
お敷・四つ椀は時代根来、お向は宗入、煮物椀は時代絵替り名勝蒔絵椀、焼物は和全、強肴は保全、預鉢は和全、箸洗いは、時代照葉小吸物椀、香の物は仁阿弥道八。

後炭の薬缶は江戸初期の作で、前後に桃紋が打ち出されてます。

縁高は飛来一閑、茶入は円能斎の書付、棗は鵬雲斎の花押、茶杓は大亀和尚。
茶碗は黒楽、薄茶は道八、替は大樋の筒。

懐石、お道具、お菓子、お茶、… 全てに大変お喜び賜り、ほんとうに幸せに存じます。とりわけ自作の青竹の花入に白玉椿と百日紅の照葉を入れたんには、感嘆のお声をお聴きし嬉しく存じました。

私どももご一緒に、有意義で素晴らしいひとときを過ごさせていただきましたこと、心より感謝致します。

《烏賊錦秋和》

2013-11-01 | Weblog
本日のT&T連載の「うちでの料理」は、烏賊錦秋和。

炉を開く砌となりました。日本料理ほど季節感を重んずる料理は他にはございません。この季節、落葉樹は刻々と赤や黄色に鮮やかさを増し、秋の日差しを受けた照葉(てりは)が華麗に輝きます。葉を落とし長い眠りにつく前の自然が織り成す最後の美しさは、日本人の心に深く沁みます。
この和え物は、山が紅葉して秋色を深め錦繍をまとった風景になぞらえて「錦秋和」と致しました。タラコにレモンの爽やかな酸味・香りを加えることでクセが和らぎます。またタラコに明太子を混ぜると別趣の味わいが楽しめます。

実にシンプルな料理で直ぐに出来ますんで、ぜひともおためしくださいませ。

《永楽焼の會》

2013-11-01 | Weblog
昨日は、永楽焼の會・後編でした。

花は、由緒ある青磁壺に、名残の秋草を入れました。野紺菊・薄・大犬蓼・藤袴・水引・櫨・不如帰・金狗尾…。
侘屋カウンターで18点程の器と共箱を並べ、テキストと御献立をお配りし、十三代 回全・曲全、十四代 得全、十四代 得全室妙全、十五代 正全、十六代 即全の御説明をしてから、お向や鉢と共箱を一品ずつ手に取って拝見いただきました。
じぶんどきとなり実際にその器を用いて、懐石をお出し致しました。

気心の知れた御方々で、永楽焼の数々の器・御料理・花など全て大変お喜び賜り、誠に光栄に嬉しく存じます。

御遠方よりお出まし賜り、心より感謝です。