京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

料理教室〓

2008-09-30 | Weblog
皆さんがエプロンをつけて板場に来られました。先ず蟹しんじょからです。おおきな擂り鉢に白身魚のすりみを入れて長いすりこぎですり方を教えながらすっていきます。昆布だしで溶いた浮粉や卵白、つくね芋などを加えてすり合わせます。刻んだきくらげや蟹の身も混ぜます。『こんな大きな擂り鉢は家にないのでフードプロセッサーでもできますか?』とか『浮粉てなんですか?』とかお尋ねになられ、和やかに皆さんお話をされながら作業は進んでいきます。次に昆布だしを鍋に煮立て、蟹しんじょを丸くとって入れていきます。火の通り具合の見方を説明し、皆さんに確認していただきバットにあげていきます。
そして、白和えです。水気を切った豆腐を擂り鉢ですり調味料を合わせ裏漉します。裏漉しのちょっとしたコツなんかをお話しながら進めます。柿を小角に切ってもらって先の和え衣と和えて盛り付けてもらいます。
『くさびら』とはきのこの古名で、舞茸の旨味成分グアニル酸を急増さす下処理のしかたなどをお教えして、それぞれのきのこを調理していきます。丹波地鶏のモモ肉を使います。軟らかく食べる切り方を説明して、ぼくの調味汁の合わせ方をお教えします。フライパンで炒め、きのこも加えて、調味汁をジャーっと注ぎ、ちょっと炊いて、ゆがいて切り揃えた小松菜を入れて仕上げます。これをご覧いただいたときも、新鮮なんですけど不揃いで虫喰いの穴がいっぱいあいた土まみれの小松菜に皆さん驚きのご様子でした。くさびらと地鶏の鍬焼も盛り付けていただきます。
鰆はあらかじめ幽庵地に漬けておいて焼くところからやります。
あとはだだ茶豆の御飯の炊き方をご教授して、お菓子の『葛切り』です。これもやり方をお教えして水煎鍋の説明なども交えつつ、皆さんにやっていただきました。『こうやって作るんですかぁ』と感心されていました。
さて、一通り実習が終わりましたら、座敷に移って一品づつご試食していただきます。
◆次回は試食の様子です

料理教室

2008-09-29 | Weblog
今日は、特別誂えのお寿司のご注文を承っておりましたので、朝早くからの仕込みとなりました。先ず、鯖を仕入れて三枚におろし骨を抜いて塩をあてます。立派な鯖がはいりましたので、一安心です。鯖に塩がまわったら酢で締めます。この酢は、米酢に橙の搾り汁を合わせお砂糖を加えてお昆布を浸したもんです。20程酢に漬けたら、皮を剥いで棒寿司に握ります。ええ鯖を仕入れて、藻塩はあべかわ塩のように強くはしないで、酢で締めるのも身が白く固くなるまでは締めません。
鮃は瀬戸内産で、五枚におろしてから、削ぎ切りにして、藻塩をあてます。塩がまわったらお昆布に挟んでおきます。お昆布は上等なお酒を振り掛けておきます。三時間程昆布締めにしてからさっと酢洗いし、棒寿司にします。鮃とシャリの間に山椒の葉を入れて握ります。
鱧は韓国産の500g程のを用いて、骨切りして付け焼きにします。掛け醤油は、お酒と味醂と薄口を合わせて一度煮立てたもんです。調味料は総て充分吟味を重ねたもんを用います。鱧が焼けたら香りのたつ粉山椒を振って、棒寿司にし、刷毛で詰めだれをのせておきます。
あとは、おいなりさんです。寿司用のおあげさんは、あんまり甘辛うしないで、ゆっくり炊いておきます。寿司飯に、寿司具(前回説明)を混ぜ合わせ三角に握っていきます。
生姜は新生姜を特製梅酢に漬け込んでおいたもんです。塊のまま隠し包丁を入れて沢山付け合わせます。あとは蓮根を薄切りにして、特製梅酢に漬け込んだもんです。これらを秋田杉の六寸の三段重に盛り合わせました。
お持ち帰りいただいて直ぐに、お喜びの御様子を御連絡いただき、有り難く嬉しく存じました。
お寿司を作りながら、同時に料理教室の準備も進めていきます。
11時になると既に皆さんお揃いで、今日のお献立のご説明をさせていただきます。『柿の白和え』柿の種類、和え衣の作り方を主にお話いたしました。『蟹しんじょと松茸の椀』では、しんじょうの生地の作り方とこれを応用する料理のご説明、松茸の処理と吸い地の作り方です。『鰆幽庵焼』は幽庵地の合わせ方、焼き方、付け合わせの説明。『地鶏とくさびらの鍬焼』は地鶏の切り方、それぞれのきのこの下拵えのしかた、合わせ調味料についてお話しいたしました。『茶豆御飯』では茶豆とおあげさんの下拵えと御飯の炊き方です。最後はお菓子の葛切りです。水と吉野葛の合わせ方や黒蜜の作り方をご説明いたしました。
一通りご説明したら、解らなかったところを御質問いただきまして、いよいよ板場での実習に移ります。
◆次回は板場での実習の模様です。

