京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《料理教室》

2011-01-31 | Weblog
本日は嘉月後編の料理教室開催日でした。

御献立は、「風呂吹大根」「鰯きずし」「焼き鳥」「胡麻豆腐」「ぐじ蕪蒸し」「巻き寿司」です。

大根は昆布出しでゆっくりと柔らこう炊きます。白味噌は卵黄や酒・味醂などを合わせて練り上げます。楽焼の器にアツアツの大根を盛り、たっぷり味噌をかけ、ふり柚子をします。

真鰯は、今朝丹後で穫れた大羽を用いました。水洗いして手びらきにし、腹骨をすくいとり皮をとります。藻塩をあて暫くおいてから、合わせ酢に浸けます。包丁して古染付に盛り、菜種をあしらいます。

焼き鳥は京地鶏のもも肉を用いました。調味汁に浸けて、塩をした白葱と椎茸をもも肉と交互に串打ちし、備長炭で芳ばしく焼きます。赤絵の皿に盛り付けました。

胡麻豆腐は、吉野葛とあたり胡麻を合わせて弱火で練り上げます。かけだしは、だしと醤油と酒を合わせて火にかけ、煮立ったら追い鰹をして漉します。器は染付の福祿寿。

蕪蒸しは、聖護院蕪をすりおろし、水嚢で自然に水気をきり、藻塩・卵白・木耳を合わせます。仁清写しの菱紋茶碗に塩をあてたぐじと銀杏・百合根を入れ、先の蕪をたっぷりきせかけて、蒸します。ぐじのアラでひいたおだしに葛でとろみをつけたアンをたっぷりとかけ、すりおろした山葵をとめます。

巻き寿司は、今年「辛(かのと)」の歳徳神が在らせられる恵方である「丙(ひのえ)」[南微東]の説明をして、巻き方のレクチャーを致しました。具は、海老・だし巻き・干瓢・椎茸・三つ葉で、青磁の器に盛ります。一緒に道楽謹製の千枚漬けを供しました。

皆様、大層お喜びいただきまして、恭悦至極に存じ上げます。
受講者の方々には、是非ともご家庭で、心のこもったあったかい豊かな食卓のひとときをつくっていただきたく思っております。

《黒鮪》

2011-01-30 | Weblog
昨夜は、淡路の鯛や平目、伊根の間八、たいらぎ などと一緒に、青森産200kgほどの黒鮪のかましたのトロを仕入れました。
味わいも値段も最高で、まさに鮪の王者です。

めばち、きはだ、びんなが、こしなが、などの種類がありますけど、黒鮪が一番で、幼魚のよこわもアッサリとした美味しさです。

大トロには、鮫皮でネットリとおろした山葵をやや多めにのせ、チョコッとお醤油をつけていただくと最高です。

《燻製》

2011-01-28 | Weblog
自宅で時々燻製を作ります。

数種のチップの備蓄があり、一斗缶に自分で手を加えて作った燻器を用いて、熱燻にします。

鯖・鰺・鰯・烏賊・かしわ・鴨・牡蠣・帆立・豆腐・麩・アスパラ・卵…

いろんな食材を、好みのチップと黄ザラで燻していただくのは、楽しみの一つでもあります。

《粕汁》

2011-01-27 | Weblog
今日の京都新聞連載京のおまわりは酒粕です。
このところ底冷えの日が続いてますので、アツアツの粕汁は五臓六腑にしみわたり、ポカポカとあったまって幸せな気持ちになります。
汁の実(み)には塩鰤と大根と金時人参と蒟蒻と牛蒡くらいで、白味噌を加えてやらかい味に仕立てましょう。
今朝の新聞をご覧いただきました御方より、「じゃこのおだしはどうやってとったらええですか」とのおたずねがありました。

新しい上質なかたくち鰯の煮干しなら、頭と内蔵もとらずにそのまま用います。1リットルの水に、だしじゃこ40~50gとお昆布5~6gを一緒に浸けて、冷蔵庫に入れ一晩おきます。明くる日、鍋に移して火にかけ、中火の弱火ほどの火加減で90℃になったら漉します。

