京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《夏越祓》

2013-06-29 | Weblog
今年も早半年が過ぎ去り、くぎりの日、夏越祓(なごしのはらい)となりました。

六月晦日(三十日)、京都の各神社で夏越祓が行われ、半年間の無事に感謝し、茅輪(ちのわ)をくぐって、この半年間の穢れを祓い身を浄め、先の半年間の厄除・無病息災を祈念します。

また、水無月を蒸し上げていただくのも昔からの慣わしで、この時の楽しみです。

《T&T 創刊300号》

2013-06-27 | Weblog
今回のT&T 道楽「味」外伝 飯田知史のうちでの料理は‘冷やし中華’です。

暑い日盛りには、しばしばこの「冷やし中華」が食べとうなります。一般に「冷し中華」というのは、小麦粉にかん水を加えた黄色い中華そばを茹でて冷やし、酸味のお汁をかけたいわゆる涼拌(リャンバン)麺をさします。「冷麺」というのは、朝鮮料理の一つで、そば粉と芋デンプンなんかで作った腰の強いシコシコした麺を用います。とは言うても、関西のご年配の人は、大概冷やし中華のことも冷麺と呼んだはりますけど。かけつゆは、清潔な容器に移して冷蔵庫にしもといたら、ある程度日持ちしますんで、暑い時期は常備しとくと便利ですし、ぜひとも御家庭で美味しい冷やし中華をお召し上がりくださいませ。

今回のT&Tは創刊300号記念で、温泉宿泊券をはじめとするプレゼントキャンペーンがございます。道楽のペア昼食券も当たりますんで、ぜひ御応募してみてくださいませ。

また、うちでの料理Q&Aと題して、読者の方々からの特に多かった御質問にもお答えしておりますので、御参考になりますれば幸いに存じ上げます。

《料理教室》

2013-06-24 | Weblog
本日の料理教室メニューは以下の通りです。

◆鰺焼南蛮漬

◆海胆豆腐 南京擦流し

◆サーモン東寺焼

◆白隠元と海老とオクラのサラダ

◆ばら寿司と赤出汁

◆ビスキュイヨーグルトティラミス&エスプレッソコーヒー

お床は、奥谷秋石「笹に鮎」花は唐物籠に「槿」。皆様方、お喜び賜り、誠に有り難く存じます。

瀬田(勢多)豆腐

2013-06-21 | Weblog
本日のT&T連載 道楽味外伝 飯田知史の「うちでの料理」は、勢多(瀬田)豆腐です。

瀬田は、古くは壬申の乱・源平争乱・承久の乱などの戦の舞台となった地。古代に勢多荘・勢多御厨がおかれ、朝廷に鮒ずしなどが貢進されてました。瀬田川にかかる瀬田の長橋(唐橋)は、関東から京都への入口にあたり、宇治橋・山崎橋と並んで京都を守る要衝の一つでした。

瀬田豆腐とは、精進料理のひとつで、乾海苔(ほしのり)にすったお豆腐を塗り付けて、油で揚げてから、付焼きにして粉山椒をふりかけた料理で、鰻の蒲焼に見立てたもんです。
江戸時代、江州勢田(今の滋賀県瀬田)の鰻が超有名やったことから名付けられました。

ほんまもんの鰻は、とても高価になってしもたんで、たまには瀬田豆腐で代用してみはったらいかがでしょうか。ちょっと手間ですけど、食卓での話の種にもなりますし、とても美味しい精進焼物でございます。

《夏至》

2013-06-21 | Weblog
本日は夏至。北半球では、一年でお昼が最も長く、夜が最も短い日です。

夏至は、古代ローマでは、平民や奴隷の歓楽の祭日。英国や北欧では、恋の祝祭日で、魔女や妖精が地上に姿を現し、水や草花が異常な呪力をもつ日とされました。

キリスト教会では、民俗的な水の儀礼をヨハネに結びつけ、夏至は聖ヨハネ祭として祝います。

《紫陽花》

2013-06-17 | Weblog
本日は、免許証の書き換えに行ってから、もりやま芦刈園に約一万本の和洋紫陽花を見に行ってきました。

紫陽花の名は、藍色が群生して咲くことから「集真藍(あずさあい)」が転じたなど、諸説あります。

甘茶を含む山紫陽花・額紫陽花・蝦夷紫陽花に代表される日本紫陽花と、日本紫陽花が海を渡り品種改良された西洋紫陽花に大別され、玉紫陽花・糊空木など十種ほどが、アジサイ属として自生してます。