『おいなりさん』の具

2008-09-28 | Weblog
明日は、恒例の料理教室です。
内容は『柿の白和え』『蟹しんじょと松茸の椀盛』『鰆幽庵焼』『地鶏とくさびらの鍬焼』『茶豆御飯』『葛切り』などの秋らしい御献立です。
そして、別誂えで『鯖寿司』『鱧寿司』『鮃寿司』『おいなりさん』の詰め合わせの御注文を賜わっております。
写真はおいなりさんの寿司飯に混ぜ合わせる具です。これを仕込んでおくと、ばらずしを作るときなどにも重宝します。
干椎茸は一晩水に浸してから軸を切りみじん切りにします。もどし汁は漉しておきます。牛蒡はタワシで洗って笹掻きにします。そして水に晒してから水気を切って、みじん切りにします。干瓢は塩で揉んでゆがいてからみじん切りです。人参と蓮根もみじん切りにしておきます。材料を下拵えしたら、フライパンに油をしいて炒めます。そこへ椎茸のもどし汁をたっぷり入れてその二割程のお酒を加え弱火でゆっくりコトコト炊きます。具材がやらこうなったらお砂糖と薄口でやや甘めの吸い加減に調味します。トロ火で汁気が殆どなくなるまでしっくりと炊いたら出来上がり。(写真)
あとは、炊きあがった御飯を半ぼにあけて、すし酢を煮立てて宮島で切るように合わせ、同時にすし具を混ぜます。あまった具は瓶に詰めて蓋を軽めにして強火で二十分程蒸したら直ぐに蓋をキュッと締めておくと長期保存できます。
次回は料理教室のお話です。

梶古美術とのコラボvol.2

2008-09-27 | Weblog
以前にお話申し上げておりました、梶高明先生より永楽焼をはじめとする講話を聞き、料理を名工達の器に盛り楽しんでいただきます食事会でございますが、
平成二十一己丑年二月二十三日(月) 十一時~となりました。
お申込みは朝日カルチャーセンターでの受付となります。
どうぞ、御誘い合わせの上、御参加お待ち申し上げております。
受付に関します詳細は、決まり次第お知らせいたします。

タカシマヤサロン

2008-09-27 | Weblog
献立の一例の『鶉と松茸と菜っ葉の鍬焼』です。
鶉肉の旨味と松茸の香りが相俟って、滋味深い味わいとなります。すぐきの『なかぬき』などの旬の菜っ葉を加えます。
写真の器は、幕末から明治にかけての名工、永楽家十二代和全作龍田透鉢です。器も同時にお楽しみ下さいませ。
御値段は、『土瓶蒸し』が組み込まれた御献立の場合、お昼が二万円・夜が二万五千円。
『鶉と松茸の鍬焼』を入れますと昼・夜とも五千円の追加料金となっております。
◆お早めの御予約をお待ち申し上げております。

タカシマヤサロン

2008-09-27 | Weblog
お献立の一例『鱧と松茸の土瓶蒸し』です。
鱧と松茸と三葉のみで、他の食材は一切いれず鱧と松茸が織り成す秋の味覚を御堪能いただきます。すだちは、土瓶に直に入れると汁が濁り味が変わってしまいます。その都度召し上がるぶんだけ、猪口に絞って御召し上がり下さいませ。