このじゃこだしを使うて、具は精進のみにし、レシピ通りに作っていただき、椀によそい芹をたっぷりのせて陳皮をふって召し上がれば、至福の一椀となるでしょう。

《懐石の出仕事》

2011-01-27 | Weblog
他県での茶事の出張料理の御依頼を承り一昨日より行ってまいりました。

今回は積雪の心配などもあり、道具や食材は出来る限り前もって送り、手持ちの食材などを持って電車で向かいました。

一番気をつかう陶製の羽釜で仕掛けたごはんも、ピッタリとタイミングよく炊け、お向・飯・汁の最初の折敷もスムーズに出て、入念な打合せ通りに進めることができ、料理・器等全てにおいて皆様大層お喜びいただき、とても光栄に存じ上げます。

ご用命賜りましたことに、心より感謝致し、厚く御礼申し上げます。

《和のごはんもん》

2011-01-24 | Weblog
今日は、午前中にKBS京都ラジオのスタジオ収録で、午後からは、三月中旬に里文出版より発売予定の「和のごはんもん」の最終撮影がありました。

鯖寿司、汁物、ごはんの炊き方、だしの引き方、お茶漬け、表紙の画…などを撮影しました。

古より日本人の主食である“お米”は、味覚も栄養面も最も日本人の身体に合う食材なので、若い人達にもたんと食べてほしいなぁと思っております。

毎週土曜日朝に放送のKBS京都ラジオの4月からのテーマも、「和のごはんもん」にしたいなぁと思っております。

《じゃこだし》

2011-01-23 | Weblog
常のおまわりには、じゃこだしを用いることが多いです。

かたくち鰯の上質なじゃこを使うて、つけだしにしときます。
品質のええおじゃこなら、頭と腹もつけたまま、丸ごと前の晩にお昆布と一緒に水に浸けておき、鍋に移して中火にかけ、85℃になったら漉します。

味噌汁・粕汁・おから汁…などの汁物、切り干し大根やきらずいり、菜っぱとおあげさんなど野菜の煮炊きもん全般に用います。

《弘法さん》

2011-01-22 | Weblog
昨日は初弘法で、骨董品をはじめ、いろんな品物の露店が所狭しと並び、それらを見て廻るのを楽しみに来られる参詣客で、賑わいます。

東寺さんには、【鞘町正面 道楽】と刻まれた古い石柱もあり、先代も毎月21日は欠かさずお詣りに行ったはりました。

お土産には必ず、竹の皮でくるまれた「どら焼き」を買うて帰らはりました。上品な餡にモチッとした皮が巻かれた「どら焼き」は、昔から受け継がれてきた伝統の逸品で、毎月いただくのが楽しみです。

《ブリ》

2011-01-22 | Weblog
今年はブリが豊漁で、昨日は「ブリ大根」を大きな鍋いっぱいに炊きました。

大根は丸い聖護院を使うて、ブリは氷見産の13kgほどです。薄口と濃口を合わせて、ほどのええ醤油色をつけ、クッツリと炊き上げます。下茹でして皮を除いた太い蕗も一緒に煮含めました。

柚子の皮をすりおろしてふりかけると、まさに真冬の絶品です。

《懐石教室》

2011-01-20 | Weblog
本日は、道楽年間イベントの“茶懐石教室”の開催日でした。

早くから御予約が定員となり、御希望いただき御参加いただけませんでした方々には、深くお詫び申し上げます。

今日は、炉・前編ということで、寄付・待合での振る舞い、腰掛待合から迎付け、つくばい、席入り、床・炉中拝見、待合い・本席の掛け物、などをご説明して、初炭点前、香合拝見の後、いよいよ懐石のいただき方となります。
折敷に向付・汁・飯をのせて運びだし、燗鍋、飯器、汁替、煮物椀、燗鍋、焼物、強肴、強肴、飯器、箸洗、八寸、香の物・湯桶 すべて一品ずつ作りたてをお運びし、所作のご説明をさせていただきました。

何かと行き届きませず、また拙い亭主でしたが、皆様には大層お喜びいただき、本当に嬉しく存じます。

「大変有意義な時を過ごすことができました。次回、来月の開催日が待ち遠しいです。」との有り難いお言葉を頂戴致しまして、心より感謝申し上げます。

次回の炉・後編は、懐石・お菓子、中立、濃茶、薄茶となります。