今年は空梅雨ですけど、紫陽花ほど雨によお映る花は他になく、様々な種類の瑞々しい変幻色は、心をしっとりと癒やしてくれます。

いける時は、山紫陽花や額紫陽花に縞葦や唐糸草、シュッと末枯れ枝のような線のもんを合わしたりもしてます。また大きめの壺に、野生の紫陽花を焼けた葉も一緒にたんと入れると迫力満点。

梅雨に濡れたように、たっぷりと露を打つと、花色が輝きを増し、生き返ったかのように鮮やかになります。

《かき揚げ》

2013-06-14 | Weblog
本日のT&T連載 道楽「味」外伝 飯田知史の‘うちでの料理’は、「かき揚げ」です。

すでに盛夏の暑さとなっており、野菜のかき揚げなんかを身体が欲する時分。小柱や海老を混ぜてもええですね。

天麩羅は、衣の小麦粉と卵黄汁の加減や混ぜ具合、常に氷水にあて冷やしておくことなんかも大事です。油の温度や火加減にも注意しとかなあきません。

野菜は、茄子・南京・甘藷・青唐辛子・三度豆・椎茸…、魚介は、海老・穴子・女鯒・鱚・烏賊…なんかが定番です。

もちろん、塩や天出汁などお好みで召し上がるのもええのですけど、夏場には、うちでの料理に記載した「大根おろしのちり酢」がおすすめです。

何回か揚げるうちにコツがわかってきて上手になりますんで、早いこと自分の手の内、レパートリーに入れて、この暑い夏を乗り切りましょう。

《懐石マナー勉強会》

2013-06-12 | Weblog
本日は、懐石マナー勉強会の開催日。昨日より台風の進路が気になっておりましたが、今朝はほんまにええお天気になって、一安心です。

皆様、長時間ご熱心に受講いただき、お陰をもちまして、主客共々楽しく進行することができ、心より有り難く存じます。

何かと行き届かないことばかりで、至りませんでしたが、来月の後編では、皆様との心の交わりが叶いますよう願っております。

《掻鯛油鱠(かきだいあぶらなます)》

2013-06-09 | Weblog
T&T連載中の「うちでの料理」今回は「掻鯛油鱠」でした。

「なます」とは、獣肉【膾】や魚肉【鱠】を細切りにしたもんで、奈良時代にはありました。

なますには、様々な種類があり、特に江戸時代の料理書には、実によおけなます料理の記述がみられます。「さしみ」は、なますよりも分厚う切って調味料を添えて供するもんで、室町時代になますの一種として作られるようになったもんです。「掻鯛」は、江戸時代の幾つもの料理書に登場します。作り方は、おろした鯛の身の端っこに目打を刺してまな板に固定し、包丁でそぎ取って重ねていくさしみの一種。当時より掻鯛の手法は鱸、鮃、鯉など様々な魚で用いられており、油鱠は旬の美味しいお魚、今の時期ですと鱸なんかを使うて作るのがええでしょう。

《茶懐石》

2013-06-06 | Weblog
本日は、かなり暑くなりましたんで、正午の茶事は、真夏時の涼やかな道具組みにいたしました。薄茶点前は、葉蓋 洗い茶巾です。

懐石の内容は、お向は長入の百合向附に鯒。輪島塗の四つ椀に一文字飯、汁は焼茄子と湯葉です。燗鍋は西村道爺、お酒はだっさい。飯器、汁替の後、お煮物は福子と新じゅんさい、香りは青柚子、お椀は時代松雲高蒔絵高台椀。燗鍋の後、焼物は永楽妙全の染付重に若鶏甘藍巻。強肴は太刀魚の青紫蘇巻と柊野唐辛子の帆立貝射込の唐揚。器は永楽正全の交趾荒磯高盃鉢。預鉢は水雲 針山芋 茗荷 おくら の酢のもんで、二代清風与兵衛の青磁鉢。飯器を出してから、小吸物(箸洗い)は、時代月蓋椀に蕃加です。八寸は、赤杉の木地八寸盆に、活車海老湯引きと焼鶉で、千鳥の杯。湯桶と香の物は、三代清水六兵衛の焼締鉢に胡瓜 小蕪 沢庵でした。