梶古美術さんとのコラボ

2008-09-24 | Weblog
新門前の梶古美術さんの御主人、梶高明先生を御招きして、器のレクチャーをして頂きながら、ぼくの料理を名工達の器に盛り付けて御堪能していただくという御食事会を来年の二月二十三日(月)に開催する運びとなりました。料理の内容も特別な献立で、お楽しみいただこうと思ってます。
梶古美術さんは京都の料理屋はもとより、全国の名だたる料亭が仕入れに来るお店で、ぼくも頻繁に寄せていただいて拝見致しております。
御主人の梶高明先生は文化センターの講師としても御活躍で、受講しておいでの方もそうそうたる方々です。
ぼくも、時折古い器などをご覧いただいて御意見を頂戴することなどもあり、日頃から大層御世話になっております。
素適な御食事会になりますように、今からいろいろと考えを練っているところです。来月には詳細を御案内できるかと存じますので、ぜひ御誘い合わせの上、ご参加をお待ち申し上げております。

だいじなお知らせ

2008-09-22 | Weblog
◆11月1日(土曜日)
 14:00~15:00
◆高島屋6階 書籍売場前
★上記におきまして、『京料理七十二候』のサイン会を執り行います。皆さん、お誘い合わせの上、ぜひお運び賜りますようお願い申上げます。
■本書は、京都の節句、祭事、行事、慣習にまつわる伝統の“食”のお話を、一年を通して、名品に盛付けた料理写真ともに御紹介いたしております。
“食”に対するぼくの想いが込められた一冊でございます所以、ご笑覧賜りますれば、大慶至極に存じ上げます。
高島屋でお待ち申し上げておりますので、是非とも御立ち寄り下さいませ。

『真味倶楽部』

2008-09-22 | Weblog
さぁ、お料理のスタートです。
座付は、白蒸しに引き上げ湯葉を着せかけ、鼈甲餡をトロリとかけて山葵をとめます。器は和全作`倣仁清古織紋蓋碗'です。銀彩布目にえんじ色、藍色、金色、翠色の桐紋がちりばめられています。
前菜は、半七の絵替皿に炙り鮭の棒寿司・しろなのおしたし・鴨ロース・撥子・渋皮栗・干笑果・秋刀魚山椒煮・蒸し鮑・枝豆寄を盛り込みました。
続くお造りは瀬戸内海の鯛・鮃・鱸と五島の車海老、近海黒鮪のかまとろを用いました。魯山人の織部長四方皿です。山葵も鮫皮でおろしたてのをたっぷりめに付けます。
椀盛は「鱧松」で香りは柚子です。まったけは道産のを仰山つこおて、椀は橘屋友七の絵替です。
焼物は半七の秋草鉢にさわら幽庵焼。伏見唐辛子をあしらいました。
次の中皿は`くさびら尽し'京地鶏と水菜といろんなきのこの炒め煮です。清風与平の染付け、月と秋草の鉢です。
強肴は`きごしょう'を奥谷秋石の手捻りの三島の鉢に盛りました。侘びた雰囲気の枯れたしぶい器です。秋石さんは、淡々斎の絵のお師匠さんで、うちの御得意さんでした。きごしょうは、田中唐辛子の葉をつかいました。そして、御飯となります。香の物と御飯茶碗は、どちらもお悠さん(永楽妙全)の交趾です。泥漿を盛り上げ菊が描かれています。香の物は瓜と沢庵のはりはり、小吸物は菊蒔絵の小丸椀、見返しは乱菊沈金です。焼茄子の合わせ味噌仕立。御飯は蟹飯です。針生姜とお揚げさんの皮の細打ちと昆布を入れて陶釜で、近江の有機コシヒカリを炊きます。沸いてきたら昆布を抜き、蟹身を仰山入れて弱火で蒸らします。炊けたら軸三葉をちらします。炊きたてを釜ごと運んで給仕します。
水物は、染付皿に夕張メロン、幸水、藤稔。フォークはクリストフウィドマン
お菓子は一閑張り縁高に自家製`葛焼'
薄茶をお出しします。お食事が終わって一息ついていただいてから、本日使用した器をお箱と共に御覧いただきながら、器談話に花がさきます。
◇こんな感じでいいひとときを過ごす月に一度(第三土曜日)の美食の会です。ご興味をお持ちの方は、是非お問合せの上、ご参加下さいませ。